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ふたご座流星群撮影記
今朝、ふたご座流星群を撮影しに行った。
夕方で仕事を終えて機材や暖かい服、飲み物などを準備して仮眠を取り、0時ごろ家を出発。
北の方にある山へ向かった。
片道約1時間半。1時間は高速道路だが、降りてからは30分ほどの暗い山道。凍結によるスリップと、野生動物との遭遇に気をつけながら慎重に運転した。
1時半ごろ到着。
駐車場には誰もいなかった。
真っ暗で、無音の空間にひとりぼっち。
その山は、ツキノワグマの目撃情報が結構ある山なので緊張した。
そして、気温は0度。風は全く無かったけど、静かに芯から冷えるような冷たく澄んだ空気だった。
そして、空に広がるのは満天の星、星、星!
宝石がキラキラと輝いているみたいだった。
星空を独り占めしているような高揚感が湧いてきて、写真を撮り始める前にまず地面に大の字に寝転んでみた。
寒い。ひたすら寒いけど、感動的だった。
流れ星が次々にキラッと流れていった。
クマやイノシシ、鹿たちも流れ星を見るのだろうか。
真っ暗闇に1人は怖い。何と出くわすか分からない。おまけに寒い。でも、人生にはこんな孤独な体験があっていいんじゃないかと思えた。なんでかって言われたらうまく言えないけれど、一人で暗闇と静寂に向き合う時間ってそうそう無い。月や星の明かりが心強く感じること。音や匂いで状況を察知すること。すべて自分で判断すること。孤独になることは、自然を信じ、対話することに繋がっていると思った。そして、その積み重ねが自信になっていく気がした。
めっちゃ寒かったからたまにでいいけど。
そうだ、写真を撮らなくては...。
ヘッドライトで照らし、機材をセットしていった。
ところが雲が出てきた。しかもまあまあ厚い。オリオン座やシリウスなどの明るい星が飲み込まれていった。
星は見えないわ寒いわでしょうがないので一旦車に避難し、晴れるのを待った。
15分おきぐらいに外へ出て空をチェックするも、黒い雲が覆いかぶさっていた。天気予報は晴れの予定だったんだけどな〜とちょっと焦りつつも、どうしようもないことはどうしようもない。
雲は流れ続けているし、きっとここを抜ける時がやってくると信じて3時ごろから仮眠をとった。
そして4時。目を覚ますと、空には星たちが戻ってきていた。再びカメラを三脚に据え、空へ向ける。
流れ星の撮影って難しい。広角のレンズを使えば広範囲は映るけど小さな流星はほぼ映らなかったり、望遠系で狙うと位置を外したり。肉眼では見えてるのに〜!と歯がゆい思いをする。撮れたと思ったら人工衛星パターンもある。タイミングも運次第だ。
試行錯誤しながら、なんとかオリオン座の横をかすめる流星を撮影できた。
撮影中、2度不思議な光を見た。
飛行機は規則的に点滅していて、ゴオーっという音もあるのでわかりやすいのだけど、ちょっと違う光を見つけた。
1つ目は不規則な点滅をしながら大きく弧を描くように飛んでいた光。チカチカっと2回ずつ光りながら飛んでいると思いきや、1回になったりまた2回に戻ったり。その間隔も一定という感じではなかった。最初は青白い光に見えたけど、途中から赤っぽくなったり。最終的には見失ってしまった。
2つ目は、自分の頭上のあたりの高いところでチカっと青白く強く1回光った。それ以降は弱い光になって、少し移動して消えてしまった。
あれらは何だったんだろう。
シャッターを数秒から数十秒開けて撮影すると、肉眼では捉えきれないような星々が砂粒のように写る。こんなにもたくさんの星があるのだから、人類にはとうてい想像もできないような進歩した科学技術や、地球外生命体がきっと存在するんだろうなと思った。
徐々に空が明るくなり始めていた。足の指はガッチガチに冷え、レンズも凍りかけている。車のガラスも全部。とにかく温泉に入りたかった。
直感的に、絶対的にこれだ!これで勝負するんだ!というものが撮れないと、自分にOKを出せない。仕事だから尚更だ。写真はやめ時が難しい。
でも、星空撮影は空が明るくなってしまえば強制終了になるので、ある意味ありがたかった。
今あるものでベストなものを出そう...と思いながら、頑張って目を開けて帰路についた。
コンビニで買ったホクホクの肉まんと、作っていったアチアチのほうじ茶が冷え切った身体に染み入った。
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