ユニコーンは2年越しに飛んでくる

昨年の札幌記念以来の万馬券を久々に取ることができました。いやぁ長かった。ノートで先出ししたレースは一回たりとも当たったことないのに、万馬は突然やってくるから困ります。もしこれが有料予想屋とかだったらしばかれてるのでしょうね、よかったね、ノート書く程度で満足できる自己顕示欲しか持ってなくて、本当によかった。


で、当たったレースは何かというと、G3鳴尾記念。勝ち馬はユニコーンライオン。個人的に好きな馬が複数出走しているレースを取れたのは嬉しいですよね。

で、何でレース後にノートを書くのかっていうと、それは一つ当たって気分がいいのもあるけど、今日書きたいのは、自慢でもなく、馬券論でもなく、思い出話を共有したかっただけなのです。長くなるかもしれませんが、ご了承くださいね。

実は、勝ち馬ユニコーンライオンの存在自体は2019年から知っていました。G2G3レベルの馬となるとあまり覚えてない僕ですが、(今日の1.2番人気ヒンドゥタイムズもサンレイポケットも知らなかった)この馬名だけは2年間忘れることはありませんでした。


時を戻して2019年12月。暮れの中山、有馬記念の日。アーモンドアイ1着固定の3連単を握りしめる学生身分の俺。伸びるリスグラシュー。馬群に消えていくアーモンドアイ。何で俺が大きくベットした単勝1倍台は平気で裏切るのか。ダノンプレミアムだってそう、宝塚のキタサンブラックだってそう。アーモンドアイお前もかよ。そんな風に自分を責めている時に、共に何度も苦渋を飲んだ(今でも一緒に飲み続けている)盟友ホシカ君から一通LINEが入った。

「阪神11rの1番人気に単勝一万円行った」


急いでnetkeibaを確認する俺。中山12レース……1番人気……単勝2.7倍………ユニコーンライオン

「こいつ本当のバカだ」

誰だよユニコーンライオンって。前走菊花賞……15着??レースに参加しただけの馬やんか。しかも仮に勝ったとしても、有馬の負けが消えるだけじゃないか。何でそんな勝負を、、、

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1枠2番。結果は見ての通りである。負債が10000円増えよった。


と、ここまでまぁ大袈裟に書いたのだが、負けた後の追い金大勝負は彼にとってあるあるなので、正直数日後にはユニコーンライオンの名前なんて忘れきっていた。しかしその後、ユニコーンライオンにまつわる事件が起こるのであった、、、、、

その約1週間後。お正月に愛媛でお友達と遊んでたときの話である。しこたま松山で遊んだ翌日、宇和島でヨシタニ家のおもてなしを受けていた。親父さんはとても社交的な方で、初めて会った僕にも気軽に話しかけてくださる。酒が入るとなおさらだ。酒席で中高時代のあんな話やこんな話で盛り上がったところ、親父さんは競馬もするとのことなので、(たぶん今も息子に即パットで馬券買わせてる)お馬さんの話になった。有馬記念の話も束の間、

「おいホシカ、でもやっぱりユニコーンライオンの単勝一万円はないぜwwwwww」

突然のイジリに場が沸いた。なんでそこまで知っとるんやと思いながらめちゃくちゃ笑った。そしたら親父さん、ユニコーンライオンネタがウケたことに味をしめたのか、そのあと何回も天丼しよった。5回くらい同じイジリをしていた気がする。こすりもいいとこである。僕の頭にもユニコーンライオンが刻まれた瞬間である。たいそうご機嫌になられていた。ちなみに、その後2軒目では僕も泳げたいやきくんを歌わされたりなど洗練を受けた。

まだまだ事件は終わらない。

その数日後、いつものようにウイニング競馬を見ていた。その日のゲストは金沢リーディング、吉原寛人騎手。南関東競馬にもよく騎乗しにくるし、割と信頼おけるジョッキーである。いつものように番組内で馬券対決が始まり、吉原寛人騎手も騎手目線の予想を発表する。

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いやホシカとやること全く同じやんけ。あのリーディングが。世間の人からすればどうだっていいことだが、個人的に笑いが止まらない。レースは違えど、賭け方と額まで一緒なんだもん。とは言ってもちょっと期待するので、吉原寛人にのって単勝を賭けた気がする。

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ユニコーンライオンは負けた。悲劇は繰り返される。

ついでに同じ日に吉原寛人騎手はもう一個事件を起こしている。

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地上波に映ってることを理解しているにも関わらず、ここでも攻めのイン差しである。確信犯。これはアウト。

こうしてユニコーンライオン自体は関係ない出来事も相まって、僕はユニコーンライオンが忘れられなくなっていく。

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ユニコーンライオンの2020年は散々な結果だったらしい。だが、長期休養明け、間違えるような活躍を見せる。さすが、有馬記念デーに1番人気を背負った馬である。特に復帰1戦目は最下位人気3着。こんなのはもう、上がり馬でもなんでもない。充分すぎるほど苦労している。

そして、

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ついでに重賞まで勝ってしまった。やればできるじゃないか。

本命ユニコーンライオンの僕は勝手にホシカ君の借りを返させてもらった。通例ではホシカくんにはいくらか還元すべきではあると思うが、あろうことか僕は利益金を彼女のために使ってしまう。ホシカ、すまない。前日から本命ユニコーンライオンを伝えてあったので、それで許してくれ。彼女は何か一つ買ってあげると言ったら瞬間みちがえるように元気になりよった。こんな服が欲しかったんだと試着を始めよる。鳴尾記念の中継は、耳鼻科の付き添いのタクシーの車内で聞いていたのだが、本当にさっきまで病院にいましたかあなた?と疑うほど。そして手に取ったセットアップ。何か1つ買うとは言ったが、セットアップとなると、それは2つになる。上下セットで一つみたいな感じ出してるけど、2つである。まぁいい。僕はこれからセットアップのジャケットをユニコーンライオン、下のズボンをショウナンバルディと呼ぶことにする。

このような顛末で、2年越しにユニコーンライオンの伏線回収が済んだわけである。勝手に人様の伏線をもらっただけだが。でも、あの親父さんにはいまなら胸を張って言えるぜ。

「ユニコーンライオンの単勝は、アリだと思います。」

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