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秘密の仕事場


職場の窓から見えるビルの屋上には給水塔(水が入ってるでっけえタンク)があった。

「1人くらいなら入れそう…」

よくよく見るとタンクまでハシゴがかかっていて、
水が通るから、もちろんパイプも繋がっている。

「生活出来るかも…」

寝たり、料理したり、トイレをするような広さはないから、一時的に滞在する場所

「仕事場ならいいか…」

見た目の汚さとは裏腹に中には最新のモニターや本、
小さい冷蔵庫も欲しい。
でも自分専用として使うなら、小物とかハンガーとか電気ケトルが増えて、生活感が出てくるはず。

狭い空間で出入り口は上部のハッチだけ。
空けっぱなしだと空気は通りそうだけど、やっぱりここは秘密の仕事場だから、ハッチを半開きにしてつっかえ棒を入れて、紐を引くとつっかえ棒が落ちてハッチが閉まる仕組みにする。でもやっぱり夏は暑くて冬寒そう。

「エアコンはつけるか…」

室外機はタンクの足元のパイプやら何やらに紛れさせておく。ついでにソーラーパネルも置いておく。
少しずつ外の世界に頼らず生活ができてきた。
残すは…

「…トイレつけちゃお」

スペース的にトイレを入れるともう床はパンパンのはず。
トイレと椅子を兼用して仕事しちゃえば納まる…
この考えは2秒で捨てて、しれっと普通にトイレ追加。

「所詮は空想だから問題なし」

トイレ周辺の床だけはお掃除楽々のシートにしておく。下水管も追加しなきゃ。

ー完成ー

空想と現実の間を自由に行き来して描いていく。
程よくバランスをとりながら、時に空想を言い訳にして

描き終わってからいつもの道を歩くと、思った以上にビルの上には給水塔があることに気づいた。
形もいろいろで円柱型、直方体型、球体型などなど。

もうただの給水塔には見えないね。

奥に見える球体のタンクも誰かの隠れ家かもね

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