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307冊目:ときめきのいけにえ/うぐいす祥子

こんばんは、Umenogummiです。



今日は狂気とロマンスが入り交じったこちらの作品です。




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ときめきのいけにえ/うぐいす祥子 作




あらすじ


家庭の事情から、目立たぬように学校生活を過ごす神業寺マリはある日、抜群のルックスと空っぽの頭を持つ女子に大人気の花水木シゲルに告白されます。


事の起こりは1週間前、帰宅途中ひき逃げをされて倒れていた花水木をマリが救ったことでした。

マリもまた花水木のことが気になっていましたが、影に生きる神業寺家の「目立つことなかれ」「恋をすることなかれ」という掟から、花水木の告白を断ります。


マリは平和への生贄として若い女性を捕らえては拷問をしている家業を忌み嫌い、一日も早く家を出るべく、マンガ家デビューを目指していました。



感想


マリはごく普通の感性をもった思春期の少女のように思えます。花水木に恋する姿は可愛らしいですし、親友二人と大好きなマンガについて語り合う瞳はキラキラと輝いています。

しかし一度血塗られた家に帰宅すると、目は死んだ魚のようになってしまいます。精神を保つために辛いときは花水木のことを考えます。家族は両親と兄、弟の3きょうだいと、お手伝いの女性がいますが、母は心を閉ざし、兄は発狂し、父曰はく弟もまたその傾向が見られるということで、家の中でマリが心を休められる場所は自室しかありません。


家のシーンは血みどろで暗いですが、マリの学校生活は親友二人のおかげと、花水木の告白もありキラキラ輝いて見えます。ごく普通のラブロマンスといった感じなんですけどね。


マリは無事に狂った家を出れるのか?

花水木との恋の行方は?

先が気になる、狂気のラブロマンスです。

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