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256冊目:傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン/磯見仁月

こんばんは、Umenogummiです。


今日は18世紀のパリで活躍した女性のお話です。



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傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン/磯見仁月 作



あらすじ


18世紀、フランスの地方都市・アブヴィルで髪結いの仕事をしているマリー・ジャンヌ・ベルタンは、自分に髪結いや仕立てを仕込んだ叔母・バルビエの店で、髪結いだけでなく仕立てを行っていました。

ベルタンの常連客・ララが、ベルタンの幼馴染・マルセルと結婚することになり、彼女の花嫁衣裳を作り上げます。そののちアブヴィルを去り、「傾国の仕立て屋」となるべくパリへと向かいます


パリでは当初、ジェーヴル河岸通りの小さな仕立て屋にいましたが、ほかのお針子たちは大した技術を持っておらず、「女を売って」いることにベルタンは嫌悪します。

そこへ客として訪れたパリ一番のお針子と称されるマリー・ジャンヌ・べキュー(のちのデュ・バリー夫人)と出会ったことで、運命が変わっていきます。べキューが街を闊歩したくなるような服を仕立てることを約束したベルタンは、同僚のジゼルに「男がいる場所に案内してほしい」と頼み、パレ・ロワイヤルを訪れます。

娼婦たちのめかし込んだ衣装を観察し、パリ最先端の流行を学ぼうとしたベルタンでしたが、娼婦を買いに来た男たちに追いかけられてしまいます。そこで彼女を救ったのは、ガスコーニュ出身の髪結い師、レオナール・アレクシス・オーティエでした。

レオナールとともにベルタンはべキューがお針子をする店、ア・ラ・トワレットを偵察しに行きます。そこへやってきたデュ・バリー子爵がべキューの色気に浮かされない様や、レオナールの「男は皆スケベだ」という言葉、レオナールの濡れた服を見たことから、べキューのドレスのアイデアを思いつきます。


べキューはベルタンの作ったドレスを気に入り、さらに3か月後デュ・バリー子爵から身受けされます。ベルタンの作ったべキューのドレスは評判を呼び、ベルタンはパリきっての高級仕立て屋「トレ・ガラン」の経営者・パジェルから引き抜きを受けます。


一方オーストリアでは、ハプスブルク家の末娘、マリア・アントニア(のちのマリー・アントワネット)がお土産にもらった人形を気に入っていました。その人形には、「トレ・ガラン」という店のカードが入っており、彼女はフランスにあこがれを抱くのでした。



感想


マリー・アントワネットに仕え、モード大臣と呼ばれたローズ・ベルタンのお話です。史実からみても、結末はなんとも悲しく寂しいものになりそうですが、話は18世紀のパリのモード界が舞台なので、とても煌びやかなものになっています。

実際のベルタンには浮いた話がなかったようですが、作中では初めに幼馴染のマルセル、次にともにパリ一を目指す同志・レオナールと、いい雰囲気になります。…ですが、まぁお察しの通りということで。


著者の磯見氏は歴史オタクということで、単行本には担当編集者と対談形式で18世紀の疑問に答えるコーナーがあって、勉強になります。歴史が好きな方も楽しめる作品になっていると思います。

ちなみに私は、カタカナ多すぎて覚えられないので世界史って苦手なんですよね…(日本史は好き)


昨日に引き続き、女性が活躍するマンガです。
(強い女性も好きだし、可愛い女の子も大好きなので…)


ちなみに同じ時代を描いた作品としては、こちらもおすすめです。

こちらは煌びやかな表舞台を描いているベルタンとは真逆の、死刑執行人というフランスの裏舞台を描いています。


ぜひどちらも読んでみてください!


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