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『おでんには「ちくわぶ」だよね』

 昔「ちくわぶなんて知らない」
という人が居て驚いたことがある。

小麦粉をこねて棒状にしたおでんの具だ。
ま、すいとんのようなものだがこれが美味い。
「そんなものは食べたくない」
と神戸出身のよしえさんは言うのだが
俺に言わせれば
「おでんにちくわぶは欠かせないのだ」
ということで我が家のおでんにはちくわぶが入っている。

「竹輪麩」と書くこともあるようだが
竹輪でもお麩でもない。
別段これといった味もないただの小麦粉だ。
しかしこれが一旦おでん出汁の中に入って良く汁を吸わせると絶品の具になるのだ。
別に知らない人は食わなくてもいい。
無理強いはしないが文句を言われる筋合いもない。

これは煮込みすぎるとクタクタになってしまうので注意が肝心だ。
あまり鍋の底に入れて忘れてしまうと汁が濁ってくる。
すると外野から文句が出るので気を抜いてはいけない。

もっとも「ちくわぶ」は
東京、埼玉、千葉、神奈川の一部でしか食われないようだ。
西の境は平塚と小田原の間だ。という説もあるらしい。
小田原は練りものの町だからな。
ヘンテコなちくわぶなど見向きもしなかったに違いない。

横浜には「花こんにゃく」という不思議な具もある。
小麦粉にカタクリに塩を入れて混ぜるのだ。
むろん、コンニャクではない。
これは藤方豆腐店の名物でもある。


我が家ではこの藤方豆腐店の具材を買っている。
今年も花こんにゃくは鍋に入ってはいない。
ちくわぶを買ったからだ。
しかし、
年末ということもあるだろうが
藤方は客が途切れることがない。

『花こんにゃく』ネットより転載。

今年も押し迫ってきた。
世間は喧騒なのだろうか。
我が家はおでんを摘みながら
のんびりとビールなどを飲んで
年末を過ごしている。

しかし、おでんは美味いね。
藤方の具材は各々の個性が強いので
そこらのおでんのように同じような味にはならない。
これは具材の持つパワーのようなものだ。
シラタキも銀杏巻きもコンニャクもさつま揚げも
巾着もエビ団子もそれぞれにハッキリとした味がある。
そして、ちくわぶも絶品だ。

やっぱりおでんは冬が一番だな。
寒い日には特に美味く感じる。

昔は江ノ島への大橋手前や横浜の西口には
沢山おでんの屋台が出ていて
アジアの風景だなあ。
と大好きだったのに美観のためだか観光のためだか知らないが
この国の行政機関は無粋な連中の多いことよなあ。
全て追い出されてしまって今は何もない。

おでんなど食ってると
あの元気だった昭和の頃を懐かしく思い出される。
ああ、歌謡曲の時代だったなあ。

さて、今度の正月はスキーではなく
伊豆あたりでのんびりしようと思っている。
スキーは2月に予定してるし
ブールマンのAikaさんに「伊豆は?」とか
触発もされたからだ。

  うめ。 2022。年の瀬
・・・・・・・・・・・
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