稼げない20代の子らを喫茶店で見て。

自分は午前の喫茶店の時間が好きだ。
窓を覗けば人々が忙しなくマスクして行き来してる中、喫茶店は優雅にクラシックの曲が流れ、美味しいコーヒーを飲みながら楽しく会話したり、1人で本を読んでいたりと人それぞれ好きな時間の過ごし方をしている。

自分もコーヒーを飲みながら、朝のメールチェックや請求書の発行、打ち合わせをしてる。一段落したら、読みかけの本を広げ飽きるまで読み耽る。この時間の過ごし方が何よりの贅沢だとも思う。

たまに出てくる雰囲気をぶち壊す人達

しかし、たまに雰囲気ぶち壊す人らが出てくる。
明らかに「20代前半の子らであろう2~3人が1つのテーブルでクロージングしてる」のだ。

もうね、そういう人がいると気になってしょうがない。笑

1時間かけて営業し、最後は強引なクロージングをかけて気まずい空気になって解散し、他のテーブルで聞いてた指導者らしき人が営業マンにフィードバックする。

めちゃ滑稽な場面。

聞き耳を立てていると、その指導者曰く、

・もっと出会った事に縁を感じさせろ(「人生を変えるチャンス」とか言え)
・お金が無いって言われたら、しっかり切り返せ
・会話の主導権を握れてないからクロージングしきれない
・圧倒的にアポの数が少ないからもっとアポ増やさないと

みたいな事を恥ずかしくもなく大声で言う。恐らく喫茶店で聞き耳を立ててる人達は皆こう思ってるだろう「なんだ、詐欺師か」と。

結果が出ない人はそもそも間違ったビジネス視点

今回の大学生を含め、カフェとかで出会う胡散臭い人らはこぞって「アポからが勝負」みたいな事を言ってる。
限られた時間でいかに警戒心をとき、信用させて、商品に興味を持たせるか。そこでセミナー誘導、プレゼン、その場でクロージングへと繋げていく。

なので、この人らの売上を伸ばす計算式は単純で「成約率が高くなれば、あとはアポの数を増やすだけ」の掛け算。とにかくアポ数が全てなのだ。

これが良いか悪いかは別問題だが、このやり方はある程度の理解はできる。

トップ陣からすれば営業マンは売上を出してくれるなら何だって良い。だったら、営業マンごとにある程度のスクリプトを組んであげて人海戦術させたらある程度の売上は上がる。

ただ、そういうやり方で健全に売上が伸び続けている企業を自分は知らない。数年後には購入者からのクレーム、営業マン達の離散で必ず経営不振となっている。これはゴリゴリのエステ店とかにも言える。

「アポの時点で購入する気満々にさせておく」が正解

Twitterにもいつかつぶやいたが、マーケティングとは「勝手に商品を欲しがらせる仕組み」である。
経営者時代、自分は初めての人と会う時は既に購入検討段階の人としか会わないようにしていた。

むしろ、そういう気持ちで来てくれていない人はスタッフに行かせてたし、自分がやってた頃はアポからの成約率は85%、売上単価は1本75万だった。再契約の人は150~500万を契約してくれていた。

だから、そういう人らを手厚くサポートしてリピートしてもらうためにも無駄なアポはしたくなかったというのもあった。自分は今でもこのやり方の方が正しいと思っており、人海戦術のやり方は短期戦にはいいが何年も続けられるものではない。必ず辞めていく営業マンは続出するので、その度に営業マン獲得コスト・マネジメントコストを考えると結果としては割に合わないと思う。

だから、こちらが客を選ぶスタンスくらいにした方がコスパが非常に良い。そして、ほとんどのお客さんの質も高い。なので、この営業スタンスの方はおすすめ。

では、どうすればお客さんが購入検討段階でアポしてくれていたのか?

それは「購入したいので詳しくお話を聞かせて下さい!」という段階まで持って行ってから会うようにしていた。そのためにも、自分が何者なのか?どんな魅力的な商品なのか?をしっかりとwebサイト等で熟読してもらってから問い合わせしてもらうようにしていた。

自分が何者なのか?これはつまりブランディングが出来ているかどうか。

安定している企業はそれぞれの業界でブランディングがしっかりしている。しかも、ブランディングがしっかりしている企業は他社との価格競争に巻き込まれる事は無くなる。唯一無二の存在となり、どんなに高かろうと欲しがる人は欲しがるし、買い続ける。

だからこそ、経営者は「企業の価値」と「商品の品質」を上げて行く努力をし、そこに掛け算でマーケティングを組み入れる事で売上が爆発的に上がる。逆にブランディングも商品の品質も無い状態でマーケティングをすると売上は短期間では出るが炎上は必至となる。

ブランディングを築くのに何をしたのか?

まだまだ無名だった頃の自分は本を書いて電子書籍にして出版した。自分で自分の事や商品を説明すると営業くさくなるので、第三者からの紹介というフィルターを通して自分をアピールしていった。

その結果、電子書籍を読んだ出版社から書籍化のオファーをもらって本を2冊、雑誌は4回の取材、webメディアは3回掲載された。

更に、マーケティング業界ではほとんどの人が知ってる有名な人からセミナー講師のオファーを頂き、そこから大手企業の社長らとも繋がった。大企業が自社の商品を契約してくれたら、更にブランディングは増すので、もう商品価格もどんどん上げていった。独立当初は商品価格が5万からだったものが、最終的には10倍の50万となっていた。それほど、ブランディングというのは大事だ。

ブランディングはいきなり作り上げることは難しいが、長い先のことを考えれば必ず作り上げておくべき。そうすれば売上は安定するし、新しい事業を立ち上げる時も信用があれば商品を見なくても購入してくれる。ブランディングがしっかり出来ていないといつまでも自転車操業のようになる。

商品の価値を上げるにはどうすればいいか

次に商品。これは自社で用意する場合は必ず商品の品質を上げる努力は必要だ。もし、自社で用意できない場合は他社の商品を売るのもアリ。その場合はしっかり精査する必要はある。

自分もそうだが、例えば美味しい料理屋さんだったら常連になるし、腕の良いエステティシャン・美容師とかだったらリピーターとなる。コスパの良い家電なんかも買い替え時は必ず同じメーカーのを買うだろう。旅行で訪れるホテルなんかもそう。

商品の価値を上げる、これは言い換えれば「いかにお客さんに満足をしてもらうか?」という視点で見ていくしかない。逆に満足させられる品質が保証出来ないのであればそのビジネスは短命で終わる。売り逃げモデルになる。

ここの話をすると長くなるので割愛するが、自分の場合は商品が企業の売上を伸ばすためのものだった。なので、満足してリピーターになってもらえるように研究や分析をし続けた。結果、50万で契約してもらったら大体の企業はそこから100~400万の売上を出していた。だから満足してリピートしてくれていたし、口コミで広がっていった。満足すると購入者は悪意なき営業マンとなって勝手に広めてくれるのだ。もちろん、結果が出なかったパターンもある。そういう時は反省して改善していった。

責任持って商品を売る事をしているか?
喫茶店に来た20代は自分ではやっていない商品を売っていた。ぶっちゃけるとFXの投資案件。海外の証券会社が~的なやつ。その会社は本当にあるのか?なぜ利率がそこまで高いのか?どういうスキームで配当が配られているのか?実績はどれくらい長いのか?そういう疑問が浮かぶが、そんなことは「自分も知らない。でも儲かる」と言う。この人には責任という言葉は無いのだろうか。

更に相手が契約すればお金が手に入るため、口では「私はあなたの事を考えていっている。このままお金の不安を抱えた人生で良いのか?私のようにお金稼ぎたくないか?」みたいな事を言っているが、結局は自分のお金のためだ。相手の人生なんかどうだって良いはず。

カフェで胡散臭い話をしている人らはほとんどこのタイプ。
本気で相手の事を考えて商品を紹介するならば、そんな恩着せるような事をしないで欲しい。良いか悪いかは相手が判断すること。営業マンは背中を押してあげている感覚なのだろうが、前に進みたいと思っているかどうかはその人のタイミングというものがある。それを無理やり「あなたのため」と背中を押すのはもはや暴力だと思うし、それはビジネスではない。

だから、アポからが勝負みたいな人らは売上が出ないのだ。そもそもの視点・思考が違う。

人に会う→信用してもらう→興味を持ってもらう→商品を購入してもらう

この悪しきテンプレから脱しなければ、いつまでも売上は上がらない。そして、時が経てば自分のやっている事への虚無感や罪悪感が出てくるだろう。

最後に

今の時代、誰でも稼ぎやすくなったけど、その分、トラブルも増えている。なかには契約率を上げるために「一生サポートしますから」とか安易に言う人もいるが、契約上、それを約束してしまうと数年後に連絡返信無かったりするだけで契約不履行となり、返金請求が出来る。

だから、普通の人はそんなリスクを負いたくないから言わない。でも、若い子らは売上を出したいがためにリスクの部分を勉強せずに安易に何でもやるし言う。何かあったら逃げれば良いと思ってる。トラブルが多いのはそのせいでもある。

今のSNSで活動してる人らも自分らがやっている事がまわりからどう見られてるか考えてこれからを歩んで欲しいなと思ったので久々にnoteを書いた。

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