葬式を自宅で行ってみた

こんにちは。初めまして。先日実母が亡くなりました。

実母は父と死別して16年した頃、10歳以上年下の男性にプロポーズされて再婚!したなかなかのツワモノです。あ、財産はほぼゼロです。住まいは公営賃貸です。

昨年末期癌で余命半年と宣告を受けて、今年自宅に戻ってきました。帰宅したいという母の願いが叶えられたのは、ひとえに再婚相手のパートナーさんの献身的な介護のおかげです。(私からすると母の結婚相手ですから父とはなりますが、年齢があまり離れていないので父とは呼びにくいのでパートナーさんとさせてもらいます)

私は毎週母の顔を見に行っていましたが、会うたびに起きられなくなり、寝たきりになりました。覚悟はしていましたが、あっという間に危篤、翌日には息を引き取りました。苦しみは全く無く、笑顔でした。

さて、葬儀の段取りをしなくてはなりません。パートナーさんは茫然自失でしたが、母からの伝言を伝えてくれました。

1.葬儀は自宅で家族のみで、四九日も1周忌もやらなくていい。

2.骨壺は娘宅に安置。(娘、つまり私が墓の使用者になっているので多分そのせい)

3.葬儀代は息子が出す。(私には年子の弟がいます。母は自分の始末分として弟に預けてあったらしいです)

さて自宅での葬儀はどうやったら良いのか。父の時は集会所を借りて行いましたが、今のコロナ禍では密は避けたいと思うと、ちょうど良いタイミングかもしれません。とりあえず葬儀社に連絡。危篤のうちに連絡しておいたので、5万円引きになるそうです。葬儀社から死亡診断書が無いとドライアイスを当てる事ができないので、必ず医者に書いてもらってから連絡が欲しいと言われていました。息を引き取ったのが早朝、10時には訪問医が死亡診断書作成、12時に葬儀社到着しました。

打ち合わせ開始です。自宅で家族葬でとお願いしました。この日は土曜日。死亡診断書には死亡届が一緒についてます。死亡届には本籍の欄がありますが、パートナーさん分からないとの事。死亡届は土日でも役所が預かってくれますが、内容が違っていると火葬の際に困る事になります。確認できるのは月曜日なので、火曜日以降で火葬場の空きがある日を探してもらいます。幸い、火曜日に空きがあったので、火曜日13時出棺と決まりました。

母は腹水が溜まっていたので、出棺まで母の体をきちんと保管しておきたいとの事で翌日の日曜日に納棺をして、ドライアイスの効きを良くしておく事になりました。月曜日が母が寝ていた介護ベッドの引き取りと葬儀社による死亡届の提出。火曜日が葬儀と出棺、この時点で日程が決まりました。

次がオプションです。お経は家族でできる人がいるので僧侶は無し。会場を借りると白木の位牌が必要なのですが、自宅なのでそれも無し。ちなみに白木の位牌は四九日の後捨てる事になります。写真も2Lの写真があれば十分なので、私の方で準備する事にしました。母のとびきりの笑顔の写真を息子がスマホで切り取ってカメラ屋でプリントし額を買って作りました。棺桶の上に置く花は無し。母の顔まわりを飾る花は洋花にして、母の好きな薄紫色の物を多めにお願いしました。火葬場と自宅の往復はそれぞれの車で行うので、マイクロバスなどは無し。家族のみなので参列者用のお礼状も無し。何かいただいた時は四九日に送る事にしました。

葬儀社にやってもらう事は、棺桶の準備、自宅内の祭壇の準備。ドライアイスの交換、役所への書類提出代行、火葬場の手配、霊柩車の準備。花の準備。葬儀の進行。火葬場での進行。(これでも60万円ほどかかります)他に、火葬場は私営なので、それぞれの職員宛にチップが必要で、しかも金額がすべて決まっているのが変な所です(父の葬儀の時も同じでした)

葬儀の日まで、母の好きな白百合のバスケットを作ってもらいって枕元に飾ったり、パートナーさんが母向けにお手紙を書いたり、それぞれ母へ好きな事をして過ごしました。

葬儀は、穏やかな春の陽気の中、パートナーさん、私の家族、弟の家族の計8名で和やかに(この言葉は葬儀向けではないでしょうけど、本当に和やかでした)行われました。パートナーさんの挨拶は母と会えて本当に幸せだったと、来世も母と夫婦になりたいと泣きながら話していて、母も最晩年にこんなに愛されて幸せだったんだと実感しました。(弟は、そりゃいいけど先に亡くなった父の立場はどうなるんだよ、と苦笑いしてました)出棺の時、近所の皆さんが10人以上待っていてくださって送ってくださいました。ここでも母は幸せだったんだなと思いました。火葬はあっという間に終了。小さくなったお母さんを膝に抱いて、実家に戻りました。

ここで一つ、母の伝言に背く事になりました。近所の皆さんから、お線香を上げに行きたいから、骨壺を実家に置いて欲しいと言われました。これはありがたい事なので、実家に四九日まで置かせてもらう事になりました。

今回、自宅で葬儀を行った感想は、ゆっくりと家族との別れができる、という事です。食事の数、令嬢の枚数、親戚の宿泊の準備、参列者への挨拶などが、全くないのはとても楽でした。

問題は、母の親戚にどの時点でどの様に伝えるか、です。四九日に納骨してから故人の意思でこうした、と伝える事になります。私、怒られそうです。まぁ、でも母の兄弟は皆すでに故人なので、大丈夫かな。


母はお金をかけて形式をやる事が嫌いだったのでしょう。四九日もやらなくていいなんて。残った私たちとしては、四九日はやらないと言いつつ、お墓に納骨に行くので、勝手にやる予定です。1周忌も3回忌も勝手にやるから、覚悟しておいてくださいね。だって忘れられない大事な人なんですからね。

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