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ホイップクリーム女子

ホイップクリームって、どんな存在だろうか。

例えば、ホットケーキの上に乗る添え物的な。

少しあると嬉しいかもしれないけど、多すぎると胸焼けして、ウザいな的な。

少しは何かを自慢するのは許せるけど、度が過ぎると胸焼けしてウザい。

主にインスタのストーリーを中心に、そんな投稿を僕たちは半ば無意識的に、日々、喰らうようになった。

毎日のように、余計なひと言を添えてストーリーでマウンティングしてくる(少数ですが)人もいる。

そんな投稿を浴びて、なんかモヤモヤした気持ちになったことは、一度や二度では済まないだろうか。

過剰なホイップクリームを、撒き散らしてくる人たち。

その女性たちを、僕は「ホイップクリーム女子」と呼ぶことにした。

もはや、略して「ホイップ」だ。

日々、ストーリーを見て「うわあ、ホイップだなあ」とホイップを発見して、友人とシェアする、「ホイップ警察」になりつつもある。

ホイップ女子が撒き散らす「ホイップ」について、具体例を紹介していこう。

ホイップの定義を確認しておくと、マウンティングの一種であることに違いはないのだが「その余計なひと言は要らなくないか?」と「余計さ」がホイップである。

ホイップという装飾がなくとも、成り立つはずの投稿だが、ホイップを盛り盛りに添えることで、投稿者は自身の自尊心を誇示したいのだと思われる。

だが、閲覧者にとってはそのホイップは極めて余計なものであり、「残念な人だな」と思われる、大きな減点ポイントにもなり得る。

投稿者は自身の威厳を示したつもりが、閲覧者には逆効果になる。それがホイップである。(と、僕は定義する)。


ホイップ事例1.「多くの知り合いが恋愛リアリティショーに出ている。ま、私は出ないけどw」


とある、恋愛リアリティショーの話題になった際に

Aさん「「恋愛リアリティショーなんて、知り合いばかり出てて、見れたものじゃない。ま、私は初期から参加のオファー来ても断ってるんだけどね。あんなの、世間の良い晒し者じゃないw」

これはインスタではなく、実際の会話で僕が体験した話なのですが、なかなか強烈なホイップです。解説すると

1.多くの知り合いが恋愛リアリティショーに出ている私の人脈ってすごくない?
2.でも、私は誘われても参加しないんだけどねw
3.2で1の人たちよりも、「私は上よ」的なニュアンスを感じなくもない
4.そして1の人たちを「世間の晒し者」とdisる

この短い会話の中だけで、Aさん、結構やばい人なんじゃないか。と僕は感じましたw

ちなみに、ここで賢い人であれば、恋愛リアリティショーの話題になった時に「自分の知り合いがたくさん出演している」みたいな人脈マウンティングすらしないですし、「へー、その番組話題なんだね」くらいに流すでしょう。

「知り合いが出ている」「自分は断ったけどw」「出演者、良い晒し者じゃね」と「知り合いをdisる」必要はないんじゃないでしょうかw

ホイップ女子は、こういうムーブをほぼ無意識でしているが故にホイップ女子なわけで、「ああ、自分もこの人にいろんな角度からdisられているのだろうな」と感じましたね。

この手の人は、一度会っただけの人をすごい仲が良いとか、盛りマクリスティで主張したりする傾向もあるので、お気をつけを。ホイップ女子を見極め、距離を置くことは、自衛にもなります。

ホイップ事例2.身分不相応な生活に、ホイップを添えて。


流石に実際の投稿をスクショして掲載するほど僕も非人道的ではないので(丸くなったな)印象に残ったストーリーをテキスト化すると

先月ぶりのビジネスクラス。やっぱり、ビジネスクラスのご飯は美味しくない。ここ限定のハーゲンダッツが一番❤️

僕は一切海外にも行かないし、国内もエコノミーしか乗らないのですが。

ビジネスクラスによく乗ってる人は、ビジネスクラスに乗っていることをアピールする投稿はしない気がします。

昔、JALのラウンジのカレー?をtwitterにupするのが流行っていた気もしますが、あれも振り返るとホイップの一種で、「JALのラウンジクラスを使っている俺」という、余計というかどうでもいい情報(ホイップ)のアピールだったわけです。繰り返しますが、ホイップとは、投稿者は悦に浸っているが、閲覧者にとってはどうでもいい情報。

このビジネスクラス女子の話に戻ると、「比較的頻繁に」ビジネスクラスに乗っていることをアピールしつつ、「ビジネスクラスのご飯は美味しくない」とdisる。

いや、直接航空会社にクレーム入れろよwというのは風情がない話であり、「ビジネスクラスの食事をdisる私」で悦に浸っておられますなあ。と、ホクホク顔で見届けましょう。

ビジネスクラスの投稿自体がいらないと言えば身もふたもない話ですが、ホイップ度を下げるには、ご飯をdisるのと「先月ぶりの」は不要ですね。ホイップ少なめで添削すると

ビジネスクラスで○○(行き先)へ。ここのハーゲンダッツ、美味しいな❤️

この程度なら、そこまで罪深くはないでしょう。ウザいけど、「先月ぶりの」という装飾や、機内食をdisるのを見かける不快感はなくなります。

さらに突っ込んでいくと、この手の「ホイップを添えて」系女子は、身分不相応な活動であるが故に、ホイップしたくなっている気もします。毎回ビジネスクラス、自腹でのっているんですか?という話です。そうであればまだマシですが、人のお金で乗ったビジネスクラスで「機内食まずい」とかdisっていると、ビジネスクラスのお金を払った人って、どう思いますかね。

払った人も「確かに機内食まずいよね」と思っていたとしても、あまり良い気はしないと思います。日常生活でいうと、デートでレストランでご馳走した際に、イマイチだなと思ったとしても、ご馳走になった直後に「美味しくなかったね」とは言いづらいはずですよね。僕は言いづらいですよw

奢った人に罪はないはずなのですが、奢った自分が悪かったなという気になりますよね。厳密には、その店を選んだ人が罪を感じることはあるのかも。

あとは、金額を記載するのもホイップ感が強いです。特に、飛び抜けて高いものを例えば「○○○万円の〜」的な。自腹でも感じ悪いですが、自腹じゃないと感じ悪いどころの話ではない気がしますw

自腹ではなさそうな身分不相応なライフスタイルのインスタストーリーなど、今に始まった話ではなく、昔からあるわけですが、その中でもさらにタチが悪いのがホイップ女子ですよ。という話です。そこまでマウンティングしないのか?という。

ホイップ女子がホイップ女子たる所以


ホイップ女子たちは、なぜホイップしてしまうのでしょうか。

仮説の一つとして、自意識過剰さがそうさせているのかなと。

言い換えると、自分を持っていないがゆえに、ホイップまみれになって自分を隠そうとする。

限定のブランド物を持って、予約困難店でご飯食べて、ビジネスクラスで世界中を旅する私ってすごくない??という。

芸能人って、ホイップ系な人も一部いるでしょうが、そんなにホイップな投稿をしないですよね。

必要以上に自分凄いでしょアピールをしたり、他人を乏めたりしない。

「限定のブランド物を持って、予約困難店でご飯食べて、ビジネスクラスで世界中を旅する」

的な修飾語がない自分には自信がないがゆえに、そういうホイップで自分を固めてしまう。

本来は、芸能人じゃなくとも、誰にでもその人にはその人らしさとか良いところはあるはずなんですが。

そうした、あるがままの自分なだけではいられない。

他人からの羨望を集めたい!

今に始まった話ではないですが、インスタがホイップ女子のそうした深層心理の加速措置となってしまった。

適度なホイップはご愛嬌ですが、日々ホイップを撒き散らしていると、閲覧者にも無意識的にヘイトが溜まっていきますよね。

何かしら貴重な体験を積むことは、人生を豊かにしてくれるので良いと思います。

それを気持ちよくストレートに表現して伝えることができる人もいれば、なぜか無意識に致死量のホイップを添えてしまう人もいる。

ちなみに僕は予約困難店に行くこともあればラーメン屋やドーナツ屋に1時間並ぶこともあるし、飛行機は必ずエコノミーだし、新幹線も最近は距離が短ければグリーン車をやめたw

ホイップおじさんもいるよ


ちなみにわかりやすく、インスタのストーリーが主戦場の「ホイップ女子」と称したが、主にはFacebookやTwitterに登場する「ホイップおじさん」も存在する。

わかりやすいのは、経営者が自社の業績を高らかにポストすることですね。

上場企業経営者の場合、決算をアピールしますが、ずっと決算が出る度にポストする人はほとんどいなくて、「好調な時だけ」ポストします。「下方修正出しました!すいません!」みたいな投稿はあまり見かけたことがなく、業績が悪化すると、投稿は控え目になります。

決算自体は、悪い時は非開示でも良いというルールはあるはずもなく、IRページには淡々と更新されます。調子が良い時だけ、声高にアピールするのは、ホイップおじさんの素養があると言えるでしょう。

未上場の場合、「当社のギネス記録を先月達成しました!」的な投稿ですね。これは、潜在的な投資家にリーチしたいとか、競合を牽制する的な意図もなくはないと思うのですが、「すごいですね!」と言われたいだけな気もします。

これも、たまにならご愛嬌だなと思うのですが、そういうポストばかりの人だと「自慢ばかりでウザいな」となります。自社のリリースばかりシェアしている人のことを指すのではなく、あくまで「当社、こんなに凄いんです」的な投稿が多い人を指します。リリースのシェアは、仕事なので仕方ない。

何年前からか忘れましたが、Facebookはホイップおじさんの業績好調アピールしか見かけなくなってしまった結果、過疎ってしまった。というのも、要因の一つにあると思います(もちろんそれだけではない)。

Facebookは投稿が気軽なコミュニケーションを促進する場ではなく、何やら凄いことを高らかに発表しなければいけない場になった。みたいな感じです。凄いことじゃなくとも、人生のハイライト的なことしか発表しづらい場(【ご報告】的な)になってしまった。


2ヶ月前に書いた記事を、ゼロベースでリライトして公開してみました。

「ホイップ」とは、今まで言語化しきれていなかった概念であり、ライトなニュアンスからも、実は指摘しやすい便利さがあります。

ホイップ女子に対して「あの投稿はホイップだからやめなよ〜w」とかツッコミやすいと思われます。

最後に再確認すると、ホイップとは、「自分を上げたり他人を卑下する、余計な修飾語」であり、適量ならスパイスにもなるが、過剰なら人間関係を知らず知らずに滅ぼすものである。と僕は解釈しています。

無意識にホイップを撒き散らさないように、気をつけたいものです。

ホイップさんに対して、皆さんも気軽に「それホイップだからやめなよ」と言える社会になると良いなと思う、令和6年でした。

ありがとうございます!サポートは希少なのでとても嬉しいです^^