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Zoom会議・遠隔授業のためのマイク選び

なぜマイクなのか

ビデオ会議では、多くの人は映像が重要だと考えるでしょう。たしかに、映像の美しさは目を引きますし、気になる人が多いのではないでしょうか。しかし、ビデオ会議や遠隔授業に映るのはなんのことはない普通の人たちですし、部屋が映るのは嫌だという人もいるでしょう。いくつかの映像コンテンツを見てみるとわかるように、長い時間の会議・授業には音が重要なのです。ことばが明瞭に伝わることに、ぜひともこだわりたいものです。長年ライブ配信をやっているノダさんはこんなことを言っています。

コンテンツの中身よりも「音」 動画やライブ配信で最も重要なこと
ノダタケオ氏

「動画を作ったり、ライブ配信をしたりするならば、まずは『映像より音』に気をかけてみる。それだけでも、見てくれた人たちの反応が視聴数、最後まで視聴してもらえるかの評価(反応)へもつながっていくのです。」

マイクにはどんなものがある?

まず、マイクを選ぶうえで考えておきたいこととして、マイクの種類について説明していきましょう。

エレクトレットコンデンサマイク

最もよく使われるのが「エレクトレットコンデンサマイク」です。ノートパソコン内蔵マイクも100%これだと言って間違いないでしょう。扱いやすく、安価で壊れません。数千円から1万円くらいで買えます。このマイクの出力は3.5ミリのプラグになっています。なお、電源が必要なので、電源供給できる専用の入力端子が必要です。パソコンに3.5ミリプラグのマイク端子があれば、電源供給付き、つまりエレクトレットコンデンサマイク用になっていると考えてよいです。

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パソコンのマイクだってエレクトレットコンデンサマイクなのだから外付けの意味はないのでは、と思うかもしれません。しかし間違いなく、外付けマイクのほうがノイズが少なく、音質もよいです。

このマイクはコンパクトなのがポイントですので、マイクスタンドを使うタイプよりも、襟につけるピンマイクがおススメです。

ダイナミックマイク​

このマイクをよく見かけるのが、ステージ、ライブハウスなどのパフォーマンス、ボーカルでの使用です。音楽をやっている人なら、Shureという有名な音響メーカのSM-58という定番ボーカルマイクをご存知かもしれません。値段は数千円から数万円くらいです。

ダイナミックマイクはとても丈夫で壊れにくく、扱いやすいのが特徴です。音質的には、高域の伸びがありませんので繊細な楽器には向きませんが、声ならばこのマイクがおススメです。エレクトレットコンデンサマイクに次いで扱いやすいマイクです。ただし、ダイナミックマイクはパソコンにそのまま接続することはできません。USBオーディオインタフェースや、USBミキサーなどを介してパソコンに音を取り込むことになります。

コンデンサマイク

放送や音楽収録などで広く使われるのがコンデンサマイクです。振動部分がとても軽く、繊細な音を低音から高音まできれいに録ることができます。このマイクには電源が必要で、「ファントム電源」と呼ばれます。ファントム電源の供給機能を持つUSBオーディオインタフェースや、USBミキサーなどが必要になります。コンデンサマイクは強い振動や湿気に弱く、吸湿材などを使ってきちんと管理しないと音質が低下します。ただ、以前と比べて安価なコンデンサマイクも増えていますので、安いものは神経質にならなくてもよいでしょう。一方、高いものだと10万円ほどもしますので、高いマイクの場合は管理方法も考えておきましょう。

高音質と聞いてこのマイクを選んでしまう方が多いかもしれませんね。コンデンサマイクはとても繊細な音まで拾います。マウスのクリック音、エアコンの稼働音などなど生活音もすべて拾います。またノイズの影響も受けやすいです。そのため、コンデンサマイクはスタジオなどの良い環境でよい音をとるためのものと理解したほうがいいでしょう。環境によっては、ノイズなどに悩まされるマイクになるかもしれません。

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指向性も大事

マイクを選ぶときに気を付けたいポイントとして、指向性があります。それについても簡単に触れておきましょう。まず、「無指向性」です。マイクの周りの音をまんべんなく収音します。「単一指向性」は、マイクの正面からの音をよく拾います。「超指向性」は、マイク正面の比較的狭いエリアの音を拾います。ピンマイクは方向を定めにくいので無指向性を、マイクスタンドで使うものには、「単一指向性」が一般的でしょう。無指向性マイクは、周辺音も拾いますので、使用環境の静かさを考えたうえで選ぶことが大切です。現実には、単一指向性だから背景の周辺音レベルがすごく低くなるというわけでもありません。

エレクトレットコンデンサマイクをおススメ

会議、授業用だと、エレクトレットコンデンサマイクのピンマイクタイプをお勧めします。いちばん無難で値段も安い。特に、パソコンのマイクの音がよろしくないという方は、パソコンにエレクトレットコンデンサマイク対応の入力端子があることを確認の上、さっさとマイクを買いましょう。音がぐんとよくなって、会議や授業のレベルが上がること間違いありません。

USB接続タイプもある

一般的に、マイクをパソコンに接続するには、USBオーディオインタフェースや、USBミキサーなどが必要ですが、マイクの出力がUSBになっているタイプも増えてきています。オーディオインタフェースを購入するのは大げさすぎると考える方は、USBタイプを検討しましょう。

私の場合

最後に私の環境を紹介しておきましょう。

マイクは2つ使っています。1つは、Shure Beta 57 という超指向性の楽器用ダイナミックマイクです。もともとは楽器の録音に使っていたものですが、それを流用しています。超指向性なので、マイクの正面で話すように心がける必要があります。重めの卓上マイクスタンドに、振動からくるノイズを低減するサスペンションホルダを介して設置しています。サスペンションホルダがあると、机を蹴ったり叩いてしまったりしてもその音が伝わりにくくなります。

もう一つは、SONY の ECM-PC60 という安価なエレクトレットコンデンサマイクです。SONYのほうが少し高域のノイズを拾ってしまう印象ですが、ピンマイクで口のそばで録れるためオーバーオールでは音質は良いかなと思っています。マイクケーブルが少し邪魔というのが欠点かな。

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/164866/

なお、USBオーディオインタフェースには、Behringer のXENYX 302USBという極小、格安ミキサーを使っています。このミキサーは、エレクトレットコンデンサマイクの端子もあって便利。これ以外にもライブ配信用のUSBミキサーなら何でも使えると思います。

マイクを買っていい音で配信しよう

Zoom や Skype はそれでなくても音が悪くなりがちです。送り出し側での音をよくすることで、聞きやすく、疲れない会議・授業に取り組んでみてください。

マイクなどのオーディオ関連製品は、Soundhouse で買うとよいでしょう。品ぞろえがとにかく素晴らしい。オーディオ楽器好きにはたまらないオンライン通販サイトです。


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