山の向こう側に憧れがあった。
女子はその街にいるだけでいいとこお勤めのサラリーマンと知り合える、と言ってる同年代の女をTwitterでフォローしていた。知らないけど、たぶん私より綺麗で私より酒に強そうな子だった。ハイヒールで靴擦れしたとかツイートしてたから、きっとそうだ。彼女の言うことを心底信用していたので、コリドー街というその街の知識は、彼女の独断と偏見にまみれた一方的な情報により、私の脳内街づくりが行われた。高収入で高学歴で、身なりと身分がきちんとした若くてかっこいい男性がわんさかいる、という膨張した