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元カレが突然家族になったんですが!? #3


1ヶ月前、私に衝撃的な事実が告げられた。

父「お父さん、再婚しようと思うんだ。」

史「え!?ほんとに!?おめでとう!」


数年前に事故で母が他界してからどこか寂しそう
にしていた父から出たその言葉には驚いたが、
その反面、父がまた幸せそうな顔をしているのを見て私も嬉しくなった。

史「いつからなの?」

父「来月には籍を入れようかと思ってる。」

史「そっか」


来月と聞いて少し早い気がしたが、
父が言うことだ。
たくさん考えた結果だろうと思い、私も賛成した。


父「もし、史緒里がよければなんだが、来月からその再婚相手の方の家に住もうと思ってるんだ」

史「え!そうなの!?」


これには少し驚いた。


父「相手の方にもお子さんがいるらしくて、
史緒里にも弟ができるみたいなんだ。」

史「え!そうなの!?」


これにはかなり驚いた。

弟かぁ、年近いのかな?


史「何歳くらい離れてるの?」

父「聞いた話だと史緒里と同い年らしい」

史「え!そうなの!?」


本日3回目の「え!そうなの!?」が出た。

同い年かぁ、ちょっと抵抗あるなぁ…

私には5ヶ月前まで彼氏がいた。その人は優しくて、私が初めて好きになった人。

私の今でも好きな人でもある。


父「やっぱり一緒に住むのはやめておくか…?」

史「ううん!大丈夫!お父さんも一緒に暮らしたいんでしょ?」


私もいつまでも根に持ってるわけにもいかないし、踏ん切りをつけるという意味でも了承することにした。


父「そうか。ありがとう史緒里。来月顔合わせするから、史緒里もそのつもりでいてくれ。」

史「うん。わかった」




________________________________________



そして当日。


父「史緒里。心の準備はできたか?」

史「うん。大丈夫。」


やっぱり緊張するなぁ…
そう思っていると父がチャイムを鳴らす。


「はーい!」


相手の方だろうか。優しそうな声が聞こえる。


?母「早かったのね」

父「いやぁ、思ったより近かったからね」


玄関が開くと優しそうな声にぴったりな
とても柔らかい雰囲気の女性が出てくる。

その後ろから顔はよく見えないが私より20cmは高そうな男の子が歩いてくる。


?母「あ、こっち息子の〇〇ね。ほら、〇〇挨拶しなさい」


〇〇「あ、どうも、はじめまして」


驚いた。そこにいたのは半年前に別れた私の
元カレだったのだ。

もう会えないと思っていた人にまた会えた。
もう会えないと思っていた人とまた一緒に過ごせる。そう思うと自然と私の口角は上がって


史「よろしくね、〇〇くん」


自然と話すことができた。


史父「あれ、もしかして知り合いだった?」

史「高校が同じだったんだ」

○母「あら!ならちょうどいいじゃない!」


相手の方も私を受け入れてくれているようで安心した。
何より目の前で驚いた顔をしている好きな人と一緒に暮らせるなんて嬉しすぎるよ!

私顔ニヤついてないかな?大丈夫?

そんなことを思っていると、


○「あ、わりぃ俺友達との用事思い出したわ」


〇〇はそう言って私の横を通り過ぎてどこかに行ってしまった。


○母「ごめんなさいね、あの子に伝えるのが急だったせいでまだちょっと受け入れられてないのかも…」


いや、違う。私のせいだ。

私が夢の為に彼を傷つけてしまったから、彼はきっと私のことを恨んでるんだ…

そうだよね。私から別れを持ち出してしまったんだから。


to be continued...

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