一合金三圓、品質東京のものに比すれば

 (ブログより)永井荷風のように死にたい云々と何度か書いた、が、もちろん当分そんなつもりはない。まず、彼のように元気に、呑気に暮らすのをこころがけなければなるまい。で、荷風お気に入りの散歩コースにある神社を訪ねてきた。白幡天神社だ。
 源頼朝が白幡を掲げたのが起源らしい。平氏の紅幡、源氏の白幡ってのは有名だものね。そこに太田道灌が社を建てて、菅原道真を祀って、勝海舟が扁額を書いて、永井荷風が散歩する、という有名人チャンチャカチャン状態のありがたい神社なのだ。無事に卒業できるよう、学業守を購入する。梅の花も咲いていて、さすが天神社ではあるが、武内宿禰が御祭神だったところに合祀したのだそうだ。
 荷風はここで詩集を読んだりしていた。当時は祠畔(今こういう雅な表現は見かけません)に牛乳パンを売る家があってと、断腸亭日乗に出てくる。タイトルはその感想。「……遥かによし」と続く。
 探してみたものの、残念ながら牛乳屋さんはなかった。がっかりして帰ろうと思ったら、「はかり売りします」の看板を発見。酒屋さんだった。樽酒を量り売り、一合いくらであろうか?

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