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髪を染めた

昔、特に何かがきっかけではないが髪を染めた。
おそらくその時は4月で新たな年度の始まりに浮かれていたのかもしれない。

ただ、黒髪から大きく色を変えて垢抜けた感出すのが嫌だし、仕事に支障が出るかなぁと思ったからちょっと薄めの茶色に染めた。
太陽に照らされると茶髪感が出るような感じで。

が、蓋を開けてみると、割と周りから何も言われない。
親からはいいねとは言われるが、親以外からは特に何も言われていなかった。
染める時に髪の毛が痛くなるような感覚があったが、それであればもう少し色を強めにした方が良かったのかなと思った。
恥ずかしいので自分から髪を染めたことは言わないようにしていた。

サークルの仲間と集合写真を撮る時、ちょうど日光が出たので、髪がいい感じに茶色に輝いた。
青空と桜をバックだったので生涯でもベストな写真だったと思う。
その写真を見るとこの一瞬のために染めたのだなと少し嬉しくなった。

私服は基本茶色系のジャケットを羽織るタイプなので、結構茶髪は映えると思った。
特に誰かから言われたわけではない。。。

ある日、仕事場にGが出た。
東北では見慣れないその物体に慌てふためく人が多かった。
私は虫タイプには強かったので、それをティッシュに優しく包んで外に逃がした。
Gは静かに地面に這いつくばりながら建物から離れていった。

「すごい!尊敬する!」
と称賛の声が響いた。
その瞬間、期せず、労せず英雄になった。
少しGに感謝した。

そして、もう一言頂いた。
「そういえば、髪染めた?」




#髪を染めた日

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