chatCPTを使って自分の文章をレビューしてみる

最近話題のchatGPTについて、巷では様々な活用法が共有されているかと思います。考え方次第でいろんな事ができる……というのはわかるものの、手軽に試せて実際の仕事にすぐ生かせる領域と考えるとなかなか難しいですよね。
AIによる画像生成の時のイメージも強く「何かを作る」視点でばかり考えていた訳ですが、既にある物に「改善点」を示してもらう使い方がすごくいいぞ!と言った話を耳にしたので、今回は自分で書いた文章をchatGPTにレビューしてもらおうと思います。

初めに

chatGPTくんにレビューをしてもらうには、当然ですが対象となる文章が必要となります。今回は過去に作成した「わかりやすい業務マニュアルの作り方(入門編)」を使ってみようと思います。

実際に試してみる

記事全体だと長くなってしまうので「2.業務情報の分解・整理」までを対象としてレビューをしてもらいました。

プロンプト

以下に示す「文章」の改善点を提示しなさい
改善点の提示は、以下の「前提条件」「観点」に基づいて実施しなさい

前提条件:
・提示する文章は「ブログ」の記事である
・「マニュアル」の作成方法について基礎的な情報を獲得する為の文章である
観点:
・言い回し・表現がわかりやすいか
・伝えたい内容が明確であるか
・必要十分な情報を提示できているか
文章:
以下に文章を記載

レビュー結果

1.タイトルがないため、どのような内容の記事なのかがわかりにくい。タイトルをつけることで、読者が記事の趣旨をすぐに理解できるようになる。

2.「初めに」という表現は冒頭に使われがちであり、特に意味を持たないため、不要である。また、文体が堅苦しいため、読みにくい印象を与える。簡潔かつ親しみやすい表現に改めることで、読者の関心を引きやすくなる。

3.「そこのあなた」という表現は、直接読者に訴えかけているようで、一部の読者には不快感を与える可能性がある。代わりに、より一般的な表現を使い、読者全体にアピールするようにする。

4.業務マニュアルの概念について説明している箇所は、冗長である。そのため、簡潔にまとめることで、読者が理解しやすくなる。

5.「どんな人でも」という表現は、不適切である。マニュアルを読む人には、ある程度のスキルや知識が必要であるため、誤解を招く恐れがある。代わりに、業務マニュアルが誰にでも理解できるように作られているということを説明するようにする。

6.説明が長すぎるため、読み手の飽きやすさに配慮する必要がある。業務マニュアルの目的について説明する箇所は、簡潔にまとめることで、読み手の関心を維持できるようになる。また、箇条書きなどを活用して、情報の整理を行うことで、読みやすくすることができる。

想像以上にガッツリダメ出しされてますね……
1番の「タイトルがない」(プロンプトに入れ忘れた)はともかくとして、`4,6番の「文章が冗長」については思い当たるふししかないのでぐうの音もでないです。ただし、「観点」として指定した内容がうまくなかったこともあり、マニュルをタスク・フロー・変数の観点で捉えると言った具体的な内容の良し悪しについてはうまくレビューできてないです。この辺りは、他の使い方でも言えることですが、質問の仕方が結果に与える影響がとても大きいですね。

少し変えてみる

「観点」の部分を少し変えてもう一度投げてみます。

プロンプト変更点

観点:
・誤字・脱字はないか
・例えはわかりやすいか
・「業務マニュアル」の捉え方に新規性はあるか

レビュー結果

以下に示す改善点を提供します。

脱字と誤字の修正
例え話の説明を簡潔にし、読者が理解しやすいようにする
業務マニュアルの捉え方に新しい視点を追加する
改善後の文章:

初めに
業務マニュアルを作成したことがありますか?「手順を書くだけでしょう、その程度簡単に作れるよ」と思った方もいるかもしれませんが、本当にわかりやすい業務マニュアルを作るには、いくつかのポイントを抑える必要があります。本記事では、業務で200個以上のマニュアルを作成した筆者が、わかりやすい業務マニュアルの作り方について基本を解説します。

0.業務マニュアルとは
業務マニュアルとは、誰でも同じレベルで業務を行えるようにするための情報をまとめた冊子やスライド、動画などのことです。プログラムと似たようなものと考えることができますが、重要な違いは、どんな人でも同じレベルで業務を行えることを目的としている点です。
……

元の文章

初めに
あなたは業務マニュアルを作ったことがあるでしょうか?
「手順を書くだけでしょう、その程度簡単に作れるよ」と思ったそこのあなた、少しだけ待ってください。それは本当にわかりやすい業務マニュアルと言えるでしょうか?
本記事では「わかりやすい業務マニュアル」の作り方について、業務で200個以上のマニュアルを作成した筆者がおさえるべき基本について解説していきます。

0.業務マニュアルとは
業務マニュアルとは、それを読むことで「誰であっても一定以上のレベルで同じ業務を行えるようにする事」が目的の冊子やスライド、動画といった情報のことです。PC上で実行すると決まった結果が帰ってくるプログラムのようなものと言ってもいいかもしれません。

同じフォーマットで「観点」の部分だけ変えて投げてみた訳ですが、先ほどのレビュー結果とは出力時のフォーマットからして違いますね。
改善点の列挙ではなく、修正された文章がそのまま提示されてます。「観点」として誤字脱字の有無を指定した結果、改善点1〜6の様な回答が難しくこの様な形式に変わった……と言ったところでしょうか。

修正された文章をみてみると先のレビューでも指摘されていた「冗長さ」が改善しているのがわかります。AIが書いたと言わなければ分からないくらいに自然な文章ですね。パッとみた感じでは「脱字と誤字の修正」「例え話の説明を簡潔にし、読者が理解しやすいようにする」の二点が強く働いている様です。

終わりに

軽く試した程度でしたが、レビュワーとしてchatGPTを使うのは指定の仕方でかなり実用的にできるんじゃないでしょうか。
今回は互いの相性や出力時の方向性を意識せずに「観点」を指定しましたが、誤字脱字や表現の誤りを修正すると言った「校正ツール」的に使ったりしてもうまくいきそうです。

内容自体の良し悪しに対して改善点が欲しい場合は、改善の観点だけでなく、改善後の最終的な目標値をより明確に定義してあげる必要がありそうです。
対人でのコミュニケーションでも言えますが、chatGPTへのお願いは最終的にどんなモノを返して欲しいのか?を意識して質問する能力が重要そうです。


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