飛び恥と言う概念が根付く前にそもそも飛べなくなった

私が別のブログで2019年12月に書いた記事を元にしております。

2019年12月17日、日経の朝刊に記載されていた、The Economistの翻訳記事です。これを読んだ時に、時代はここまで来ているのかー、と少しだけ胸がドキドキしましました。

皆さん、飛び恥と言う言葉をご存知ですか?
CO2を大量に排出する飛行機を使うのは恥ずべき行為と批判することらしいです。

以下、長いですが記事一部抜粋します。しつこいですが、2019年12月に記載されたものです。

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今年のクリスマスは、どこの家庭でも「楽しいクリスマス」とはいかないかもしれない。こと気候変動問題となると、ディケンズの「クリスマス・キャロル」の主人公スクルージのように若い世代はけんか腰になって、家族がクリスマスに会うために飛行機に乗った総距離がどれほどで、サンタクロースの贈り物がどれだけの二酸化炭素(CO2)排出を伴ったかと批判する一方、肉をほおばったり薪をくべたりするなど背徳的行為だとなじるだろうからだ。

このようにして楽しいクリスマスを興ざめさせる若者たちは、温暖化ガス排出量が増大するのに伴い、環境を重視しない悪者たちに対抗する手段として、「恥」や「嫌悪」を使うようになった。その標的は両親だけではない。今や全産業が対象だ。
 エネルギー効率の良い鉄道を使わずに、CO2を大量に排出する飛行機を利用するのは恥ずべき行為だとする「飛び恥」運動や、ファストファッションのボイコット、肉を全く口にしない食生活など、一部の若い消費者が大企業と、企業を規制する立場にある政治家に強い影響力を及ぼすようになっている。

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どう思いました?2019年はCO2の排出に伴う嫌悪から、こう言うクリスマスが将来来るかもしれない、と言うお話でした。

これを読んだ時、まだ少し先の話だろうが、興味深いなーって読んでました。

2020年12月、たった一年後。恥と思う心からではなく、コロナと言う未知のウイルスにより、この通りのクリスマスになりました。特に私がいるフランスは正に、正に、この通り。

どこの家庭でも、悩みの多いクリスマスだったはずです。パリ近郊に住む我々世代は、年老いた両親のいる田舎にクリスマス帰省をしてもよいものかどうか、真剣に悩みました。海外に家族がいる場合はCO2云々ではなく、帰省のハードルが高すぎて迷うまでもなく海外渡航は断念しました。

我々は、結局はコロナテストをして帰省しました。TGV使うのは怖いからマイカーの電気自動車で600kmの距離を途中充電しながら、途中泊しながら帰りました。医者である義姉家族はクリスマスには集まらず、義両親と我々3人家族だけの静かなクリスマス。

クリスマス直前までは生活必需品以外のお店は閉店されたまま、物流にも影響が出ていたため、今年はプレゼントの贈り合いはやめようか?と言う決まりを確認する家族もいたようです。

ファストファッションをボイコットする意思は特になくとも、ステイホームが続きそもそもファッションアイテムへの物欲が湧かず、消費欲そのものが減退する。

すでに起こり始めていた未来へのシナリオは、自らの恥と言う概念からではなく、抵抗出来ないウイルスによって前倒しでやってきたのです。

でもね、いいんじゃないですか?恥の概念を持ち、地球汚染にブレーキをかけよ、かけよ、と言う警告が響かなかったから強硬手段が取られた。

コロナも飽きた、自粛に飽きた、一年以上は長すぎる。私もそう思います。早く自由に旅行もしたい。だけど、不思議なんだけど、心の奥の奥で、なんか良かったな、と安心した気持ちもあるのです。ほんのちょっとですけどね。

ポストコロナは、強硬手段ではなく我々の意思で変えていく時代になりますように。



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