桜の花が咲く頃に
桜の花が春の扉を開けました。
南の国の優しい風が桜の木立を通り抜けると、みんな一斉に長い眠りから目覚めます。
可愛い蕾が次々とふくらんで、朝の陽射しの中で優しく笑顔を開きます。
さあさあ、今年も笑顔満開のパーティー会場が出来上がりました。桜祭りが始まりますよ。
みつばちが早速やって来て、美味しい桜の蜜を集めます。みつばちたちは、たくさんの木を回って花粉を運んでくれました。
そおして花が散った後、美味しいサクランボが育ちます。
桜の花が散った後は人間たちに忘れられてしまうけれど、葉っぱが生えたら、毛虫のご飯になったり、桜餅に変身したりしてそれも桜王国みんなの喜びです。
「桜姫様〜、ひめさま〜」遠くで私を呼ぶ声が聞こえてきました。
「は〜い。ここよ〜」ああ、忙しいのでまたね。
あらあら、桜姫さまは大忙しでお隣の木に行ってしまいました。
それでは、桜姫に代わって私、桜の木の精がお話を続けましょう。
桜王国には、花の精、木の精、葉っぱの精がそれぞれの役割を担っています。
一本の木にそれぞれの精霊が宿っていて、季節の変わり目に葉を生やしたり、散らしたり、花を咲かせたり、散らしたりを繰り返しているのです。
それをどうやって決めるかですって?
お日様会議で決めるのですよ。お日様はお空の高い所から見守ってくれていて、私たちに教えてくれるのです。
それぞれの精霊は耳を澄ましてお日様の声を聞くのです。
誰もがみんなそれぞれの役割があって生まれて来るのです。
だからあなたも静かにして耳を澄ましましょう。そうすれば大切な人に何をしてあげたら喜ぶか分かります。
一番喜ぶことは何でしょうか?
それは笑顔です。
笑顔は最高の贈り物です。そして祝福です。
桜の花を見て喜ばない人がいるでしょうか?
笑顔を見て笑顔にならない人がいるでしょうか?
ただそこにいて、笑顔の花を咲かせるだけで心が癒やされるのです。
それだけでいいのです。
いつも笑顔をありがとう
桜の花が咲く頃に生まれた
桜の花のように笑う友よ
生まれてきてくれて
ありがとう
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