初恋の話

私の初恋は櫻井翔である。

2020年をもって活動休止した国民的アイドル嵐。
になる前の彼。
当時はジャニーズJrが全盛期であり、Jrだけがでている番組もたくさんあった。
2個上に姉がおり、その影響もあると思う。(姉はミーハー)
彼が中学生、私は小学1年生であった。

こういう事を人にいうと、
<芸能人じゃん、はいはい。>みたいな空気が流れるが、紛れもなく初恋なのでしょうがない。
周りがクラスにいる足の早いだれそれ君にきゃーきゃー言ってる時、もしくはお目目がちょっとぱっちりした男子にキュンとしている中、私はそれらの話の輪には入れず、
ひたすらジャニーズJrの番組をみてキュンキュンしていたのである。
(ちなみに櫻井翔への初恋は中学1年くらいで終わるがジャニヲタ期は高校生まで続く)

いまでこそ誰もが知る国民的アイドルの彼だが、当時はJrの中でもあまり目立つ存在ではなかった。
いまとは違いチャラチャラしていたし、パーマをかけたりへそピをあけたりと流行りを取り入れてるにも関わらず、パッとはしていなかった。
そこがまたよかった。
私だけが知っている彼の魅力(と何万人もがおもっていただろう)を見つけたわくわく感。

あんなにキラキラしている人が同じ日本に居るのに、なぜみんな足が早いだけで鼻水たらした小僧を好きになるのだろう。と当時は思っていた。
また、クラスに好きな人がいないとこぞって「ほんとは○○くんが好きなんでしょ、隠さないでよ」と言ってきた。
はた迷惑というやつである。
同い年の近場の男子を好きになるのが当たり前だと思われてることに憤りを感じたり、、はしていないけれど、
紛れもなくわたしの好きな人は櫻井翔であり、それ意外ないのである。

一般人を初めて好きになったのは同級生からだいぶ遅れを取った小学四年生のころ。
同じクラスのふみやくん(仮名)。
彼はなんといっても顔面がよかった。
たしか足も早かったし、勉強もそこそこできたと記憶しているがなんせ顔面がよかった。
ジャニーズに入れるぞ、と背中を押してあげたいくらいにはかっこよかったのでとにかく顔が好きだった。
その頃自分の外見がどのレベルかなんて把握してはおらず、お門違いかもしれないが、彼と手を繋いで駄菓子屋にいくことなんかを妄想していたに違いない。

そんな初めて一般人を好きになった私に突然悲劇が襲う。
自分が引っ越すことになったのである。
同じ市内であったが、当時は果てしなく遠くに思え、もう二度と会えないんだなと1丁前に悲しくなったりもした。当時はまだ小学生は携帯を持っておらず、連絡をとる手段もない。
そんな彼に手紙を書いたように記憶はしているが、果たしてどんな内容だったかは残念ながら覚えていない。地味で引っ込み思案だった少女時代なので、多分告白みたいなことはしていないと思う。

そんな彼に再会する機会があった。
成人式である。
同じ市内なので、当然同じ会場。
中学毎に時間が違ったが、彼がいくであろう中学とは同じ時間帯で、わたしの(一般人での)初恋の人はどんな感じになっているのかなと密かにわくわくしていた。
爽やかで、優しくて、笑顔が素敵なふみやくん。

実際にちらっと見ることはできた。
が、なんとも残念なことに彼はギャル男になっていた。
途中経過をみていたら、それでもかっこよく見えたのかもしれない。
けれどわたしの中では<爽やかで、優しくて、笑顔が素敵なふみやくん。>なのである。
どこでどう間違えたらギャル男になるのか分からず、
声をかけずに失礼した。

もともと顔面がタイプだったので、黒くなった肌に抵抗感があったのだろう。
彼とどうこうなることは期待していなかったが、ここでわたしの(一般人での)初恋は密かに終わりを迎えた。

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