タイミングと縁について

タイミングがどうにも合わない相手がいる。
そういう人については縁がないのだと思うことにしている。




私が30歳になる前くらいの話。
そのころは保育の仕事をしながら週末だけバーでバイトをしていた。
その店に終電もなくなりしばらくたった明け方近くにほぼゾンビのような顔をして現れ、白州をロックで飲むのが、かねやん(仮名)だった。
たしか私より一、二個年上のサラリーマンでお堅い仕事らしく終電が終ってから帰るのがざらで、酒をのみ少しでもストレス発散するのが日課らしかった。

高学歴、高年収、高身長と兼ね備えた男性だったが(因みに顔はイケメンでもブサイクでもなく普通。いい意味で普通。)
その類にはあまり興味がない私も彼のことはわりと最初から好感をもっていた。
酔っ払うとGLAYを熱唱したりXのギターソロを真似してみたり、昔のテレビの話やくだらないことの通じる頭の良いヤツだった。

普通にいい友達、と思い楽しく過ごしていたのだが、
成り行きは覚えてないが男女の関係になり、
わりと向こうの方がこっちに気があるんじゃないかと思い始め、ちゃんと付き合おうと試みた折
「いまは誰とも付き合えない」と断られる事態に。
あぁ、いい感じと思っていたのは私だけだったのね、と思いつつも、<いや、勘違いじゃなくわりと私のこと好きそうにしていたやん>と納得はできないながらも、終わりを迎えた短い春(ではないか。実ってないもんな)であった。


そんなことは3日で忘れ、
年下と付き合ってみたり、自分の母親と同世代くらいのおじさんとつきあってみたり、同い年と付き合ってみたりしながら月日は流れ、、

1年ちょっと?たったくらいに
すごーーーく久々にかねやんからLINEがきた。
「ただいま!」と一言。
(いや、どこいっていたねん。とは突っ込まずに)
<おかえり>と一言返した私えらい、天才。

後々聞いたら仕事で海外に行っていたらしく、
私がフラれたあの頃はもう海外行きが決まっていたらしく、
((遠距離になるのも、微妙なお年頃の娘っ子には悪いかな、みたいな感じで))お断りすることにしたらしい。のである。

帰ってきたかねやんはやっぱりアホで好きだし、
しょーもない(と私は結論づけた)男と付き合ってみたりした日々で、やっぱりかねやんみたいな賢いアホがいいなという結論が私の中で出たのだが、
にっちもさっちも明日も明後日も手を出してこない。
飲みに行くが、手は出されない日々が続き
しびれを切らしてこっちから絶縁宣言するものの、不発に終わり(向こうがあまり本気にせず、いつもの馬鹿なやりとりになった)、
たまにLINEしてみたり、向こうからきてみたり、
飲みに行ったり行かなかったりした日々がすぎて、


「ぶっちゃけ私なんでだめだったん?
何がだめだったん?」
と、聞いてみたことがあった。

すると、
貴方彼氏いたし、俺のことはもうなんとも思ってないとおもったから、、ごにょごにょ
みたいなことをほざいていた気がする。





タイミングが合わないというのは、どちらかが合わせようとしてないのである。
縁がないというのはつまりはそういうことの連続だと私は思う。

#男運がない
#いや文才がない

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