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KYO-MEI MOVIE TOURの終わりに寄せて【THE BACK HORN】

「また生きて会おうぜ」
この言葉はTHE BACK HORNのボーカル、山田将司さんがライブの最後に言う言葉だが、この言葉を生で聴ける機会がなくなり、嫌というほどこの約束の重みを実感させられてしまう。

THE BACK HORNは2019年末から苦難の連続が続いた。山田さんの喉の不調に伴うカルペディエムツアーの延期、そして今なお続くコロナにより2021年への再延期。
こんなのってない。と最も辛いのはメンバーであることは分かっていてもファンの1人である私はどこにもぶつけられない燻りを抱えづけた。
山田さんの手術が無事に済み、少しずつラジオなどにも出るようになりファンが安心しつつも疫病の続く現状、2020年はもう彼らに会うことは出来ないかもしれないと諦めていた。

しかしTHE BACK HORNは歩みを止めることは無かった。
本来のライブの日程に併せて3ヶ月にわたる過去のライブ映像13本の配信。

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これまでの歴代のMusic Videoの無料公開。


観たことあるライブ映像も観たことのないライブ映像も、観る機会のあまり多くないMVもこれまでのTHE BACK HORNとの繋がっていた時間を紐解いていくようでありがたくてしょうがない。
ライブ映像もMVも年代が遡って行くのでどんどん若返っていき、狂気と熱さをごった煮にしてライブにぶつかっていくメンバーの姿は、酷暑の中でも生きるエネルギーとなった。

ギター菅波栄純さんはこれまで以上に活発にSNSを使っている。この前のアウト&デラックスはめちゃくちゃ笑った。

そして山田さん復帰後の配信シングル「瑠璃色のキャンバス」の発表。

突然のファンへ送られた『リスナーの心に寄り添えるような曲を作りたい』という思いで作られた新曲。この楽曲はMOVIE TOURの終焉後MVの1番が流れるため、エンディングテーマのようにもなっていたがあながち的外れでもないだろう。「魂重ね合わせよう僕らの場所で」という歌詞が強く強く響く。私がめちゃくちゃ好きな彼らの曲に「孤独を繋いで」という曲があるが、まさに、である。THE BACK HORNが、孤独なファン達がライブ映像を通して、Music videoを通して、どこかで繋がっているような気がした。いや、気がしたではない。あの時間の中確かに繋がっていた。

8月の緩~い雰囲気の中行われたオンラインでの銀河遊牧会とKYO-MEI MOVIE TOUR SPECIALとしてスタジオでのオンラインライブ配信。

そして先日行われた9/6のライブハウスでのオンラインライブ配信。

オンラインでありながらまったく容赦ない、濃厚なセットリスト。3曲目の『シンフォニア』の「帰る場所はここにあるから」という歌詞を「帰る場所はライブハウスにあるから」と変えて歌う彼ら自身、最もライブハウスでのライブを切望していたはずだし、私たちファンもライブハウスで歌を鳴らす彼らの姿を切望していた。
ライブ中!?となった出来事があった。『ジョーカー』の披露中、山田さんがステージから飛び降りたのだ。
その前のめりな姿勢に驚きながらなんだか笑ってしまうような、安心したような、色んな気持ちが去来して胸が熱くなった。

ラストスパート、『戦う君よ』で画面へマイクを向ける山田さんに胸を熱くさせながらきっとみんな歌っていたはずだ

さあ走り抜けようこの歌を胸に抱きしめ、今

アンコールの『無限の荒野』、20年幾度も披露してきたこれまでと変わらずに、私たちに向けられたマイクへ菅波さんと、「否、まだだここじゃ死ねない!!!!」と叫んだ

THE BACK HORNはここに帰って来た。とたしかに感じさせるライブだった。3ヶ月にわたるMOVIE TOURを経て、いつかまた彼らとここに帰りたいと、THE BACK HORNと交わした、9月6日の約束。また生きて会いましょう。


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