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三船栞子について思っていること

書く予定はなかった。本当なら「果林先輩…好きや……」というような記事を書いているはずだったし、途中まで下書きに残っている。
しかし、その前に書かなければならないと思い立った。三船栞子について、思っていることを全て。
これは「栞子ちゃんイイヨネ……」という記事でもないし、「栞子……認められねえ。」というお気持ち表明でもない。今の自分が彼女について思っていることを全てここに吐き出しておかないといけない気がした。まだ2nd live、彼女の初舞台まで時間はある。今のうちしか書けないことがあるはずだ。

8月3日に虹ヶ咲の10人目のスクールアイドルとして三船栞子の加入が正式に発表された。7月末の17章解放、栞子を入れたTOKIMEKI Runners特別verからそう間が空かずの発表だった。

あなたちゃんの発表も大いに揺れたが"アニメでのあなた"に限定したこと、アニメの情報が何もない中、概ね肯定的に受け入れられていたこと、何よりあまりにも唐突であったことを差し引くと、それ以上にTLが揺れたように感じた。肯定する意見。否定的な意見。色んな意見が渦巻いた。
私はどう思ったかといえば、実は栞子が躍っているスクショをストーリーを読み終える前に観てしまったというのもあったが、肯定、否定のどちらでもなかった。驚くほどすんなり「そうか……」という気持になってしまった。むしろ2カ月に及ぶあなたちゃんの留学が衝撃的だった。
あまりにもあっさりしすぎて自分でもびっくりしていたのは覚えている。(もしかして自分は虹ヶ咲にそこまで思い入れがないのか……?)と逆に考え込んでしまうほどには。

栞子は今でも否定と肯定の渦中にいる。持ち上げられ過ぎだ、なあなあでメンバーは加入したのに彼女の加入には何章も使っている。そのくせ他の同好会のメンバーの半分以上は1章につき1,2言喋るだけのキャラになっているなど散々なことを言われていた。(それ自体は「まぁそうだね……」と思う。)
スクスタのリリースが遅れたのが原因だとも
2年前から加入が決まっていたという生放送での話も
ならば割を喰っていたむしろ被害者じゃないかという意見も
いや、加入がそんなに前に分かっていたならシナリオなんとかならんかったんか?
それはそれとして「決意の光」はいいよね……。
八重歯……。
生徒会長ならお前もポンコツになる定めを背負うんだぞ。
などなど。

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ネットの意見はこれ以上重ねてももはや結論がつかないのでここまでとする。私の話をする。

私と栞子との対話

私自身が栞子のことどう思ってんの?という話だが、当初、いや未だに私は栞子自体はあまり好きでは無い。まだこれまでのメインストーリーで積み重ねられた嫌な印象、嫌悪感を拭い切れていないからだ。だが、虹ヶ咲が10人になったこと自体に対するワクワクはとてつもなく大きいものがあった。
虹ヶ咲はソロでの活動がメインということをずっと強調してはいるが9人で現実でのライブ等に参加する以上9人グループであるという印象はぬぐえない。そして、途中でメンバーが正式に加入するという事態はこれまでのラブライブには前例が無い。

μ'sはこの9人でこそ、と活動に区切りをつけた。
Aqoursは6人になっても続けていくことを劇場版でも描かれ、キャストは9人で活動を続けている。
前2作品では決して出来なかった現在進行形で動くコンテンツの正式なメンバーの加入
しかもその追加された人物はスクールアイドルを意味のない、無駄だと否定してきた人物だ。そんな人物が歩夢、あなたをはじめとしてスクールアイドルに触れ感化され、自分の意思で「スクールアイドルをやりたい」という。
1人の人間のスクールアイドルをやりたいんだという意思を誰が否定出来るのだろう。

「いいんじゃないですか?ソロ中心の虹ヶ咲にしか出来ない試みで。」

などと最初は思っていた。
いたのだが、『決意の光』のMVを見ていくうちに、最初こそ物珍しさが勝っていたが、その物珍しさも落ち着くとなんというか、本来ならブチ上がれるはずの和ロックなのに、拳を突き上げきれないなんとも言えない気持ちになってしまう。その原因は結局自分が栞子を好きになっていないからに他ならないのでは?という結論に至った。
10人目が加わることには肯定的になれる。でも栞子が好きになれない……。
ラブライブシリーズ、程度の差はあれ、どのキャラクターもみんな好きというのは大前提だ。しかしはじめて好きでもないキャラが存在している……。

栞子が好きになれないのなら、私はこれからの虹ヶ咲を心から肯定できないのではないか?

せめて虹ヶ咲に加わらずに1人でやれよ……。というどうしようもない負のスパイラルの中で私と栞子の侃侃諤諤の対話は続いた。


そもそも私は栞子の何が気に入らないのだろうか?

この問いに立ち返った時、メインストーリーの大半が栞子のものになっていたことだけではないのか?と気づきを得た。27人と私が絡むオールスターのメインストーリーを期待していたはずなのに、どこの誰とも知らぬ人間が大半のメインを貼る展開が気に入るはずなどない。だが、思い返してみればそのストーリー自体は納得のいくものではあったという結論になった。むしろドラマティックであったとすら思える。
栞子を好きではないと上で書いたが、メインストーリーのことを、敢えて悪い言い方をするが毒にも薬にもならないスクフェスのストーリーに比べれば読み物として面白いと思っていた。栞子を「無理だわ……」と読み手に思わせるのもキャラ自身がキャラ立ちしているが故、つまりヒールとしての魅力ではないか?と思うことで納得させていた。

栞子が好きになれないとしても栞子がスクールアイドルになるということ自体は納得がいく。では彼女が虹ヶ咲に加わることが許容できないのか?これはもはや私個人が折り合いをつけることでしか解決しないのではないのか?

Welcome 栞子?

栞子に対する気持ちの整理がつききれぬまま17章解放から怒涛の勢いで栞子周りの展開が動いていく。小泉萌香さんを加えた生放送。ニジガクフェスの開催、栞子のSR決意の光衣装の追加。いや問題はそこではない。
栞子のSRを手に入れんとガチャを回す人を数多く見かけるなか、このような裏技的な手法が流れてきた。「スクスタはゲームを最初からスタートにするとチュートリアルで好きなキャラクターのSRを選ぶ事が出来るのだが、その中に三船栞子も追加されている」

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このことを知った時、ずっと追い続けているが故に気づかなかった、気づき得なかったことに気付いた。
それはこれから新規でスクスタを始める人、虹ヶ咲に触れる人は栞子はもう虹ヶ咲のメンバーになると分かった上でプレイし、ストーリーに、栞子に触れていくことになるということだ。
つまり黒澤ダイヤ、絢瀬絵里のように「こんな当たりの強いこと言ってるけど結局君もスクールアイドルになるんじゃないか。」と思いながらプレイするということになる。
ラブライブ!シリーズも相当巨大なコンテンツだが、すでに5年活動しているAqoursだって2019年秋のバンナムフェスでのGuilty Kissのパフォーマンスを通してはじめて出会い、興味持ちました。という人がいるくらいだ。
今が旬の虹ヶ咲、しかも栞子の声優、小泉萌香さんは大手事務所アミューズの筆頭若手の一人だ。他のコンテンツで彼女を知っていた人をはじめ、これから虹ヶ咲に触れる、そのとっかかりとしてスクスタをプレイする可能性は大いにあるはずだ。

新規にファンが増えることは喜ばしい。しかし彼女の登場から半年以上、私が振り回されてきたこの負の感情をこれからのプレイヤーは体験することがない……?

ファンになった時期によってキャラへの見え方がここまで変わる、ラブライブ!シリーズにとってこれはあまり例のないことではないか?
絵里やダイヤはアニメでスクールアイドルに否定的だったが、シリーズスタート時点でメンバーとして存在していた。つまりどんなに否定的なことをアニメで言おうと加入は最初から決まりきっていたことだった。
だが栞子はそうではない。我々だって最初から知っていたらこうまで拗れたりはしなかっただろう。城之内死す!だとか、宝生永夢ゥ!のテンプレのようにオチを知っているのとは話が違うのだ。

ラブライブ!は媒体でキャラ付けが異なり、ファンによっても推しのこの描き方は好きだけどこっちの描き方は好きじゃないという意見はある。アニメPV、G'sマガジン、アニメ、ドラマCD、コミック、スクフェス 、スクスタetc……。様々な媒体において活動しているラブライブの特徴みたいなものだがキャラクターのその骨格自体は大きく動いたりはしないしどのタイミングで触れてもそう大きく見方が変わったりはしない。例えばダイヤはアニメでスクールアイドルオタクになってファンを困惑させたりしたがまあキャラ付けの範囲で収まるとは思う。(だからこそちょぼちょぼらうにょぽみ氏の4コマは波紋を呼んだのだと思うのだが……)

しかし、三船栞子は現状スクスタのみの登場キャラでありながら2020年8月3日以前から虹ヶ咲に触れていた人とそれ以降に虹ヶ咲に触れはじめた人とで決定的に見方が変わる人物となっている。
8月のある日、Twitterで「栞子ちゃん気になるからスクスタ始めました」という旨のツイートを見かけたことがあったが、その人がこれから見る虹ヶ咲の景色は私が見ている虹ヶ咲の景色とはおそらく違うだろうということを感じてしまった。だがそのようなファンこそ10人となったこれからの虹ヶ咲にとって必要な人なのかもしれない。

しかし!!!!!!!ラブライブ!は私のことを待ってくれなどしない!!!!!!!!

私が栞子が好きになれてないことは事実として残り続けている。ゆくゆくはそんなこともあったねと時間が解決してくれるのかもしれない。だがラブライブ!はお構いなしだ。時間がない。2nd liveのキービジュアルを見る度に、3rd アルバムのジャケットを見る度に、虹ヶ咲のメンバーとして三船栞子の名前が見える度に私は耳が赤くなるような錯覚に陥る。違和感が未だに拭い去れない……。
しかし、幾度となくその壁にぶち当たるうちに、この違和感を不快と感じているわけではない。ということに気付いた。何故だろう。好きな9人と、1人好きでもないキャラが存在しているということになることになるのに。
『どのキャラクターもみんな好きというのは大前提だ。しかしはじめて好きでもないキャラが存在している……。』と上で書いた……。


もしかして、私は"ラブライブ!のキャラクターをはじめて明確に好きではないと感じている。"ということにワクワクしているのではないか……?そして私は彼女を好きになってしまうかもしれない2nd liveをめちゃくちゃ切望しているのではないか……?
好きではないと感じているがゆえに、それをひっくり返してくれるかもしれないという期待を2nd liveに寄せているのでないのか……?

なんだこれ、不器用か?

しかし、そのことにまで思い至ったとき、私の中でストンと腑に落ちるものがあった。
私の幼馴染たち9人、いや10人が、私の気持ちすらぶっ壊してくれることを期待している。そう思っているし、そう信じている。


栞子へのぐちゃぐちゃとした感情を分解し、どうにか文章としてまとめあげた。ようやく心にしこりなく2nd liveへ向かうことができる。

思えば2nd live、初のユニット曲や、無敵級ビリーバーの披露。10人でTOKIMEKI RunnersをやるならLove U my friendsもそうなるかもしれない。そもそも1日目と2日目で公演名を分けた理由とは?もしかしたらアニメについての新発表もあるかもしれない。様々な予感を今回のライブから感じるが10人での新曲『Just Believe!!!』のイントロを聞いてると無性にワクワクしないだろうか?ライブの1発目に持ってきてもラストに持ってきても似合う様々な予感を感じさせる1曲だ。
明快な視界の中で私は何を思うのだろうか?
ライブまでもう48時間を切っている。


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