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活動記録【2023年】いつか馬と暮らす宿へ

馬と暮らし、宿を開きたい…。
そんな夢への小さな小さな一歩の記録、2023年版です。

今年はついに、ついに…!
夫が獣医学部生となりました!

金銭面や時間面からすると、『馬のいる宿』の実現にはますます遠ざかったような状況にも思われますが、一方で私の気持ちは、ぐ〜と夢へ近づいたような感じがしています。


2023年馬関係の出来事

6月 馬を飼っている方とたまたま知り合う

夫が学生になり息子を保育園に預けられるようになったので、本腰を入れてアルバイトの日々を過ごしていたある日のこと、私は激しい腹痛に見舞われました。そして手術のために入院。これが厄年か(32歳本厄)…という感じですが、しかしなんと!病院でびっくりな出来事が。

順番待ちをしていると後ろから聞こえてきたのが、「こんなところになんかいられないのよ〜馬の世話があるから」という話し声。
馬を飼っている人だ…!
こんな運が良いことあるなんて本当に厄年か?なんて2つの意味でドキドキしながら、勇気を出して話しかけてみました。
そしてニコニコ笑顔のその方は馬の話をたくさん聞かせてくださりました。馬を飼い始めたきっかけから近況に至るまでのお話に加えて、なんと「今度うちに遊びにおいで」というお言葉まで!

9月 十勝軽種馬農業協働組合を訪問

いつかまたあの方にお会いしたいという気持ちを温めたまま3ヶ月経ち、術後の痛みも暑さも落ち着いた頃、会いに行こう、という気持ちが自然と起こってきました。
しかし、連絡先を聞いていない。そこでお話する中で関係が深いと伺った、幕別の『競走馬のふるさと』を訪問してみました(事前に電話で予約の上)。そこは引退馬がのんびりと過ごしている静かな場所で、訪問した日にはソニックという馬が穏やかに草を食んでいました。

ソニックは子供が好きなんだそうです。

子供連れにもかかわらず、いろいろお話を聞かせてくださり、そして「うちに来るかい?」とお声まで。
ぜひ!いつかお願いします…と思っていたら、「ついておいで」。…え、今から!?
一瞬ためらったけれど、訪れたご縁は大切にしたい!と思い、お願いしました。

こういう、小さな一歩が、私は今までどれだけできなかったか。
車の中で息子と上の空で会話しながら、胸の熱さをじんわり感じていました。

小さい頃ままごとでお赤飯に使った「赤い実がなる草」は、馬は食べないと知る。

御宅では、飼っていらっしゃる白い馬を見せてもらい、加えてお家にも上がらせていただいて、なんと昼ごはんまでご馳走に。
ツナのカレー美味しかった…!その上、秋味🐟やお菓子やお庭の栗、お土産の野菜etc…いただきっぱなしでした。本当にありがとうございました。


今は何も持っていないけれど、いつか私も、誰かに何かを与えられる人になりたい。そう強く思った日となりました。




10月 畜大馬フォーラム

このイベントを見に行くのは去年に引き続き2回目。何か将来のヒントが得られないかなぁと、迷わずGO。
まず『馬による草刈り実演』を見に行ってみました。馬搬振興会理事の岩間さん、憧れの存在ノースポールステイブルの蛭川さんがいるではないですか!

ガソリンや電気の要らない芝刈り。公園管理にも。在来馬の生きる場所を広げる可能性を持つ。

実演後、草刈機を曳いていた木曽馬のたつきちゃんは『地球に結んでおいたから大丈夫』と、誰も引き綱を持っていない状態(自由)にされていました。本当に地球に手綱が結んであるようなくらい、どこにも行かないたつきちゃん。どうやってこうなるんだろう???すごい。
たつきちゃんはふわふわの体をたくさん触らせてくれました。

たつきちゃんと、心臓の音を聞きたがる息子

ノースポールステイブルさんを訪問してみたい。そんな気持ち(野望?)が大きくなっていた私に最高のタイミングが舞い降りました。
草刈り実演が終わり、和やかに歩いている蛭川さんご家族。このチャンスはまたとないかも、と自分に「すすめ」のムチを入れました。
そしてなんと、訪問させて頂けることに…!

馬フォーラムではその後、ホースセラピーなども行われている『うまぶ』さんのコーナーへ。売り上げは全部馬のために使われるそう。応援できる、それも喜びですね。
うまぶさんは障害者乗馬以外にも、剣山のどさんこ牧での流鏑馬や調教、馴致なども活動しているそうです。(畜大、いいなぁ…!ここで学生時代を送ってみたかった)

最後の一つを購入。馬の尻尾の毛ストラップには四葉&馬蹄モチーフの飾りが。幸運をたくさん届けてくれそう。キャットという名前の、20歳くらいの長生きのお馬さんの毛。

馬の講演会も見たかったのですが、昨年を思い返すと公演会場はとても静か。今年は3才の子供が一緒だから入場は難しいかな…でも……。迷惑を承知で、入り口から覗かせていただきました。
講演会の中で印象に残ったのは、岩間さんの「馬力発電」の話の中で『馬・牛は安全保障になる(ただし、扱う技術がセットにあれば)』『馬で耕すように、人の心も耕して動かしてゆけたら』…という言葉です。

なんとか1つ公演を聴くことができました。スタッフさん親切にありがとうございました。

息子と一緒だと行けない場所もあるし、思うように行動できないこともありますが、一方で、子供がいるから行ける場所や、おもしろい発見や不思議なチャンス、出会いなどなど、思いがけないものが訪れるなあと思います。息子がいると私も自然とリラックスして楽しめているからというのもありそうですね。世界を広げてくれる我が子に感謝です。

帰り際、息子に楽しかった?と訊いてみたところ、「楽しくなかった」とのこと🤣それでもずっと付き合ってくれてありがとうね。



10月 ノースポールステイブルさんを訪問

ついに、念願の、憧れの、ノースポールステイブルさんを訪問する日がきました。お天気は最高。
知人にお勧めされてから訪問が実現する日まで(=私の心の準備とかタイミングが揃うまで)1年以上かかっていました。

手前が女優のモモ姫、左奥が17頭目のオーラ。

場内を見学、森のおさんポニー、野菜収穫、サイロ見学などをさせていただきながら、本当にいろいろ、遍歴や馬のこと森のこと将来のこと…などなど、お話を聞かせてくださりました。

想像以上に“自然体“な世界。車から降りたときはあんなに緊張していた私なのに、帰るときにはいつの間にか“自分がいる”感じがしました。

こんな世界を私も創りたい、という気持ちがムクムク。真似したいアイディアがたくさんで終始ワクワク。目に飛び込む素敵ないろいろを目に焼き付けたくて必死になってしまいがちな私でしたが、そんな自分でもいいやと思えたのはきっとあの空間とお人柄の力なのでしょうね。

『ただ馬がいる』場所を創って、誰かに肌で感じてもらえたら。
「きっと予約いっぱい来ますよ」という言葉がこれからも強く私の背中を押し続けるであろうこと、加えて「病んでる人いっぱいいますから笑」という一言で私の企てが見抜かれてしまったウフフな感じ。いつか宿を実現して、ささやかでも恩返しができたらいいなと思います。

https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=pfbid02MnbFCPh9Pjot77nccsTovup2txTv77xzUMsZNg8WWQh5F88qKZTZrTAoBEY92aTLl&id=100085228556206&eav=Afb4KGL_fpTywrzqy-dpOof73AW_aHae5LMWK4uz0a1iCQs4-sa1SKcSuzmGFMk4kkE&m_entstream_source=timeline&paipv=0


秋が終わると一緒に、収穫シーズンも終わり。
私の農業バイトの日々も、終わり。
さて、どうしよう。


冬の訪れと共に、私の生活は予想もできなかった方向へ…。




読んだ本

◼️ホース・スピーク これからの人と馬との対話ガイド

「人に従わせる」のではなく、馬との対話を楽しむ。そんな視点のこの本は、馬の触り方どころか視線をどう向けたらいいかすら全然分からない、という人(私も!)にも分かるくらい、やさしく書かれています。
印象に残ったことをいくつか挙げると、一つ目は「観察」するのを良しとしていること。私は馬をずっと見つめるのは良くない(草食動物の馬は不快なのでは)と思っていたので、早速ホッとしました。
また、この本を読んだ頃、私が馬に接すると足を踏み鳴らされてしまいがちなことが気になっていました。それが何故なのだろう、私はどうしたらいいんだろう…ということに答えをくれました。
そして、「馬に避けられる」ことが必ずしもネガティブな意味ではないことは、とても驚きでした。引用すると、

例えば、あなたにスペースを与え、注意を払うことが馬の愛情表現なのです。

ホース・スピーク これからの人と馬との対話ガイドP.14

避けられるのが、むしろ愛情表現のことがあるなんて。「自分はどれほど馬を誤解していたんだろう」、と気付かされる言葉がたくさんでした。「馬の言葉が理解できないんじゃないか」。そんなジメジメした気持ちが土台になってしまっていた私の、根本を支えてくれるような存在になりました。
うまやの宿のコンセプトとして最近、乗るコミュニケーションよりもむしろ「乗らないときのコミュニケーション」の方が合っているのではないかと思うようになってきました。そのとき、ホース・スピークの考え方はとても参考になりそうです。この本と出会えてよかったです。


◾️馬のきもち HOW TO THINK LIKE A HORSE

本は厚みがあって内容も重いのかと思いきや、すっきりとしていて、馬と関わる際に知っておきたい全般的なこと、馬の理解の仕方を著者の実体験や感覚をベースに丁寧な言葉で書かれていました。
馬の撫で方から悪癖の治し方まで、この本を読むと馬を飼うことや調教することに対して謙虚な気持ちになれます。
著者の女性、チェリー・ヒルさんの魅力も滲み出ていて、早速憧れの人になりました(あんな女性になりたいなぁ)。挿絵も美しかったです。
馬は、犬か猫で言うとどちらかというと猫側なのだそうですよ。

◼️ピンチさんのハッピーホースマンシップ 馬と仲良くなれる本

『夢に見るほどに恋焦がれる…』という出だしから私のハートは掴まれてしまいました。馬がどう考えているのか、どう接するのが良いのか、乗馬するときのポイント等を、気さくなイラストをどんどん使って描いてあります。ボリュームが少なめなので手に取りやすいのも◎。読んだあとHappyな後味が心地いい本でした。


◾️乗馬の楽しみとホースセラピー

論文が多数集められたような冊子で、2011年の本。当時のホースセラピーの日本で広がってゆく勢いを知り、それから現在どうなっているか知りたくなりました。
掲載されていた『乗馬運動が人体に及ぼす影響 松浦晶央』によると、30分間の常歩・曳き馬トレッキングで、副交感神経活動は2時間後に2倍に増大したそうです。馬から降りた後にもリラックス効果が続くことにびっくり。

“こうした患者(※精神疾患患者)だけでなく、スピード・効率重視の現在の世の中で日常的にストレスにさらされているわれわれの自律神経系のバランスは、一般に交感神経系にシフトしている。ホーストレッキング運動によって自律神経系のバランスを少しずつでも副交感神経側に戻すことができるならば、重大な疾病の予防・緩和にもつながる可能性がある。”

乗馬の楽しみとホースセラピーP.29、30


帯広市図書館、畜大の図書館にはお世話になり御礼申し上げます。



その他の出来事

・馬を飼うなら筋力体力が必要だ…それも動機になり続けた農業バイト。想像以上に心身ハードでしたが、筋肉がつくと自信が湧いてくるのが不思議。筋肉は素晴らしい。今年の大きな学び。

畑から、二重の虹!

・馬のイラストを少しずつ描きました。目標は、宿に飾る絵を描けるようになること。将来、宿の作業の合間や、お客さんを待っている時間などに絵を描けたら素敵だなと思っています。




最後に

やっぱり身に沁みた、健康第一。
来年も怪我なく前向きに、日常を送れること・夢を持っていられることに感謝しながら、進んでゆけたらいいなと思います。

お読みくださりありがとうございました!


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