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ジョッキー45º情報刊(35号)

皆さん、競馬ライフの方はいかがでしょうか?
先週の桜花賞では、またしても波乱となり
制したのは2歳優秀牝馬サークルオブライフでも無く、ナミュールやウォーターナビレラなどの後塵を拝していた

スターズオンアース/川田将雅騎手

が見事に返り咲いての桜花賞を制覇。
川田将雅騎手にとっても名牝ハープスター以来の桜花賞制覇となりました。

この結果で個人的に気になるのは、今回も1番人気ながら着外に敗れてしまった横山武史騎手の「メンタル状態」
昨年は若手の新星として大活躍だった一方で、今年は既に大きな「期待」を背負ってからのスタート。

仕上がり不足・アクシデントなどあったものの、結果としては人気に応えられていない現象。苦しいと思いますが、乗り越えて欲しいと思います。

さて、今週のラインナップはこちら。

●王者か。新星か。中山グランドJ

●最も「速い」馬が勝つ 3冠初戦の皐月賞

●スポットライト・ジョッキー特別編
(矢野貴之騎手)

今週は土曜日と日曜日にG1があります!
土曜日は障害レースで上半期の大一番
【JG1 中山グランドジャンプ】
日曜日には、牡馬クラシック3冠の初戦で
最も速い馬が勝つ【皐月賞】

この2つのG1レース、たっぷりと展望していきます!!

●障害のG1 中山グランドジャンプ

今年のG1レースの4戦目で、上半期唯一の障害レースでのG1レース。
このレースと年末に行われる【中山大障害】が障害レースとしての目標となり
障害ジョッキーとしては、平地のG1と同じだが狭き門にしのぎを削る戦いが待つ。

そんな、土曜日に行われる障害レースの大一番、【中山グランドジャンプ】について取り上げます。

●普段と何が違う??

まずは基本的な話からですが、JG1のレースは普通の障害レースと何が違うのか?という話からです。

JG1でもある、中山グランドジャンプと中山大障害と他の障害レースとの大きな違いとするならば【距離とコース】が違うという事。

こちらは、JRAが公開している中山グランドジャンプのコースルートですが
1番の特徴にして最難関なのは真ん中にあるJG1限定の【襷コース】

1度目は左から右に進路を向けて、大竹柵(1.6m×2.05m)の障害を飛越して、逆回りでスタート地点を目指し
その後、再び真ん中のコースへ。
2度目は大いけ垣(1.6m×2.4m)を飛越して芝の外回りコースを目指していきます。

またコースもさることながら、それに合わせて距離も延長されていて、中山オープンクラスの障害レース3350mに対して、
同じ中山の中山グランドジャンプの距離は圧巻の4250m。
しかも斤量が、他の障害レースでは60kgなのだが、JG1は定量が63kgなので
障害レースを走り切るには馬の根性とスタミナが1番重要となってくる。

🐴グランドジャンプの傾向🐴

そんな障害レースの大一番。
中山グランドジャンプの傾向をいくつかピックアップしました。

●実績通りの本命有利??

中山グランドジャンプの傾向として1番肝となるのが、【昨年のJG1の戦績】

昨年のJG1レースで4着以内に入っていると
翌年の中山グランドジャンプでの勝率はおよそ20%と高確率で
馬券内ならば50%と約半分は馬券に。

軸を選ぶという面では、前走のレースにも注目したく
前走がJG1の中山大障害か、JG2レースを使った場合は、馬券率38.3%に対して
他の障害レースなどから来た馬の馬券率は16.7%

更に、他の障害レースから来た組で
前走1着か、負けても着差が0.2秒以内で無いと馬券内には絡みずらい傾向にあり
近5年では、2着以下で着差0.3秒以上ついて
中山グランドジャンプに出走した馬の成績は
【0-0-0-20】なので、力関係は重要視したい

●障害は熟練されて花開く??

中山グランドジャンプの偏ったデータとしてあるのが「馬齢」

4歳以上でオープンクラスになると出走出来るのだが、
今回の中山グランドジャンプは
5歳馬サトノパシュート・ビレッジイーグルから、11歳馬のオジュウチョウサンまでと幅広いのだが、馬齢に絡んだことがあるのは
【6歳馬から9歳馬まで】という事。

5歳馬以下はこれまで9頭出走した事があったが、いずれも馬券外。
10歳馬も昨年、オジュウチョウサンが出走するも馬券外となっている。
この傾向を使うと驚きなのが今回の中山グランドジャンプで【6歳馬から9歳馬】に絞ると該当するのがわずか4頭のみ。
しかしながら、オジュウチョウサンの11歳馬というデータは未知の領域な為にどのような結果となるかは分からない。

●中山グランドジャンプは本命派に軍配

以前、障害レースこそ「調教」と言って波乱を見抜けるような話があったのだが、
この中山グランドジャンプは残念ながら
そこまでの波乱は起きず、むしろ【順当】に決まりやすいレースとなっていて
近5年は三連単でも万馬券の出現が無い。

昨年、オジュウチョウサンが負けた中山グランドジャンプの三連単も4800円と
絶対王者敗北でも、力関係のせいなのか
とにかく堅めで決着してしまう。

なので、穴党派からすると買い目を広げた所でトリガミなどに落ち着いてしまうので
穴党派にはオススメしにくく、むしろ
本命派の堅く攻める方にはうってつけのレースとなっている。

🌸注目ジョッキー🌸

今回の中山グランドジャンプで注目したい騎手を取り上げてみました!

未知の領域へ。絶対王者の復権を誓う

石神深一騎手

障害レースの絶対王者にして最高齢馬
オジュウチョウサンの主戦騎手にして、秘めた想いは強い石神深一騎手。

昨年の中山グランドジャンプはオジュウチョウサンと挑み、5着と敗北したものの
暮れの中山大障害では復活の優勝を飾った。
ここ数年、障害レースで活躍した相棒と共に昨年の忘れ物を取り返す。

トップジョッキーとして目指すは連覇

森一馬騎手

昨年の中山グランドジャンプでオジュウチョウサンの6連覇を止め、メイショウダッサイで制したのが森一馬騎手。

昨年の勝利ジョッキーとして、リーディングジョッキーとして新時代を告げる
王者として、再びその座を今度は昨年の2着馬
ケンホファヴァルトで挑む。

「善戦コンビ」とは言わせない。

大江原圭騎手

個人的にも注目したいのが、ビレッジイーグルとコンビを組んでいる大江原圭騎手。

ビレッジイーグルとは昨年の中山大障害でも好走するなど、人気以上のチカラを示しているものの、あと1歩足りない善戦止まり。

今回、5歳馬という事で制覇したなら
オジュウチョウサンに変わる新たなヒーローとなれる予感。
善戦しているという事は実力がある証拠。
ここで実力の花も満開にしたいところ。

まずは障害レースで全馬無事に走り切る事を願うと共に、騎手としての駆け引きが激しい中山グランドジャンプ。

土曜日のメインレースJG1
是非、楽しく応援してあげてください🙇

●最も「速い」馬 皐月賞

先週は3歳牝馬限定のクラシック「桜花賞」が終わり、今週末に控えるのは
3歳牡馬が主役となるクラシック「皐月賞」

クラシックレースの3冠にはそれぞれ「ことわざ」のようなモノがあり、

【皐月賞】は最も「速い」馬が勝ち、
【日本ダービー】は最も「運」の強い馬が勝ち
【菊花賞】は最も「強い」馬が勝利する。

そんな皐月賞の展望をじっくりと考えてみたいと思います!

🐎傾向🐎

●人気と穴馬の二極化

この【皐月賞】は今年1年のクラシックレースを占い、その結果によっては勢力図が大きく変わる1大レース
そして、このレースは勝ち馬を観ても
非常に難しいレースとも言える。

まず、理由として挙げられるのが
【伏兵も活躍・下剋上】があるレースという事。

昨年のエフフォーリアは2番人気、2020年の覇者コントレイル・2019年のサートゥルナーリアは1番人気での決着となっているが
2016年から2018年の間の皐月賞では
7番人気以下の馬が勝利している。
比率としては

1番人気~4番人気 ➡ 70%
7番人気~9番人気 ➡ 30%

となっていて、基本的には人気通りで優勝しそうだが、伏兵で気を付けるならば
ノーマークになりそうな7番人気から9番人気の馬となりそう。

ただ、気を付けたい人気もあり
それが「5番人気」と「6番人気」

この二つからは近10年で勝利馬は無しで
5番人気に至っては、勝利馬どころか馬券に絡んだのが無く、成績が【0-0-0-10】と見事な0%なので気を付けておきたい。

●トライアルレースと直行組

皐月賞でも、他のG1レースでも
そのレースの前哨戦で、上位馬には優先出走権が与えられる「トライアルレース」

皐月賞のトライアルレースは
・スプリングステークス
・弥生賞
・若葉ステークス
の3レースが軸となっているが、特に気にしたいのが【弥生賞組】
ここ10年で弥生賞を使って出走したのは全部で39頭だが、その成績が
「0-5-2-32」とここ10年で2着は5回あるものの未勝利という傾向にある。

逆に1番勝利馬を排出しているのが
G3「共同通信杯」組で、昨年のエフフォーリアもそうだったのだが
ここを使ってからの皐月賞は、調整期間もあるためか成績は【5-0-2-8】とアタマとするならば非常に優秀。
また、もう一つ気になるのが皐月賞が今年の初戦となる「直行組」

基本的には昨年の2歳G1の「朝日杯FS」「ホープフルS」で善戦し、直行組となるのだが
ここではホープフルSで結果を出したコントレイルとサートゥルナーリアが優勝を果たしているので、今年もその流れで来れる可能性もある。

●戦歴の少なさは能力の証?

皐月賞の勝利馬を探す上で重要となりそうなのが戦歴。

2015年のドゥラメンテ以降、皐月賞を制覇した馬の共通点としては【キャリア4戦以下】という事と、【連勝】した事。

まずは、【連勝】では新馬戦でも未勝利でも構わず勝利した次走で、オープンクラスや重賞を勝利している事で実力もさることながら、ローテーションに賞金的な余裕から調整もしやすくなっている。

それが、戦歴の【キャリア4戦以下】にも繋がっていて、調整も万全になるのが要因とされています。

🔍注目ジョッキー🔍

そんな波乱も見据えた皐月賞での注目騎手を取り上げます。

1番人気の3連敗から逆襲の狼煙を上げる

横山武史騎手

ここまでの春のG1で波乱を呼び起こした原因となっている原因となっているのが
横山武史騎手の不調でもあるが、ある意味
昨年とは違うプレッシャーからも原因かもしれない。
今回の皐月賞は、昨年に初G1制覇したレースでもあり、今回の騎乗馬は近年の傾向的にもハマるだけに流れは良好。

陣営からの大本命。責任を果たしに騎乗する

川田将雅騎手

今回は主戦の松山弘平騎手に替わって鞍上を任されたのはダノンと関わりの深い川田将雅騎手。

共同通信杯を勝ちきり、クラシックの本命としてあがった馬なだけに、陣営としても狙いに行きたいレースとなる。
正に必勝態勢でのレースとなるだけに託された想いを乗せてG1レース連勝を狙う。

世界への前哨戦。メドが立つ結果が欲しい

武豊騎手

クラシックとはいえ、先を見据えていて
大きな目標を控えているのが武豊騎手のドウデュース。
既に、凱旋門賞への事前登録を視野に入れていて、そこを目指すためにも、この皐月賞で不甲斐ない走りは許されない。
先週の桜花賞でも好勝負を魅せ、惜しい結果だっただけに、ここで勝利し
堂々と海外で勝負しに行きたい。

自ら仕上げた1頭。不利も逆境も跳ね返す

岩田康誠騎手

皐月賞で波乱を起こすとするならば、期待したいのは燃える男、岩田康誠騎手が仕上げた自信の1頭。
ここまでダート一筋だった馬の芝適正を見極め、皐月賞を勝ち取った1頭なだけに
やる気は十二分で勢いも目を張る物がある。

⭕ウマママン予想❌

今回の皐月賞、混戦模様が色濃いですが
ウマママンの予想印としてはこうなりました!

◎キラーアビリティ/横山武史騎手
〇ダノンベルーガ/川田将雅騎手
▲ドウデュース/武豊騎手
△アスクビクターモア/田辺裕信騎手
△イクイノックス/ルメール騎手
△オニャンコポン/菅原明良騎手
🔘ジオグリフ/福永祐一騎手

今のところ、ずば抜けて「この馬!」というの不在で混戦模様で、どれでも1着になれそうな勢いがあり、悩みどころ。
なので、◎キラーアビリティ/横山武史騎手は軸としての本命としました。
単勝で撃ち抜けと言われると、推したくなるのが前走、共同通信杯2着の🔘ジオグリフ

法則的なもので、師匠とするヤスアジTVでヤスさんが朝日杯FSの時にジオグリフにヤスって(単勝1万円)いて、2歳馬で同じくヤスったメイケイエースもヤスってから2走目で結果を出していて、ジオグリフもこの法則に当てはまるだけに期待はしてみたい。

状態として気にしてみたいのはルメール騎手と菅原明良騎手で昨年の活躍ぶりを考えると仕上がり不足でも何とかしてくれそうな雰囲気はあったのだが、今年はそこまでの強引さを感じないだけに、馬の仕上がりがしっかりしているのかを見極めたい。
また、皐月賞で傾向にはハマらないが気になるのがアスクビクターモアの田辺裕信騎手。
中山競馬場で3勝を挙げたアスクビクターモアのコース適正力に、「中山巧者」でもある田辺裕信騎手の手腕も気になるところ。

クラシックレースの命運を占う皐月賞は
日曜日の中山11Rで行われます。

●スポットライト・ジョッキー

今週のスポットライト・ジョッキーは特別編という事で、スポットライトを当てるのは中央競馬では無く、地方競馬のこの騎手!!

矢野貴之騎手

生年月日 1984/8/3
身長 169cm
血液型 A型
星座 しし座
出身地 群馬県
勝負服 胴赤・白ダイヤモンド・袖緑

群馬県出身の矢野貴之騎手。
幼少期は群馬県に競馬場があることすら知らなかった程、競馬と接点が無かったのだが
「騎手」という仕事に興味を持ったのは、兄がテレビで競馬を観ていて、当時は競馬ゲーム「ダービースタリオン」が流行っていた事もあり、その延長線上でJRAの競馬を観るようになり、テレビに映ったサイレンススズカと武豊騎手が矢野貴之騎手の目には輝いて見えた。

それをキッカケに、「騎手って良いな」と想い、両親に相談すると父親からは

「競馬界にコネの無いお前がジョッキーになれると思うのか!」

と猛反対され、母親からも「お父さんには行動で示さないと納得しない」と言われ
大きな体を絞る為に、日用雑貨商の父親の店にあったサランラップを腹に巻き付け
サウナスーツを着て部活の朝練前に毎日走り、減量に挑戦するなど努力を重ねた。
そんな時に知人の紹介で高崎競馬の調教師だった丸山務調教師を紹介され、丸山調教師から、「うちで試験を受けてみないか?」と言われ
努力と関係者からの推薦もあり、高崎競馬所属の為に2000年に地方競馬教養センターに入学。

入学当時は、丸山調教師から「学校に入る前に馬に乗ると、独特な癖が付くから、入学まで一切馬に跨るな」と言われていた事もあり
入学してからは周りについていくのに必死だったが
余計な知識が無かった分、素直に技術の習得は出来たが、同期には
馬に乗ったり、下乗りで追い切りをしていた人もいて、内心は
「こんなんで騎手としてやっていけるのか?」と不安もあった。

2年間の教育期間を終え、高崎の丸山務厩舎所属騎手として
2002年4月12日の高崎競馬3Rのハンティングレディでデビュー(8着)
5月3日の高崎競馬2Rのコスモヒリュウで初勝利を挙げた。

二十歳頃の矢野貴之騎手

デビュー戦に関しては、流れも分からず考えが追い付かないまま競馬に乗っただけだった。
当時、丸山務厩舎の兄弟子だったのが高崎競馬のリーディングジョッキー
丸山候彦騎手で、JRA丸山元気騎手の父親でもあったのだが
矢野貴之騎手には、ただただ怖い存在であった。

そのため、アドバイスを受けに行くなどしないどころか、矢野貴之騎手は
若さゆえに仕事である競馬よりも、遊び惚けることが多くなり
攻め馬に来なかったり、寝坊するなど、そこまで競馬に本気で向かって居なかったが、それでも年間で20勝するなど若手でも活躍はしていて
騎手3年目にはエフケーアニカに騎乗して重賞 奥利根賞を制覇。
同馬で北関東菊花賞をアタマ差の2着と奮闘。
その2か月後に騎手として大きな分水嶺に立つ。

2004年の大晦日をもって、高崎競馬場の廃止が決定される

矢野貴之騎手がデビューしてからも高崎競馬場も財政状況はひっ迫していて、先輩騎手が県庁に赴き、嘆願書の提出などを繰り返してきたが
2003年には賞金額も大きく減り、高崎競馬場の関係者は
他の競馬場に移るか、引退するかの選択を迫られていた。

高崎のラストランは雪の中だった

矢野貴之騎手は「大井に移籍できるならば」と半ば偉そうな感じではあったが、心の中ではそこまで騎手という仕事に固執しておらず

「高崎が潰れて、騎手廃業か
でもまあ、それならそれでしょうがない」

位の心持ちだったが、若いということもあって、2月にTCK大井競馬の高橋三郎厩舎に移籍するいう形で騎手を続けることとなった。
しかし、ここで矢野貴之騎手は洗礼を受ける。
高崎の雰囲気としては、トレセンに行くと誰構わずに、調教の依頼などがあったのだが、TCKはサバサバした感じで、元々人見知りでもあった矢野貴之騎手は「ここではどうやったら乗れるの?」状態で
「自分はここではやっていけないのかもしれない」と思い、やさぐれはじめていた。

それでも、5月9日の大井競馬4Rにアルファチャーミィで初騎乗(4着)
5月13日には大井競馬4Rでベルモントソニックで大井初勝利を挙げるが、戦績は195戦8勝どまりとなっていた。

しかし、やさぐれて腐り始めていた矢野貴之騎手を応援してくれた存在があった。
高崎競馬場が閉鎖となった後、活動を続けていた群馬県の境町トレセン(境共同トレーニングセンター)の関係者だった。
高崎競馬から騎手として現役続行していたのは矢野貴之騎手を含めて3人ということもあり、矢野貴之騎手を気にかけてくれていた。
【応援してもらってる以上、辞めるわけにはいかない】と思う矢野貴之騎手を後押しするように、境町トレセンがTCKの外厩認定されてからは
外厩の馬の調教などで呼ばれるようになり、乗鞍も増え始めていき
プライベートでも結婚を果たすなど、環境の変化から矢野貴之騎手にとって漠然としていた騎手の仕事に「自覚」が芽生え始め、メンタル的にも上向き始めた。

騎手として成長した矢野貴之騎手は乗鞍も年間400鞍を超え始め、
2012年には、東京都騎手会に所属を変更し、実質フリーになり
TCKのジョッキーとして丸10年になる直前の2014年に浦和で行われた桜花賞をシャークファングで制し、TCK移籍後初の重賞制覇も果たした。

この時、矢野貴之騎手は念願の勝利に嬉しさが爆発し、夜は食事が喉を通らない程の満足感と一睡も出来ない程の高揚感にあふれていた。

そして、騎手という仕事に芽生えた「自覚」は根性として表れ、2014年に攻め馬で落馬し背骨を痛めたのだが、リーディング上位という事もあり、痛み止めを飲みながら競馬に乗り続けていた。

2017年には、1484戦238勝で南関東のリーディングジョッキーの座に輝くと
2018年6月6日には大井競馬11Rの東京ダービーをハセノパイロで制覇し、ダービージョッキーにも輝いた。

そして、その輝きは年々増していて
2020年には中央と地方の交流G3 マリーンカップをサルサディオーネで制覇し
ダートグレード競争を初制覇を決めると
交流G3 クイーン賞も逃げ切りダートグレード競争2勝を挙げ、4歳以上最優秀牝馬に満場一致で選出。
更に11月3日には交流G1レースのJBCスプリントでサブノジュニアに騎乗して初制覇。
矢野貴之騎手としてもJpn1初制覇となり
NARグランプリ殊勲騎手賞を受賞。
2021年もサルサディオーネとのコンビで躍進を続け、交流重賞の日本テレビ盃では
牝馬として初制覇する快挙も達成した。

そんな、矢野貴之騎手ですが
高崎競馬場で兄弟子だった丸山候彦元騎手とはたまに連絡をとっているが、
内心「怖い人の4番バッター」という程、恐れおののいている。

また、地方競馬教養センターでは有年淳騎手・和田譲治騎手と同期。

実は、矢野貴之騎手が一番自信を持ってるレースは「芝コース」で
「芝に乗せたら上手いよ!」と自画自賛している。
実際に盛岡競馬場での芝レースでも優秀な成績を残していて
セールスポイントは「あたり」の柔かさと関節の使い方だそう。

2007年に行われたJBCスプリントで地方馬として初優勝したフジノウェーブの所属厩舎が高橋三郎厩舎だったのもあり、調教パートナーとして担当したのが矢野貴之騎手で、JBCスプリントを制覇した時のインタビューで
髙橋調教師も「矢野の努力がチカラになった」と称賛されていた。

2016年に札幌競馬場で行われる
ワールドオールスタージョッキーズの地方騎手代表選考会でもある
「スーパージョッキーズトライアル」に南関東代表の1人として出走し
第1ラウンド盛岡をトップの成績で通過したのだが、
札幌競馬場の近くに実家のある奥様から「これで、札幌に行けたら嬉しいね」とエールを送られたのだが、矢野貴之騎手は奥様の為にとガッチガチに力が入りすぎてしまい、第2ラウンド名古屋で成績を落とし、総合3位で
出場権のある2位以上にあと一歩及ばなかった。

いまや、地方競馬の南関東ではトップジョッキーの一人として活躍している矢野貴之騎手。
彼自身が秘かに思っていることがある。

南関東で「真」のリーディングジョッキーになること

リーディングジョッキーには2017年に1度輝いたが、その時には、ライバルであった森泰斗騎手がケガで戦線離脱したり、御神本訓史騎手も騎手免許の再取得で8月からしか騎乗していなかったのもあり
正直、リーディングジョッキーとなったのは自信になったが
ライバルが不調な中、押し出されてリーディングジョッキーとなっていた。

そして、ライバルの2人が本格復帰してからは未だにリーディングジョッキーの座には着けていない。
南関東から中央に移籍する直前の戸崎圭太騎手からも「自分の後釜ならば矢野」と調教師達に話すなど期待が持たれていた。
だからこそ、騎乗が出来るなら断らずに自らの体にムチを打とうとも乗る。

それをするのも、高崎競馬の廃止という窮地を経験し
騎手という仕事が多くの人に支えられて、応援されてなりたっているのを「自覚」したからこそ。

高崎競馬を知る、最後の騎手として、砂煙を切り裂いて1着を目指す。
矢野貴之騎手の活躍・応援、よろしくお願いいたします

来週のスポットライト・ジョッキーは

吉田豊騎手

にスポットライトを当てていきます!!

~あとがき~
今週もお読みいただき、ありがとうございます。
ちょっと週中位に、noteの更新で仕様変更がかかってしまい、若干レイアウトが違ったりするかもしれませんが
ご理解いただければ幸いです。

それと、今週水曜日にあったG3 クイーンカップですが
SPAT4で購入したのがまさかの6連複的中なんですが・・・
軸のレディバグとメモリーコウが4・5着だったので1銭にもなりませんでした。
でも中間の地方競馬でそこまで大負けせずにそこそこ馬券は的中したので
復調気配が出てきたので皐月賞も頑張れそうです!!
皆さんも皐月賞で的中できることをお祈りしています!

それでは、皆様。
今週もお読みいただきましてありがとうございました!
良ければ、noteのサポート(投げ銭)やいいねもお願い致します。

今週の競馬ライフが素晴らしいものとなり、的中や万馬券、WIN5の的中に巡り合えます事を心よりお祈りしております!
また来週もよろしくお願いいたします。
                       ~ウマママン~

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