適切な主語の話/趣味の話/ネット初心者の話/刺激を求める話/スーパーの話/一蘭の話(140字以上のつぶやきまとめ)

 Twitterでつぶやけなかった内容のメモをまとめたnoteです。やや古いものもあります。


適切な主語の話

 普段私たちが使っている主語は大きすぎるのではないかと感じたので、適切な主語を使えるようになりたい。コミュニケーション齟齬は、主語が適切でないことが原因の一つだと思う。主語を大きくして断定する言葉を述べると愚説を喋々することになるか、真意の伝わらない薄い文章が出来上がるだろう。あらゆる面で余裕が生まれ、多様性を受け入れることが出来るようになった現代においてこのような書き出しはあまりに無謀すぎる。
 例外は文末を否定形にする事だ。「人間は七色に光り輝く皮膚を持たない。」
 ああ、ゲームが大好きな人ならば医療費自己負担で1677万色に光り輝く身体を手に入れているかもしれない。勝手にしろ。

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趣味の話

 自分の趣味について話す機会があるとき、自分は多少嘘をつく。なぜならその趣味について、何も知らない人を相手に話題を広げることが難しいから。好きなものはあるけれど、本当の趣味は自分でも分かっていない。あと流行も分からない。流行りものを知らないがゆえにサブカルチャーか分からない。友人と聞く音楽はどちらも異なる流行に乗っているので、エコーチェンバーを実感する機会がとても多い。

 また、自分の趣味を言わない理由として他に、趣味が自分のアイデンティティに直結しているからでもある。
 自分の性格、どう思われたいか、どう思われたくないか。これらは全て趣味と密接に関係していて、何ということはないだろうが、この文章の書き方すらも影響を受けている。

 ・ここで「あらゆるものは何かの影響を受けているのでパクリである」的な事を言うのはお門違い。その言葉は創作者の免罪符じゃないから。卑屈にならずに、オリジナルだという自信を持ってほしい。

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インターネット初心者の話

 インターネットの世界の流れに乗って漂流すると、どこかで進化がある。それは大したものではなくて、例えば絵文字の使い方や個人情報を開示する範囲が変化する(たいていは落ち着く傾向にある)こと。これを逆手にとって、twitterでインターネットに不慣れな芸能人が頑張ってツイートする文体で注目を浴びるアカウントが存在するが…あざとさというか、強かさを感じてしまう。この感情は何%の人に理解される?

 それから最近、別の界隈にアカウントを作成してみた。しかしTLの構築に失敗してしまい、界隈の平均インターネット年齢(インターネットに初めて触れたらカウント開始)が若すぎてこそばゆいタイムラインが広がってしまった。あだ名が決まる瞬間のなれ合い。コミュニティーをとにかく拡大したい、という純粋な気持ちの「#○○好きと繋がりたい」、「#拡散希望」。インターネットでの振る舞いなんて界隈によって違うのは当たり前で、精々「おらが村のしきたり」程度のものであることは重々存じているが、何と言うか、今さら小さな椅子に座って小学校の授業を受けているようなそういうもどかしさを感じている。早く成長してくれとも思うし、この流れに頑として動かない漬物石になった僕の老いも感じている。

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刺激を求める話

 だんじり祭りの事故動画を見てたら翌朝になってしまった。
やんちゃ衆が太鼓などをドンドコ叩く軽快なリズムに合わせてワァワァ大騒ぎしつつ曲がり角に山車を爆速で進入させるもんだから案の定電柱等に激突して横転しちゃうんだけど、横転する瞬間に掛け声がアァ…となって「いや俺は危ないと思ってたんだよね」みたいな空気になるのが無責任で好き。
立て直した後はすぐバカ騒ぎしながら速度上げるのも何も学んでなくて最高。

 というか、自粛期間以降特にこのような「衝撃映像」的なものを好んでみるようになった。刺激のない毎日を送ると娯楽に飢えた挙句、刺激の強いもの(何かが爆発する/人間が痛がる)を求めてしまうようになってしまったのでどうにかしなければならない。自分の感性が強い刺激で馬鹿になる前に。__________________________________________________________________________________

スーパーの話

 健康に気を使って野菜スープを頻繁に作ったり、納豆や豆腐や豆乳を摂取したりしている。
 先日、普段利用しているスーパーから少し離れたコープに行ってみた。生協のスーパーで、全体的に活気が無かった。全国に幅を利かせるコープ、僕が実家にいた頃も近所に利用している人が居たが、実家はスーパー2軒の中間地点に位置する好立地だったので利用しなかった。さぞかし魅力があるんだろうと思っていたが、なんだか野菜(特にキノコ)は高いし種類が少ないし、魅力をあまり感じられなかった。それでも値引きシールを見つつ何点か購入し、レジに並んだところでそれは発生した。

 レジのパート店員さんと自分の前に並んだお客さんが会話に花を咲かせていた。

店員さん「あらあらこんにちは、あそこの○○さんがね……」
お客さん「あらそうなの、確かにそこのお子さんが~……」
店員「そうなのよ、んで~……」

 話題の狭さといい口調といい、大輪の花である。

 こんな具合でゆっくり会計を終え、客は袋詰めコーナーに移動した。「だから今度聞いてみようと思って……」そして自分はカゴをレジに置き「それって○○さんが言ってた……」店員はバーコードを通す作業をし「やーだ、困っちゃうわね……」まだ喋り続けているのだから面食らった。花畑じゃん。さすがに自分の支払金額が表示されたところでなし崩し的に会話を終えていたが、自分が会計を待つ間ずっとしゃべっていた。

 別に接客を受けに来たわけではないし、特段急いでいるわけでもなかったので何も言わず会計を済ませたが、単純かつ大胆な職務怠慢をされ、めちゃくちゃ驚いた。僕がしょうもないクレーマーだった場合、googleのレビューで☆1を乱打するだろうな。冴えない大学生男一人、舐められたものですね。

 そんなに安い食材が無かったのも驚きだった。無農薬・オーガニックの野菜が多かったし、肉類も国産が多い印象だった。中流家庭で食の安全に気を配る余裕がある人が利用するスーパーかもしれない。

 これは本当に個人の意見で、おそらく少数派なので無視してもらって構わないのだけど、自分はむしろ農薬とかを使った食材の方に魅力を感じる。遺伝子組み換えされた食材も抵抗がない。
 農薬その他化学的な何かや遺伝子操作が必要とされたのは、野生の野菜や動物を人間が育て・食べるのに不都合があったからだと思う。病気にかかりやすかったり、収量が少なかったり、種が多かったりすると面倒なので人間が手を加えた。そのお陰で、食べ物が年中安く手に入り、しかも美味しいのだから最高ですよね。
 そんな人類の叡智、食べてみたいと思いませんか?__________________________________________________________________________________

一蘭の話

 一蘭を食べた。

 一蘭は言わずと知れた高級志向の豚骨ラーメン屋で、前々から一度行ってみたいと思っていた。しかし値が張る(らしいという口コミ)のと、一蘭のある繁華街に用事が無かったので行く機会が無かった。

 しかし、ある日突然親から「たまには美味しいものでも食べな」とLINEが来て、銀行口座にお金が振り込まれていた。

 進学で上京し、一人暮らしを始めて5か月。週に1回程度電話をするし、一人でいることは全然寂しくないが、親は心配しているかもしれない。
感謝のLINEを送り、何を食べるか考える。ステーキ肉でも買ってきて焼こうか。それともお刺身を頂くか。ピザでも取る?一人だけど。

 ちらと台所にたまった洗い物を見てため息をついた。
「今日は外で食べよう。」部屋着から着替えた僕は財布とスマホだけを小さいカバンに入れ、駅の方向へ歩いた。

 急いで帰れと放送が響く自粛疲れした繁華街を特に当てもなく歩いていると、赤い看板が目についた。

 なるほどね。そう決まっていたかのような足取りで、僕は一蘭のある雑居ビルに入り、値段にビビりつつもセットを注文した。1580円。大学生が一食、ラーメンを食べるだけに消費する金額としてはあまりに不相応。しかし、これを体験するために野越え山越え上京してきたのだ。

 とりあえず席に着き、店員さんに促されるままにペンで注文をする。秘伝の赤いたれは唐辛子ベースなので、初めて食べる人は少なめorなしをおすすめされていたが、一覧が最適と判断したものが食べたいので、すべてを「ふつう」、デフォルトで注文した。

 ラーメンはすぐに来た。スープが全然臭くない。そういえばこの店も臭くない。豚骨といえばあの独特の臭みがあって、あれこそが豚骨だと思っていたが、そうではないらしい。

 店内は筆文字・長文のこだわりが書き連なっている。斜め読みしたところ、とにかく早く食べることが重要とのことなので写真は1枚だけにして、早速箸を割った。

 意に反して瞳孔が開いた。次いで口角が上がった。味集中カウンターがあって良かった。この顔は人に見せられるものではない。店員さんや客の気配が飛び、ラーメンを味わう事だけを楽しめるのは、アトラクション的な楽しさがあった。一蘭はラーメンのテーマパークです。

 後半は赤い秘伝のタレがスープに溶け、スープを辛く味変してくれるので全く飽きない。辛いので水が欲しくなるが、水は各席に付いた蛇口から自由に注ぐことができる。どこまでも、ラーメンと向き合うための配慮が整っているお店だった。

 いつかまた仕送りが来たら行きます。


もやし炒めに肉を入れたいです