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オークスとシャブリ

 オークスの文字を見ると、また1年ブログ続けられてよかったなぁと実感します。オークスから始まった競馬ワインブログ「馬とワイン」は今回で3年目突入です。読者のみなさま本当にありがとうございます。この一年間で音声配信を始めたり、あんまり書けてないけど書評記事をスタートさせたり、ブログカードを作って身の回りの人に配ったり、色々新しいこともはじめました。フォロワーさんやアクセス数も地道に増えてきて、楽しいかぎりです。これからもよろしくお願いします。

 そんなわけで今週も前回のレースの振り返りから。ここ3週続けて的中していましたが、前回も本命に選んだ5番人気のノームコアが1着で的中。なんとなんとの4週連続プラス的中です。

 買い方としてはノームコアの単勝100円複勝400円と、ノームコアの同枠のクロコスミアにもちょっと期待していたので枠連で2枠から流しという買い方にしました。枠連は残念ながら相手を外してしまったんですが、クロコスミアもなんと3着に入ってるんですよ。枠連2-2もちゃんと買ってたので、もうちょっとで……お、惜しい。

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 というわけで今日のワイン予算は3340円。オークスを記念してこのワインを選びました。

レゼルヴ・デュ・シュヴァリエ
シャブリ 2014

 見ての通りラベルに馬がおります。実はこれ去年の毎日王冠の時にデパートで店員さんに「ラベルに馬が書いてあるワインないですか?」と聞いて、最初に案内してもらったワインなのですよ。毎日王冠の時は予算が2800円でちょっと足りず、代わりに馬のような犬のような動物ラベルのワインを買いましたが、今回は予算ピッタリ。これしかないと思ってダッシュでデパートへ行って、同じ店員さんから購入しました。

 シャブリは、ワインマニアでなくても名前を知っている人は多いでしょう。フランス・ブルゴーニュ地方北部のシャブリ村、およびその周辺で造られる辛口の白ワインです。
 と話すと「へー、シャブリって村の名前なんだ」と言う方が結構いますが、フランスワインの多くはブドウの生産地がそのまま商品名になってるんですよ。
 ビールや日本酒だと普通は商品名があります。そりゃそうだと思いますよね。ところがワインは基本的に生のブドウをつぶして単発酵させただけでできるお酒で、ビールや日本酒のように「原料の穀物を糖化させ発酵させる」という複雑な工程がなく、非常にシンプルなため仕上がりは原料ブドウの味がそのまま影響します。よって農作物的な性格が強く、原料ブドウの生産地が重要視されるのです。
 (余談ですが、日本酒の酒米をやけに気にする人がいますが、酒米は栽培や醸造の中で品種ごとの差異はあるものの、それが直接味に影響するかというとそういうものではなく……むしろ酵母の違いのほうが分かりやすく特徴が出ます。「この酒米を使ったからこういう味になる」ではなく「こういうスタイルの酒にしたいからこの酒米を使う」という感じのようです)

 とはいえおなじシャブリ村のワインでも生産者によって味が異なるのも事実で、一言にシャブリと言ってもいろんなシャブリがあります。下の写真、これ全部シャブリです。

 そんなわけで、今日僕がテイスティングしているシャブリは「レゼルヴ・デュ・シュヴァリエ」というメーカーのシャブリ。

 でもこの「レゼルヴ・デュ・シュヴァリエ」って聞いたことないし、ネットで検索しても全然情報が出てなくて、何者なんだろうなぁと思いながら飲んでたんですが、今週の木曜日にたまたま仕事で知り合ったワインのインポーターさんからもらった資料に、なんとヒントが載ってたんですよ!

 どうですかこのラベル、そっくりでしょ。
 これはシャブリじゃなくてブルゴーニュ ピノ・ノワールですが、ポイントは下の部分。僕のシャブリにはでっかく「RESERVE DU CHEVALIER(レゼルヴ・デュ・シュヴァリエ)」と書いてあるのに対し、このブルゴーニュ・ピノノワールには「CHEVALIER CLERGET(シュヴァリエ・クレルジェ)」と書いてあります。なるほど、この「RESERVE DU CHEVALIER」と「CHEVALIER CLERGET」はまったく同じメーカーなのですが、なにかの理由で違うブランドとして販売しているのですね。
 さらにどちらのワインにもブランド名の前に細かく「Mie en bouteille par EMB F-21506 pour」と書かれています。これは「~の為にEMB F-21506番の業者が瓶詰しました」という意味。どういうことかというと、RESERVE DU CHEVALIERとCHEVALIER CLERGETというメーカーは、実際にはこのワインを作っていなくて「EMB F-12506番」という業者から、瓶詰されたワインを買い取り、自分のブランドのラベルを付けて販売しているのです。

 こうした買い付けワイン販売業者のことを「ネゴシアン」と言います。
 「買い付け業者のワイン」と聞くとなんだか魅力なく感じるかもしれませんが、そうでもないんですよ。自分のブランドに見合ったワインを探し、時には熟成させたりブレンドしたりして安定した品質を守る……なかなかに大変な仕事だと思うんですよね。自分のブドウで自分のワインを作る生産者をドメーヌと言いますが、ドメーヌワインは個性的で面白いワインがある一方で、年によっては失敗があったり、品質や値段が安定しないというのはどうしても避けられません。安定した品質と価格がネゴシアンワイン。そういえば先日シャンパン紹介しましたが、シャンパンの名門とされる有名ブランドはみーんなネゴシアンですからね。

 ドメーヌのワイン、ネゴシアンのワイン、どちらを選ぶかはその時々の気分でよいかと思いますが、一つ言えることはシャブリはシャブリ。シャブリ村とその周辺で栽培されたシャルドネを使った辛口の白ワインであることには変わりません。その中で味の違いを探っていくというのが、僕のやっているテイスティングなわけです。

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 さて、説明が超長くなっちゃいましたがテイスティング。
 ジューシーで厚みのあるシャブリです。シャブリにも酸が強かったり軽めのさっぱりしたタイプがあったりと結構幅があるんですが、これは旨みのある味わいですね。2014年ヴィンテージなんですが、調べてみたらブルゴーニュ白の2014ってすごくいい年らしい。さすがは都内の一流デパートのセレクトだなぁ。ミネラル感も豊富で美味しい。すっきりサッパリした味のシャブリが好きな方には合わないかもしれませんが、ゆったりした飲みごたえを味わいたいならおすすめ。
 ネットだと安いシャブリは2000円切ってるのもあったりなんかして、謎のネゴシアンの村名シャブリが3000円オーバーってちょっと高くないかなぁと思ったんですが、そんなことはない。ちゃんと良いワインを作るこだわりのネゴシアンでした。ありがとうダミアン・レーンとノームコア。

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 ではではお待ちかねオークスの予想です。めちゃくちゃ考えましたが、今回はお祭り、思い切ってこれで行きましょう。

 1 ジョディー

 まず東京2400というコース、まだ誰も走ったことがない上、これといった抜けた人気の馬がいない以上どれが来ても本当におかしくありません。まだ重賞勝ちの経験すらない若手の武藤ジョッキーですが、一枠一番の逃げ馬、何かが起きる気がしてなりません。そしてもう一頭は

 11 シゲルピンクダイヤ

 桜花賞2着の馬がやけに人気落としてますが、上がり3ハロンのキレを見るに、この馬が本当に力を発揮するのは東京だと僕は見ます。だいいち桜花賞だってスタート直後の接触や、外枠の不利を乗り越えての2着なので、タフな馬なんだと思うんですよ。2400mを走り切れる力があるはずです。

 この2頭で単勝100円複勝300円、ワイドと馬連を100円ずつでいってみたいと思います。どっちも締め切り近くなればオッズ上がるだろうし、ジョディーは単勝万馬券もあるかも。2頭来たらシャトー・シュヴァルブランも夢じゃない。奇跡の穴馬で5連勝達成なるか? そして来週はダービー! 3年目の馬とワインもよろしくお願いします!

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