見出し画像

NHKマイルC:うまぴょい伝説と武さん

明日5月9日はNHKマイルCである。新緑薫る府中、ここからダービーまでの期間は競馬場に行って観戦するのが気持ちいいシーズンなのだが、コロナ禍以降行けずじまいである。毎週指定席に応募するもハズレばかり引いているのだが、オークス以降は立見席含めて大幅に入場人員を増やす予定であるので、競馬場で観戦する機会が増えることは素直に喜ばしいことではないか、と思う。

NHKマイルCについては、距離適性が細分化されて3歳マイル王決定戦という位置付けではあるが、昔はマル外ダービーと言われていて、外国産馬にクラシックの門戸が開いていなかった時代があり、シーキングザパールもエルコンドルパサーもクロフネもこのレースを春の大一番としてきた。また、ローテはタイトだが、ここで強い勝ち方をすればダービーも間に合う。あの大王キングカメハメハもそうであるが、ディープスカイ、タニノギムレットもここを使ってダービー馬になっている。最近はなかなかそういう変則ローテも見られなくなったが。

NHKマイルCは、個人的には相性の悪いレースの一つでもあり、なかなか馬券で美味しい思いをしたことがない。ここと翌週のヴィクトリアマイルは鬼門といえる。オークスまで取り逃がすと気が重いままダービーウィークとなってしまう。

このレースとVMは、配当も荒れやすく、3連単100万馬券が頻繁に出ているイメージが強い。従って、荒れることを前提に組み立てなければならず、こことVMは点数を張った買い方になるのだろうな、と考えてしまう。

コース及び展開の考察

今回は、府中の1,600mであるが、スタートしてから最初のコーナーまでが長く、最後の直線も長いことから、激しく位置を取りに行くような形にはなりにくく、道中はそれほど速くはならない(昨年は先行馬が集まりすぎたためハイペースとはなったが)。前半の半マイルおおよそ46秒台で推移することが多い。

今年は昨年とは対照的に行きたい馬がジャングロのみで、あとは好位追走または最後の直線に脚を溜めたい馬が多いような印象を受ける。そうなると、NZTと同様、武豊Jがペースメーカーとなる形になるものと思われる。

武豊Jはやはり逃げた時が怖いし、頼りにもなる。正確な体内時計を持ち、精緻なラップを刻みながらレースを組み立てて、息を入れるとことはしっかり入れ、勝負所では後続に脚を使わせ、最後自分は残すというスタイルこそが、個人的にはこのジョッキーの真骨頂であると考えている。今年もこれでNZTを勝ったわけだし、桜花賞も勝つ寸前までいった。

馬場はAコース3週目となるが、極端ではないものの内の先行が残る傾向となっているため、なるべくなら好位追走、という感じだが、差しが決まらないというわけではないようだ。今日のプリンシパルSのように、後方で脚をためて直線一気で上位にきている馬もいる。差し勢が絶望的、というわけではない。

有力各馬の評価

マテンロウオリオンは、前走のNZTではやや外に膨れた分、勝ち馬に逃げ切らせてしまった。ロングスパートが効く馬であるし、どの位置からも競馬ができる強みはある。また、今の府中で求められる上がりの瞬発力も持っており、また、最内枠を引き当てており、インにこだわった競馬をして、ロスなく立ち回れば勝ち負けはあるだろう。

ソリタリオは前走のスプリングSは最後方、かつ外から追い出しての競馬となった。スプリングSは逃げ、先行かつ内を進んだ馬が上位にくる形で、外差しをするにはあまりにも厳しい競馬であった。シンザン記念はマテンロウオリオンにタイム差なしまで迫り、強い競馬を見せていた。実績が示す通り、中山よりも左回りの方が良いのだろう。追い切りも迫力ある動きを見せており、前走の着順が響き人気薄ながらも大駆けの雰囲気がありそう。

セリフォスは新潟2歳Sで上がり32秒8という圧巻の上がりを見せ、デイリー杯もスローで後方よりで競馬をしていたのにも関わらず、着差はないものの、最後は捉えて勝ち切った。朝日杯ではドゥデュースに負けたものの、それでも自分の競馬はできていた。但し、間隔が空いたことはやや割引と見ていて、追い切りはダイナミックな走りではあったものの、折り合いに一抹の不安を感じさせるものではあった。

インダストリアはジュニアCで外から衝撃的な勝ち方を収めていた。前走の弥生賞ディープインパクト記念ではスローな流れとなり、先行勢優位とはなったものの、ゴールでは上位に詰めており、瞬発力勝負となる府中の方がやりやすいし、マイルの方が適性もありそう。爆発力があるタイプで、あっさり勝ってしまうことも十分にある。

ジャングロはうまぴょい藤田オーナーに重賞初Vをもたらせた功労者である。これまでは短距離戦で逃げ切るスタイルだったが、前走のNZTでは距離をマイルに伸ばし、先にも書いた通り武豊Jの絶妙なエスコートも光ったが、マテンロウオリオンにあれだけ迫られながらも最後まで粘り通した勝負根性にも目を見張るものがあった。今回は同型がいないだけに、前走の再現に期待してしまう。

ダノンスコーピオンは、前走のアーリントンCで一頭だけ違った脚を見せ、タイセイディバインが勝ち切りそうなタイミングで鋭く差し切った。折り合いに不安があり、それゆえ共同通信杯では苦杯を喫した形。今回は大外枠であるが、他馬を気にせず折り合いに専念できる分、マイナスではない。但し、後方から、かつ大外をぶん回す競馬となる分、位置取りを考えるとやはり割引が必要だろう。追い切りもやや物足りなくは感じたが、間隔がなく、かつ輸送もある分、軽めの調整で済ませたということだろう。

結論

◎ソリタリオ
○ジャングロ
▲セリフォス
⭐︎インダストリア
△キングエルメス
△プルパレイ
△ダノンスコーピオン
△マテンロウオリオン



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?