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日本ダービー回顧 ユタカコールに場内大興奮!

今日の日本ダービーは3番人気のドウデュースが外目から閃光の如く決め手を繰り出し、勝利した。そしてウイニングランでは、ユタカコールが東京競馬場に響き渡った。個人的には、ユタカコールを現地で聞いたのは2017年のキタサンブラックが勝利した有馬記念以来。これこそ大レースの醍醐味であり、観客が一体となれる競馬というスポーツの魅力である。

レース前

パドックは、30度くらいの気温でかなり暑かったが、各馬大きくテンションを上げておらず、マテンロウオリオンとビーアストニッシドが少しうるさい感じくらいだった。馬体重はイクイノックスが-6kg、ダノンベルーガは-10kgと皐月賞から絞ってきていた。またドウデュースも-6kgとこちらもマイナス体重での出走となった。ドウデュースはやや胴が詰まる体型だが、無駄なところは削ぎ落とした形であり、馬体は出来ていた。外を気勢よく歩くなど気合も十分感じられた。イクイノックスも馬体はできており、皐月賞以上の出来ではあった。

レース


今回のダービーは観客が6万人となっており、歓声が上がるスタンド前でのゲートとなるが、気温のせいか発汗は目立つ程度でそれほど気負いすぎる馬もなかったかと思う。スタートはジャスティンロックが少し出が悪かった程度だった。イクイノックスはスタート後後方に下げた。ドウデュースはスタートを五分に決め、最初のコーナーへの進入は中段馬群の後方に位置し、前を射程圏に入れるには十分なポジションを確保した。今回は発馬を決めたデシエルトがガンガン飛ばす格好、番手にアスクビクターモアがつける形で隊列が決まった。ただ、向正面では縦長の展開となり、前半1,000m通過が58秒9と速い流れとなった。有力馬の位置については、ダノンベルーガは中段やや後ろ目、ドウデュースはダノンベルーガを見る形、イクイノックスは後方やや離れたところからの追走となっていた。

3コーナー過ぎの大欅のところから後方勢も前との距離を詰めていくものの、デシエルトはまだ2番手に差をつける形で逃げていた。そして直線に入るとデシエルトは一杯となり、アスクビクターモアに交わされ後退。有力どころはイクイノックスがやや内側に進路を探し、ダノンベルーガはイクイノックスよりも少し前から追い出し、ジオグリフは外、ドウデュースは大外から末脚にかける形となった。ドウデュースは前に馬がいない形となっており、仕掛けどころから追って伸びていた。ただ、ダノンベルーガは前に馬がおり、少し追い出しが遅れ、その後方にいるイクイノックスは外へ進路を求めていく。

そしてゴール前ではドウデュースが突き抜ける形、最後にイクイノックスの猛追を受けるもクビ差で勝利。2馬身離れてアスクビクターモアとダノンベルーガが入線、そこから3馬身離れてプラダリア、キラーアビリティ、ジオグリフが入線となった。

タイムは2分21秒9で、ダービーレコードを記録、時計がそこまで高速ではない馬場にしてはとてつもないタイムであった。ラップを見ると、掛かったのは向正面の1,200mから1,400mの間で12秒3、1,400mから1,600mまでが12秒0くらいで、それ以外は概ね11秒台で推移している。従ってかなり速いペースで推移し、それも最後までペースが緩まない形、消耗戦の様相を呈していたと思う。

各馬の評価

ドウデュース

今回は中段馬群の後方といい位置をとれたことが大きく、またペースも速く流れたことも味方した感じではあるが、それだけでは2,400mは保たない。やはり友道師による、無駄がない馬体に仕上げ、従ってこの馬が持つ決め手が発揮できたということである。秋は凱旋門賞を目指すが、現地の馬場に慣れ、かつタイトな流れについていければ、という感じであろう。

イクイノックス

大外枠から後方待機の競馬を余儀なくされ、さらに直線でも追い出しを待たされる格好とはなったものの、最後はかなり脚を使っており、この馬も相当な地力があることを証明した。また、皐月賞とは違い、折り合いはついていた。今後折り合い面ではあまり不安を抱く必要はないかも。但し、ややエンジンの掛かりの遅さが見られたので、ここの修正をどうするかが課題だろう。

アスクビクターモア

今回のレースで最も評価していいのはこの馬かもしれない。デシエルトが作った速い流れに番手で追走し、直線ではまだ手応えが十分で、後続を引き離そうとしていた。最後は流石にお釣りがなく、決め手に勝る2頭からは離されたものの、追い込んできたダノンベルーガには先着を果たした。粘り強さと勝負根性も見せた形だろう。血統背景からも、レースからも、長い距離には十分対応でき、かつ阪神コースで道中息を入れられる菊花賞では主役を張れる。タイトルホルダーに似たタイプであり、折り合い面もさほど問題はないだけに、秋への期待はかなり高まる。

ダノンベルーガ

道中は折り合いが効いており、直線でも川田Jの追い出しに応えて伸びているものの、最後アスクビクターモアを交わせられなかった点からすると、距離がやや長かったかもしれないし、イクイノックスから離されていたことからすると地力が1枚足りなかったか。

プラダリア

割と前めでつけていて、前が総崩れの中、最後まで残している点からするとよく走っている方といえ、今後力をつけていけば大舞台でも活躍できそう。今回はタフな流れでお釣りがない形となったが、ロングスパートこそ身上であるだけに、クラシックディスタンスでは活躍しそう。

その他

ジオグリフについては、最後の直線でダノンベルーガと併せて追い出していくものの、やはり最後で止まっており、2,400mは長いという評価だろう。マイルから中距離では活躍に期待が持てるので、秋は天皇賞かマイルCSか、その辺りを狙いにいくような形だろうか。オニャンコポンは折り合いはついていたものの、最後までは伸びきれなかった。折り合いとレースセンスはあるだけに菊に挑戦してほしいが、陣営からすると長い距離向きではない、という評価がなされるかもしれない。

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