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日本ダービー いざ頂上決戦!

明日29日は、第89回日本ダービーが行われる。今年は3年ぶりに多くの観客が詰めかけ、盛り上がることは必至だろう。今年のメンバーはどの馬にもチャンスがあるくらい混戦といえる。皐月賞も桜花賞と同じく、1位入線との着差があまりなく、逆転可能な馬が多くいること、あるいは別路線組でも逸材が多く、馬券的にはやや難解なレースといえる。

コースと展開考察

コースは府中の2,400m、これは先週のオークス同様。但し、今週からCコースとなっている。

皐月賞路線の馬たちにとっては距離延長を克服できるかが鍵となる。そのためには折り合いがつくかどうか、が最大のポイントだろう。道中折り合いを欠いてしまうと直線でお釣りがなくなってしまう。また、スローで流れた場合には直線で瞬発力勝負となり、決め手も要求される。

馬場は前述の通り、Cコース変わりとなったが、本日のレースを見る限り、やや時計がかかる傾向にある。これは良馬場とは言っても昨日の雨の影響がまだ残っていることによる可能性がありそう。明日は晴れで気温が上がるので、時計はもう少し出やすい馬場になるのではないかと思われる。8Rはお馴染みの青嵐賞であり、ここで馬場傾向とタイムを掴んでおきたい。直線は、馬場の2〜3分どころが伸びやすい感じ。従って、大外に回して直線の末脚に賭けても届かない可能性があることは留意が必要だろうし、馬場の2〜3分どころから勝負を仕掛けるのであればある程度の位置は確保する必要もある。

ペースは平均を想定。前半1,000mの入りは60秒ジャストくらいか。デシエルトがすんなりハナを切り、ビーアストニッシドが続けるような形ならそこまで緩まない。皐月賞ではこの2頭が先行できず結果スローとなったが、今回この2頭が行けるかどうかも展開を左右しそう。続いてロードルゼル(ひょっとしたら主張するかもしれないが)、好位でビースオブエイト、アスクビクターモアが追走、それを見る形でイクイノックス、プラダリア、さらにダノンベルーガ、オニャンコポン、ジオグリフあたりが追走。基本好位で追走する組から後方まではさほど差がなく、一団で進んで行く可能性もある。問題はドウデュースの位置取りだが、前走はスタートで前にいく馬が何頭か同馬の壁になるような形で後方に控えてしまう形となった。今回は外めでデシエルト以外には位置を取りにいく馬もおらず、中段くらいの位置は確保できそうな感じもする。

有力馬が位置取りに差のないところで競馬をするイメージであれば、直線は決め手勝負となる公算が高い。上がり勝負となれば末脚に自信がない馬にとってはキツくなるかもしれない。タイムは2分23秒台後半から24秒台前半。今の府中開催は超高速ではないので、昨年のようなタイムが出るイメージはない。

有力各馬の評価

アスクワイルドモア

京都新聞杯1着で賞金加算。京都新聞杯は超高速の中京馬場で2分9秒5という日本レコードで勝っている。但し、このレースはかなり速い流れで先行馬が崩れる形となっており、道中中段で追走していた同馬からすれば展開にも恵まれていた感が強く、本番で瞬発力勝負となった場合には上がりの末脚も持っているタイプではなく、割引が必要。

アスクビクターモア

皐月賞5着で優先出走権確保。前走は、デシエルトが出遅れてしまうなどして、押し出されるように先頭で競馬を進める。馬場の悪い内側を通っており、トラックバイアスには泣いた印象。末脚勝負となった時はやや分が悪いものの、先行粘りこみは武器。極端なスローとなれば位置を取れる分、有利には働く可能性はありそう。

プラダリア

青葉賞1着。未勝利戦での勝ち上がり方が強烈で大差を広げて勝っている。青葉賞でも好位を立ち回り逃げ粘りを図ったロードレゼルを捉え、着差以上の完勝だったといえる。道中は好位追走から長く脚が使えるタイプであり、4コーナーから進出してもゴールまで脚色は衰えない感じでもあるため、直線伸びそうなところを走れそうなイメージがある。調教も栗東坂路でダイナミックかつ体幹がブレない走りをしており、時計以上に好印象で、出来はさらに良化しているイメージ。ダービーに勝てない青葉賞組のジンクスを破れるか注目だろう。

オニャンコポン

皐月賞6着。スローな流れの皐月賞でスタートから位置を取れなかったのが痛かった。ドウデュースほどではないにせよ直線では脚を使っており、伸びてきていた。折り合いについてはかなり付く方で、レースセンスはメンバー中屈指。前走は後方からの競馬となってしまったが、スタートにもそこまで不安がある訳でもなく、位置取りが中段くらいなら決め手もあり、上位に肉薄する競馬はできそうである。

マテンロウオリオン

NHKマイルC2着。前走は最後方から大外に回し、上がり33秒5を使って2着に入っており、末脚勝負となればチャンスはある。但し、2,400mは未知であり、距離の克服が鍵となる。器用に立ち回れないところがあるが、決め手はあるため、突っ込んでくることはありそう。道中は後方ポツンなのか?

ダノンベルーガ

キャリア2戦目の共同通信杯では、強烈な末脚で皐月賞馬ジオグリフを相手にせず圧勝している。皐月賞では最内枠に入り、トラックバイアスに泣いた感じが強いが、馬体も仕上がり途上に映っていた。皐月賞からは入念な乗り込みを行っており、1週前追い切りでは、48秒5-11秒0と破格の時計を出してきている。皐月賞からは一変してきている形であり、枠的にも不利に働くこともなく、パフォーマンスを出し切れば突き抜けて勝ちそうなイメージも抱かせる。

ドウデュース

皐月賞は前述の通り最後方からレースを進め、スローペースで直線の短い中山コースではありながら上がり最速の末脚で3着に食い込んだ。後方待機策については色々と議論がなされてきたところではあるが、今回はスタートと出たところなりで自然体で位置をとっていく形になるのではないか。個人的には皐月賞がメイチの仕上げであり、ダービーに向けての調整が鍵だと考えていたが、5月の初めから入念に乗り込まれており、1週前追い切りでは50秒0-11秒2とかなりの時計を出している。最終追い切りでは友道師お馴染みのポリトラックだったが前進気勢があり、さらに研ぎ澄まされた形になっていた。おそらくはタフな馬なのだろう。当日はマイナス体重で出てくることが想定されるが、これは2,400mという長い距離を走り切るための仕上げ方であり、無駄なところを削ぎ落とした感じなのかもしれない。朝日杯の勝利以降、今年に入って勝ち星に恵まれていないが、朝日杯の勝ち方からしても相当の決め手の持ち主である。軽い印は打てない。

ジオグリフ

皐月賞馬。共同通信杯では折り合いを欠いてしまって、結果直線では余力がなかった。しかし、本番では、福永Jが完璧に折り合いをつけ、イクイノックスを終始マーク。イクイノックスが我慢できず4コーナーから進出してもワンテンポ遅らせ、大外から最後交わし切る形での勝利だった。喉の調子、折り合い、そういったところを克服しての勝利だったが、ペースやトラックバイアスを味方につけるなど、全てがうまく嵌まった感は抱く。ダービーでは距離の克服が鍵となるが、ぎりぎりといったところか。

イクイノックス

皐月賞2着。皐月賞は3-4コーナーから前進し、捲る形で直線に向き、抜け出したものの、最後ジオグリフに交わされた形になった。皐月賞では終始折り合いを欠く形となっており、最後の最後で折り合いが効いていたジオグリフとの差が出たか、という印象だった。潜在能力はメンバー中No.1であり、東スポ杯の上がり32秒9というタイムは驚異的である。但し、大外枠であり(先週はルメール騎乗のスターズオンアースが大外から勝ったが)、また折り合いの不安が解消されているか、ということについては不安を残す。追い切りを見る限り、折り合いには若干疑問符があり、スローとなった場合、我慢が効かなくなり、その分最後甘くなることは考えられる。

結論


◎ドウデュース
○プラダリア
▲ダノンベルーガ
⭐︎オニャンコポン
△アスクビクターモア
△ジオグリフ
△イクイノックス


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