そんなに珍しくも無いであろう職場の人間関係の話
悪い人では無いのだが、頭の回転が早く、常に正解を豪速球で投げつけるので、ちょっとキツく感じる事がある先輩がいます。
これは私の話です。職場の先輩の話。今となれば理解出来る。畑違いの仕事で右も左も分からない私に仕事を教えるために焦ってたんだと思う。私が出来ない分、結果2人分の仕事をしないとならず大変だったんだと思う。残業をせず、早出をしていたのは、私を定時で帰すためだとわかったのはつい最近。良い先輩です。今は仲良し。良い関係です。
私は、いくつか転職もしているし、すっかり大人だし、まず神経が図太い、そしてずるいので、その先輩上手いことやれているんだと思う。
でも、私より半年後に入った人は先輩と上手く付き合えず、辛そうだった。違う部門なのに長がその先輩となるので余計に大変なのかもしれない。そして、その後に入ってきた人も同様だった。先輩が休みの日には、悪口大会になってるのを知った。まぁ、2人で愚痴を言い合って発散できてるんなら良いかと思い黙っていた。
結果2人で結託してしまったのも裏目に出た部分もあったと思う。時々先輩を鼻をへし折ってやろうとでも思うのか、(私から見たら)うっすら抵抗する時がある。だがしかし、先輩は、いつも通り正論を真っ向から顔面目掛けてド直球で投げつけるので、2人は撃沈し暫く立ち直れない。そして一方的意見で傷を舐め合うので、それも良くなかったのかもしれない。ただ、先輩はわかりやすく簡潔に教えているつもりである。感じ方、受け止め方の違いだと思った。
そんなことを繰り返しているうちに、後から入ってきた方の人が辞めた。もう最後の月は休んでばかりいた。風邪をひいた。頭が痛い。お腹が痛い……と。
どちらも言い分も私には理解出来た。どちらも間違っていないと思った。噛み合わなかった原因は、私には、ただ、本当にお互いの感じ方が違っただけのように思った。上下関係が故に話し合えなかった。
2人が結託していた事はもちろん先輩もわかっていて、もう1人にも辞められたら困るのは周知の事実だから、少し馴染んでくれるかなと期待していたし、実際仲良く話してる事も沢山あった。
でも、先輩もスパルタの手は緩めなかったし、先輩が休みであれば、私は愚痴を聞かない日は無かった。むしろ努力をしている姿を見ているので不憫にさえ思った。なかなか数字になるのに時間が掛かる仕事で、嵩んでいくだけの費用はいつになれば回収出来るんだろうかもわからない状態だったので、立場的に本当に苦しかったと思う。
どちらも、1番近い私にしか話さない葛藤が有り、私も2人の折り合いをつけてあげたかった。叶わなかった。急に辞めた。おかしいなとは思っていたけど、仕事の依頼を調整していた。気づけなかった。びっくりした。普通そんなこと許されないけど、会長のゴリ押しで入社してきた事、引き継ぐ仕事が無かった事により突然辞めていった。結果その人が拡げて行く予定だった事業は撤退することになった。
今、先に辞めた人は実家に帰り休んでいるらしい。後から辞めた人は、スナックのママになった。(なので決して人と馴染みずらい人では無い。)
先輩は今でも言う。「もう少し頑張ってくれたら結果出たかもしれないのに。」 (そんな風に思うなら、頑張れるような言い方してあげれば良かったのに!)言えないけど。
ズバッと言ってくれる先輩のおかげで、スカッとすることいっぱいあるし、言いずらいこと代弁してもらったりもしてるし、しかも間違ってないし! それは先輩のすごく良い所。
でもそのせいで、実際私も沢山傷付いたし、悩んだし、会社で泣いたこともあった。あの時は辛かった。この関係を続けられるとは思って無かった。どうして続けられたのかと言うと冒頭の通り、私が図太くズルいからに過ぎなくて。私の直前の人は1ヶ月で辞めたらしく、原因は察している。
入社する時はさ、どんな人と一緒に仕事するかわかんないもんね。「はい、じゃあ、あなたここ。この人達と一緒ね」って、その人達の情報も無しにチームとなる。
経験のある先輩が舵を取り、新人を教育する。そこしか知らない新卒ならば、それが社会の全てであり、そこに無理をしてでも合わせようとする。新卒でなくても、それがそこの会社のやり方ならばと、今まで確立してきた自分でさえも押し殺して努力をする。下の立場は無理をして上に同調しようとする。
でも、いい所を伸ばすのであれば、上長は「人それぞれ」を理解して欲しい。まず後輩は上に逆らえない。先輩がすることが全て。間違っているなんて思わない。まして新卒ならばなおのこと。「個性」って言うと、才能の事になってしまいがちだけど、各々の感じ方の違いも、個性。
私のように、図太い神経の持ち主も居れば、何を言おうとも押し潰されると感じる人もいる。しかも社会人としてそれは表には出さず多くは我慢を重ねる。巷では、自分では気付かない場合だってあると聞く。先輩はどうしたって先輩であり、偉い(語弊があるけれど)。絶対的な立場にいる場合は、下の人にこそ気を使えたらと思う。「これが俺だ」そんなことがまかり通る時代は終わっている。自分が得意な分野だと思って入社しているのだから、個性を大切にするのは社にとっても有益なこと。それぞれを尊重すべきで、上長に合わせるべきでは無いと思う。長となる人は、思いやりの使い方を考えて欲しい。色んな受け取り方があることをもう少しで理解して欲しい。こんなことが続かない為に……
前のことは知らないが、2人が退職した事を先輩はどう思っているのであろう。彼らのことを気遣う発言もあるけれど、相変わらず「俺は俺」のような気がする。
本当に、悪い人ではないのだけれど……
私は何をすれば良かったのかな……どうしてあげれば良かったかな……私こそ気を使ってあげるべきだったのだろうな…今になって後悔している。間を取り持つのは私しかいなかったし。
ふと、思いだした話。
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