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競走馬の強さを軸にした競馬予想は単勝・複勝を取り入れるべきか

競馬予想のリスクヘッジは「競走馬の強さ」に全乗りしているため、確実性を期待するなら1レースに1頭いるなしの強い馬の単勝・複勝を買うのがセオリーになります。

本当に強い馬は、他より秀でた能力をもとにレース展開や馬場変化など多くのファクターの影響を乗り越える可能性が高いことは統計的に見ても明らかです。

配当のためにリスクを取って強くない馬を買って苦しんでいる人たちは非常に多いのですが、これは何故なのか気になります。一番人気のある3連単は相当なリスクを支払うため無計画に買えば破綻は免れません。

本当の意味で強さに徹底する馬券は意外と面白くないと感じることがあります。配当がシビアですから、必然的に判断もシビアさが求められることになり、自分の実力のなさを痛感しやすいことも目をそらしたくなる要因であるのかもしれません。

ただ、競馬はシステム的に波乱が起こるように設計されているため、堅い馬券でプラス収支を狙うことは相当な困難であることは間違いありません。同じ労力を使うのなら配当アップを期待できる馬券を視野に入れたくなるのは痛いほど分かることです。

どうすれば適切なリスクの範囲内で爆発力のある馬券を買うことができるのか。強さを基準にして穴馬を言い換えるなら、それは好走域が極端に狭いが、特定のシーンにおいて強さを発揮する専門家だと言えるでしょう。

これを見抜くには強い馬の数倍はデータがないと傾向が見えてこない。競走馬はレースをこなすごとに適性を明らかにしていく性質があるので、適性の見え方も緩やかなので穴馬狙いが攻略されてこなかった経緯があります。

実際に統計データを見ると穴馬の出方は変わっておらず、そうカンタンに太刀打ちできるものではないことが分かります。その難題を前提にして馬券をどう立ち回るべきか、人それぞれ意見が分かれるのも当然です。

人気が下がるほどにレース展開や天候などのファクターの影響を受けやすくなるため少しの変化で穴馬の入りは変わってきます。芝レースになると本当にシビアに位置取りまで想定できていないと上手くいかないことが多くなってきました。

今では強さを軸にした競馬予想はやり尽くされたため、皮肉なことに競馬予想のアドバンテージは失われつつあります。30年前なら東西で買えるレースが違っていたことで情報の分断が起きていました。

関東に住んでいるのなら関西のレースは9~11Rにある特別レースだけ買えるという仕様があったのです。つまり、東西で情報の分断があり、これを上手く統合できる人であれば競馬予想のアドバンテージを築くことができました。

インターネットが登場してからはデータの不備がなくなったことで、隠れた実力馬を探すムーブが流行りました。この時代は競馬予想力を最大限に生かすことができた時代だと思います。

最近はJRA-VANを利用するのが普通になり、利用しなければ不利になるというのが今の状況です。利用しなければ回収率75%から上に行けないけど、利用すれば85%になる可能性がでてくる。

今ではJRA-VANもやり尽くされた感があり、JRAのデータをもとにしても手のひらで踊らされている感が強くなってきました。最近は、芝もダートもフラットな馬場を造っている意図的な介入があります。

この影響は強い馬にとって能力を発揮しやすい土壌ですが、大して強くない馬たちにはマイナスに作用しています。計画的な馬場造園はデータの連続性を失わせることになったからです。

これは意図的に行われている可能性も否定できません。これは、近5走を重視する競馬予想にとってマイナスに働きます。近5走から生じるストーリーが現実とは乖離している可能性が高くなったわけですから、これに気づかない人は回収率を落としているかもしれません。

いまJRA-VANに月額5000円を支払って十分なデータ分析してもわかることは強い馬は強く、堅いレースは堅いというだけ。そう、大して強くない馬の激走を見抜く方法は現実的にはないのです。

では、適切なリスク内で最大限に配当アップする馬券の買い方はどうすれば達成できるのか。それは、結局のところ本質的なスキルが必要になるという原点に立ち戻ることになります。

つまり、データ分析のプロに協力してもらう、競走馬えらびのプロである博労に協力してもらう、ほとんどの人間がマイナスの影響を受ける心理的な影響の克服に力を入れる。

こうした確実なアドバンテージを導入すれば長期的には、そのアドバンテージの上積みを得ることができるという考え方をするしかないのです。巧みな予想で好配当を得るという図式はもう古いのですが、そう考えている人はあまりいないでしょう。だから、チャンスがあるとも言えるのです。

その発想をしたからこそ1億以上を投じてURA競馬新聞にあるツールを開発してきました。JRAの手のひらで踊らされないためにはどうあるべきなのか。腰をすえて15年以上も拡張を続けてきたので、よく分からない人には奇妙に見えるかもしれません。

競馬に限らず投資などの勝ち人を研究して、その手法の論理を明らかにして導入するということを続けてきました。それでも強くない馬の好走をストーリー仕立てで語れることは多くありません。

AI将棋でもAIにしか分からない、人間の身では説明できない最善手があるように、感覚と経験で処理する世界が強くない馬の世界なのです。それが気に食わなくても好配当を得るためには適切なリスクを取りつつ経験を積んでいくしかないのです。

短期的には愚かに見えても長期的には正解ということもあります。日本の競馬はよく変化するよう設計されているため、なるべく現実と乖離しない指数を作るだけでも相当に骨の折れる作業になります。

アメリカのように序盤からトップスピードで生き残った馬が強いという定義がされているなら現実と指数がリンクしやすいのですが、日本競馬の発想は全くの逆です。

その点で日本馬は強さの定義が不明瞭なので結果論でレースを語りがちです。これは競馬予想ではマイナスに作用しがちな悪習なのですが染まらない人はいません。レース結果を見て、この馬は強いという単純な見方をしているうちはレース価値を正しく見通すことも困難になります。

どちらかと言えば本当に強いのか疑ってみる方が価値があります。コースレコードを記録した馬が名馬ではないように見た目とおりの価値を有しているとは限らないからです。とはいえ、それを裏付けるにはデータ分析家としての高い知識と経験が必要になるでしょう。

短期的なリターンを期待しているのに単勝や複勝に目を向けないのは可笑しな話ではないでしょうか。なぜかハイリスクな3連単をよく買う人は論理的な矛盾に目を向けることで回収率が改善する可能性があります。資金力がありすぎて3連単を主戦場にするしかないケース以外ではよくよく考えてみる価値はあるでしょう。


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