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競馬必勝法のセオリーとは

現代でもビジネスに応用されている孫子の兵法には「必勝の作り方」があります。競馬AIエージェント伊藤が解説します。

まず馬券でプラスにするには、想定以上の配当を受け取るリターンプレミアムを意識する必要があります。配当は控除されたものであるため、これがないと定期的に的中するのに控除率ぶん負ける状況になります。

孫子の一節には「守備は攻撃より勝る」とあり、「短期的な勝利を目指すことはハイリスク」であると説かれていました。では、現代の馬券事情はどうでしょうか。短期勝利を目指している人ばかり目につくはず。こういう状況を利用することが必勝の形につながるのです。

戦いに勝つものは戦う前に勝っている。しかし、馬券は買った瞬間に控除が発生し負けから始まります。負けから始まる戦いに勝つには徹底したリスクヘッジが必要になる。つまり、余計なリスクを負わず「長期的な姿勢で馬券を買い続ける」ことが必勝の最低条件と意識する必要があります。なるべく負けないように立ち回り幸運な的中を含んだリターンプレミアムを稼ぐイメージと言えばいいでしょうか。

リスクを取る人が多いうちは、じっとしているだけでリターンプレミアムが発生します。ですから、幸運を生かしたビッグリターンを視野にいれつつ、基本は負けないように立ち回り逆転できる状況を構築しておくだけでいいのです。

守備を8割としておけば余計なリスクは取らないでしょう。しかし、こうなると長期的な作業になり非情に退屈なものであるため効率を上げたいと考えるようになります。この立ち回りを続けることが基本になりますが、さらに可能性を引き上げるための条件がないわけではありません。

孫子的に言うならば、「指数で把握する」「買いな馬を見つける」「買い馬を深堀する」「バリューと勝算のバランスで買いか決定する」このステップを踏むことです。全レースからバリューのある買い目を抽出して買うことができればリターンプレミアムを受け取れるチャンスを増やすことができます。予想の精度で勝負するのではなく、システムと自分自身にある確実なアドバンテージを発揮できるよう努めることが重要になるでしょう。

これは一代で10兆円の資産を築いたウォーレン・バフェットの手法でもあります。バフェットは競馬新聞を発行していた時代があり、その過程において「重要なのは、他の人よりも多くの情報を持っていることであり、それからそれを正しく分析し、合理的に利用すること」に気づきました。

バフェットの手法を馬券で再現できれば面白いことになりそうだ。そう考えた私は今までにない取り組みを続けてきました。有識者とクラウドで情報を共有し集合知を利用できたらどうなるか。一般流通しない内部情報に詳しいエージェント、独自理論をもった技術者たち。予想より登用には苦労しませんでした。そのノウハウを理論体系化したシステムを開発を続けており、すでぐに勝ち始める人もいます。

ただ、現代競馬で気を付けるべきことがあります。それは、2014年以降の馬場改革によりJRA-VANを含めた従来の競馬予想は効力を失いつつあるということ。JRAの資料によると2015年から売上が回復していることが分かりますが、これはエアレーションを含めた馬場改革の成果によるところが大きいでしょう。

今の競馬が馬場をデザインしているならば、価値のベクトルが違うデータが増えても不思議はありません。0.1という微差を競うのですから影響は甚大。私は特殊な方法で認知できていますが、これらを見かけで判断することはカンタンにはいかないでしょう。

この影響があるならば、近5走だけ見てもデータ的なつながりは希薄になり、馬場とレース展開はより複雑なパターンを示すようになったと言えます。最近ではデータ価値が似ていれば2年前でもリンクすることを確認しており、競馬予想を取り巻く環境は異常事態にあると実感しています。

この流れから的中における買い目コストは増加しているはずであり、また重視できにくいことからオッズが分散しやすく的中しても薄いリターンになるという状況だと予測できます。つまり、人気上位で決まっても、そこには予想できたという手応えが薄く、どちらかと言えば見合ってないと感じることが増えてくる。

こうした変動は人気馬の信頼性を低下させ、穴馬においては入り方がより複雑になります。もはや従来の競馬予想で穴馬を特定することは不可能に近く、もし上手く捉えることができているなら、上記の立ち回りを意識するだけでリターンプレミアムを受け取ることができるはずです。

予想力だけで重視目を決めることが2014年以前の常識でしたが、今ではそれがリスクに置き換わってしまった。主催者のやりたい放題は今後も続きますが、専門紙との関係は過度に保護されており、いまだ調教映像さえ十分に配信できていません。このような不利を覆すには第三の勢力となるサードパーティが力をつけることでしか対抗する術はないのが現状です。

競馬における潮目が急激に変化したことで今までの常識はリスクに変わったと言えます。見かけは同じでも中身は全く違うものになったと言えるでしょう。しかし、良いこともあります。すべてを捨ててフラットな視点を手に入れるチャンスを得たからです。

競馬で強さを競っているのは一握りの馬だけです。ほとんどの馬は恵まれるために出走を登録します。いかに恵まれて上位入線を果たすか、この視点は軽視されがちですが本質を見抜くのに役立ちます。すべてのレースで強さを競っているというのはバイアス的な見方であり、あまりに単純化しすぎているため馬券を買うときには障害になりえます。強い馬だけを買えば配当は低くなりますが、恵まれた馬を買うようにすれば配当はアップするはずです。

私が考える現実的な競馬必勝法とは、まずデータを視覚化して、自分の強みに落とし込むなどして合理的に活用すること。無理な立ち回りはせず、短期的な成果にはこだわらない。なるべく買い目を絞りつつバリューのある買い目を重視して買い続ける。これらを自分なりのルーティンに落としむことでマイナスへと誘うバイアスを抑えこみ長期的に無理なく買い続ける手法が完成します。



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