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フラッシュバック 短歌12首

沖をゆくホバークラフト地上ではたくさんの蟻にお菓子を運ばせた
信じなくてもいいんだけどPARTNERって名前のタバコがあったんだよ
眠るならこれもってけよ 桃 それで、結局五時くらいまで起きてて眺めた
その役はごめんだ鷹はむきだしの急降下をしてサイレンは鳴る
ありえないグラスホッパー手の中に隠して帰った 太陽の数だけ
天啓のように天啓は対価を発生させながら濡れた床を拭き払わせる
マイルドに言って地獄に堕ちるべきキャッシュクリアすればいいだけなので
そうであると気づかないまま聞かされるあわれやさしきパンチラインを
混濁の手前で吐きし朱の縞もしくは詩になりそこなった海老
洗面ボウルに何かが落ちた音がして理解よりも早く暴力はふるわれている
中高生ってまとめるときの六年を、生きていたって死んでいたって
もう行っていいよ冬が近くて道幅が広くてだいぶ寂しいだけだから


初出 2022年10月 ネットプリント

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