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冬ならば 短歌6首連作

結晶のつよさとよわさ凍土には孤独な者しか立ってはいけない
流氷を砕くこころの弱さにはつけこむ古き生き物の性
晴れたならこころしてゆく守るべきものは何かと問いかけながら
いちめんの雪野原にただ鈍色の空を映してみどりの影よ
黄金の手足であれば守るべき価値はあったと笑ってあげる
    *
春ならば水にたゆたう質量のありかとして アンタークチサイト


市川春子『宝石の国』 アンタークチサイトさんへ寄せて

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