(稼働)眠たい時に打つと負ける。

昨日パチスロで勝った興奮が冷めやらぬまま、と言うか実際冷めなかったので眠らなかった。
気付けば窓から日が差していた、パチ屋が大口を開けて我々を呑み込もうとする時間である。

ところで、俺にはジンクスがある。
それは“寝ないでパチ屋に行くと負ける”というものだ。

そんなジンクスを作るからいけないんだ、ならば行かなきゃ良いじゃないか......なんて声が聞こえそうだが、敗北をそのジンクスの所為には出来ても、ジンクスの為にパチ屋に行かないと言う選択肢を選べないのが俺である。
と言うか、それが出来るんならとっくの昔にパチンコなんか辞めている。

眠たいまなこを擦りながらパチ屋へ。
手持ちは昨日の勝ちのお陰で2万程あるので、ちょっとばかし胸を張って肩で風を切れるくらいの余裕がある。

1パチで1000円程使った後10スロへ。
中々引けないボーナスに苦戦しつつも何とか出玉の取っ掛かりを掴めた......と思ったら、掴んだ場所が脆くなっていたので別の場所を探すも、そこも脆くなっていて......を繰り返すうち、手持ちが8000円になっていた。

8000円。
いつも1パチで打つ時3000円を持っていくので、戦える金額。
しかし、元は2万円だったので半身を失った様な心持ち。

見切りをつけて別の店に向かう。
眼前に聳える敗北に対する焦りの為に目は冴えてギラギラとしているが、胸を張れる程の余裕は無いので背中を丸めて歩いた。

店に着く。
普段なら速攻で20スロに行き、するすると1000円札を呑ませて行くのだが、今回は出来るだけ何事も無く負けるのは阻止したかったし、出来るだけ冷静なフリをしたかったので1パチコーナーを回ってから20スロに行った。
ジャグラー、ジャグラー、ハナハナに1000円ずつ、計3000円を使った所で延命に舵を切り、1パチに向かった。

真花月ライトで3000円を使い、遊タイムに突入させて単発。
連チャンしないパチンコなんてのは醍醐味ゼロも甚だしい。
炭酸と甘味が抜けたコーラと同義である。

残り2000円は1パチでも当たりを取れるかどうか分からない額なので、ドカンと散らす方に舵を切った。

20スロのゴーゴージャグラー2を打つと、1000円で光りビッグ、100ゲームでビッグ。
脳に歓喜の汁が滲み出し、世界は希望の光で満たされている様な気分になる。
そのままの勢いで色んな台を乱れ打ちしていく。
気付けば何事も無く、何もかも無くなった。

最後は1000円で1パチのパワフル2018を打って当たらず終了。
世界は閉じている、暗澹の世であると呪詛の言葉を唱えた。

家に帰ってスマホを弄っている時、唐突に寿司が食べたくなった。
財布の中身を残しておけば帰りに食べられた事実に気付いて切なくなってしまったので、夢に逃げる様にして寝た。

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