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この落書きは消せない

#日本一小さな百貨店の物語

お店の奥の方はコミュニティスペースで子供たちが遊べるようにクッションのジョイントマットを敷いている。
始めはきれいなのだけど、子供たちが遊んでいるうちに必ず落書きで汚れてくる。
最初はえんぴつ、そのうちクレヨン、それからマジック。気づいた頃には落ちない色があちこちに。
子供たちはマットにいたずらで落書きするつもりはなくて、紙に夢中になってお絵描きしてるうちに、ついついピッとはみ出してしまうのだ。
悪気はないし、小さな子供のやることだから、

「お絵描きしてもいいけど、新聞敷いてマット汚さないように気つけてえよ。」

と注意するぐらい。
まあ、子供コーナーのジョイントマットはいずれ汚されていく運命にあるのだと半ば諦めている。
それがこの前の土曜日、うちの子がジョイントマットに針でブシブシと穴を開けて遊んでる。

「やめてくれー。」

落書きの汚れはまだ拭いて多少は消せるのに、穴開けられたら消せないやんか。
なんでそんなことすんねん、と注意してそのときはやめさせた。
子供のやることはわからない。
クッションに針を刺す感触がなんとなく気持ちよくてやめられない気持ちはわからないでもない。
それでもそんなことしたら怒られること、わからんかなぁと思ってしまう。

で、今日の朝。
なにげにマットに目をやるとなにやら模様が。

よくよく目を凝らして見たら、なんだか半ズボンでニコニコ顔の男の子が浮かび上がってきた。

これを描いてたんかい!

拭いても消せない落書きの完成。
お父さん的には浮かび上がる男の子の絵にちょっとうけてしまったのだけど、お母さんはきっと許してくれないだろう。

#男の子って #子育て #小学男子

京都北部の山あいの小さな集落にただ1軒の小さな百貨店から田舎の日常を書いています。子供達に豊かな未来を残すためにサポートよろしくお願いします!