【子育て】ピザ作りと子育ての関係
丹後の海の近く、抜群においしいピザ屋さんがある。
本場ナポリのピザ職人世界大会で2位になった藤原さんが作るピッツァは唸るほどおいしい。
生地をこねて、丸く薄くのばす。
ソースを塗り、丹後の新鮮な食材をのせる。
チーズをかけ、薪と石窯のオーブンに入れる。
焼き上がりをドキドキして待つ。
絶妙に焼きあがったピッツァ!
おいしいものを食べられるほどシアワセなことはない。
でも、今日はピザのお話じゃなくて子育てのお話。
ピザ作りと子育てがどう関係あるの?
ずばり、ようせいを育てるとき、ピザ作りをイメージしているのです。
私がなぜピザ作りと子育てが似てると思うようになったかというと、5歳まではとにかく息子の頭の伸びしろを広げてあげることだけに専念しようと思ったことが始まり。
小さな子供の脳みそは大人にはない無限の可能性を持っている。でもまだまだ柔らかでちっちゃな脳みそ。
小さなうちは、無理やり知識や学習をギュウギュウ詰め込むよりも、まだ何も書き込まれていない真っ白なやわらか頭を大きく広げてあげることだけに注力してみたい。
大きく硬くなってからではけっして広がらない子供の脳の伸びしろ。
偏らないようにまんべんなく、まあるく広く大きく延ばしてあげたい。
「あれ? これって何かに似てない?」
そう、めん棒でピザ生地を縦横にギュッ、ギュッって広げていくイメージ。
そこで思いついた。
「ピザを作るように子育てをイメージしてみよう!」
って。
子供の脳の伸びしろをめん棒で縦横にギュッ、ギュッって広げるイメージ。
縦に長く広がり過ぎたら、今度は横にも広げてあげる。破れないように、均等に、なるべく、まあるく大きな生地になるように。
そして、脳の縦横の伸びしろでイメージしたのは喜怒哀楽。
じつは前からずっと、この喜怒哀楽って疑問だった。喜び、怒り、哀しみ、楽しみの4つが本当に人の感情のすべてを表しているのかな?って。
喜びと楽しみってなんとなくかぶっているような気がするし、悲しみじゃなく、なんで哀しみなんだろう? とか。
それである時、自分なりに喜怒哀楽の解釈を導き出してみた。
喜怒哀楽は結局、人の脳の伸びしろの4象限を表すものなのだと。
脳の座標軸のx軸とy軸で分けられた4つの領域。「喜怒」は左脳のプラスとマイナス、「哀楽」は右脳のマイナスとプラス、それぞれの感情領域を表しているとすれば、かぶることなく、漏らすことなく、人間の脳の全領域をイメージして延ばしてあげることができるはず。
このアイデアを思いついてからは、叱るときも、一緒に遊ぶときも、お話を聞いてあげるときも、右脳、左脳どちらをプラスとマイナスどちらに刺激しているか?を常に意識するようにしている。
ポイントは、プラスにだけ伸びしろを延ばすのじゃなくて、マイナスにも延ばすことを意識すること。つまり、いつもニコニコ楽しいことばかりじゃなくて、ときには思いっきり泣いたり、悲しいこともちゃんと経験させてあげたいと思っている。
だって、長い人生、楽しいことばかりじゃないから。大きくなって、辛い体験でも乗り越えられるように、マイナスの伸びしろも思いっきり広げておいてあげたい。
感情的にも、理性的にも、いいことも、いやなことも、これから経験するどんな大きな出来事も小さな出来事も、全部受け止められるように頭の伸びしろを丁寧に延ばして真っ白い大きな生地に仕上げてあげたい。
破れないように慎重に気を付けて。でも時には空中に放り投げてみたり?
子育てだって、時には大胆さも必要なもの。落ちてきた生地はしっかり受け止めて、もう一度、空中高く放り投げる。大きく、まあるいピザ生地が完成するように。
時には慎重に、時には大胆に、大きくまあるい生地ができあがったら、ベースになるソースをまんべんなく塗ってあげよう。
美味しいソースは学校での勉強や家でのしつけ。大きく広がった子供の伸びしろに合わせて大きく塗ってあげなくちゃいけない。塗り過ぎには注意して。ソースの味ばっかりのピザになったら美味しくないから。素材の味を活かすように、ソースは薄く、広く生地をはみ出さないように。
それから次はお楽しみのトッピング。大きな生地をキャンバスに、自由で色々な味を楽しめるのがピザの醍醐味!
子育てのピザ作りでも、いろいろなコンテンツを子供の生地に散りばめてあげよう。シンプルなトマトだけのピザもいいけれど、やっぱりにぎやかで色とりどりのピザに憧れる。学校の勉強だけでなく、いろいろな経験を乗せてあげたい。本を読んだり、映画を観たり、絵を描いたり、旅に出たり。ひとつひとつの経験が、魅力的なトッピングになる。
さて、最後に肝心のチーズってなんだろう?子供の成長にとってなくてはならない大切なもの。うーん、それはきっと友達。溶けて、絡みついて、ときには面倒くさいこともあるけれど、やっぱり切り離せない大切な要素。友達のいない人生なんて、チーズのないピザみたいなもの。
さあ、生地から作った手作りのピザ。大きくまあるい生地の上に、まんべんなく薄くソースを塗ったら、色とりどりのトッピングを散りばめて、最後にチーズをたっぷりかけたら、準備OK! あとは熱く燃える人生のピザ窯の中に入れて、焼きあがるのを待つだけ。
美味しいピザに仕上がるかどうかは神のみぞ知る……。
京都北部の山あいの小さな集落にただ1軒の小さな百貨店から田舎の日常を書いています。子供達に豊かな未来を残すためにサポートよろしくお願いします!