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【悩んだらこれ!】がん副作用書籍3選

はじめまして、薬局薬剤師のおはなです。
今回は外来がん治療認定薬剤師(APACC)試験対策で役に立った本を紹介します。
『なにか有害事象対策の本が欲しい』
『現場で支持療法提案で悩んでいる』
などお困りの方は是非ご一読ください。

特に「がん薬物療法の支持療法マニュアル」は日本臨床腫瘍薬学会(JASPO)が主催する病院研修で何度も使用しました。
JASPOの先生が監修する本なのでAPACCおよび外来がん治療専門薬剤師(BPACC)を目指す先生は是非手に取ってください!

オススメ本3選

  1. フローチャート抗がん薬副作用-対応の流れと治療のポイントがわかる-

  2.  がん化学療法副作用対策ハンドブック第3版

  3.  がん薬物療法の支持療法マニュアル


1. フローチャート抗がん薬副作用-対応の流れと治療のポイントがわかる-

対象者:初学者向け
読みやすさ★★★
使いやすさ:★★☆

【特徴】

タイトル通り抗がん薬による副作用対策がフローチャート形式で記載されています。また、副作用の項目ごとに重症度評価(=CTCAE)方法が記載されているので見開き1ページでパッとどうすればいいのか判断しやすいのが
特徴的です。

また、『Case Study』という模擬症例紹介が各項に記載されています。
この項目は模擬症例で対応を学ぶだけでなく、
「自分ならこの症例に当たった時にどう対応するだろう」
と臨床力をつけることができます。


抗がん剤治療の勉強を始めたばかりの方はガイドライン等を見ても
「結局はどうすればいいの!」となってしまいがちです。
そのような方が手に取る1冊目には打って付けの書籍です!!

唯一の欠点はA4サイズのため白衣のポケットに入らないことです。
自分のロッカーや専用かごがあればいいですが、そうでないと仕事中に急に確認するのはむずかしいかもしれません。


2. がん化学療法副作用対策ハンドブック第3版

対象者:初学者~中級者向け
読みやすさ★★★
使いやすさ:★★☆

【特徴】

副作用の発現機序・定義はもちろんのこと、発現時期・発現期間と症状
について図表付きで記載
されています。文書だけでなく絵で覚えられるため試験対策にもってこいの本です。また、B5サイズなのでぎりぎり白衣のポケットに入れられるのもポイントが高いです。

また、各薬剤・レジメン毎の起こりやすい有害事象や好発時期が表で記載されてるのでアフターフォローでも役に立ちます。好発時期に合わせたアフターフォローを行うことができれば有害事象の早期発見・早期対応が行えます。

蛇足ですが、店舗にこの本を置いとくと研修で来る学生さんがよく調べものに使っています。感想を聞くと
「副作用の起こる理由やどの薬で副作用が起こるかわかるので勉強になる」
とのことです。ですので、
『持ち運べて試験対策+現場で使える比較的簡単な本』を希望する方にはこの本がおすすめです。


3. がん薬物療法の支持療法マニュアル

対象者:中級者~上級者向け
読みやすさ★★★
使いやすさ:★★★

【特徴】

JASPO病院研修で何度もお世話になった私一押しの書籍です!なによりB5サイズでポケットに入る&ほかの書籍より安いのがまた素晴らしい!

今まで『患者に起きているのは薬の副作用?それとも別の原因かも?』
と悩んだ経験はないでしょうか。この本なら薬の副作用を疑ったときにまず除外すべき要因・病歴・鑑別に有用な検査が詳細に記載されています。
他職種連携を行う機会が多い先生には打って付けの本です。

また、標準的な治療方法(支持療法)の出典元が詳細に記載されています。
なので後から細かい範囲まで勉強しなおそうとしたときに便利です。

有害事象評価だけでなくKhorana Score(血栓リスク評価)等
有害事象のリスク評価が記載されており試験前の見直しが捗りました。

欠点を上げるなら、初学者の方には難しすぎるかもしれない点です。
理由は以下の2点です。
①先に紹介した2冊に比べてイラストが少ない
②情報量が多く、『わからないことがわからない』状態では必要な情報を読み取るのに時間がかかりやすい
ですので、JASPOのエッセンシャルセミナー受講者、すでに学習を進めている中級者以上の方をお勧め対象としました。


終わりに

以上が私のお勧めする有害事象対策におすすめの書籍3冊です。
どの本にも利点欠点は必ずあります。ですので以上の特徴の中から自分に合っているなと感じていただけた本を購入することをお勧めします。
どうしても決められない方は文頭でもおすすめした通り病院研修でも力を発揮した「がん薬物療法の支持療法マニュアル」をお勧めします。

今回の内容は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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