大学時代の会報を読んで

大学時代に自分が書いた会報の記事を読んでいる。
若かったな〜と思う反面、本当に真面目でこんな志があったんだ、と思う。
2018年6月1日発行会報(http://kaihou.gaigokai.or.jp/143/tokushuu.html)の
『SB研究会』という題名の記事の中にこんな文章があった。

社会的企業が増えることを願って
私は現代を、「金・モノの幸せから脱却する枢軸時代」と捉えています。戦後、日本は欧米にキャッチアップするために飛躍的な経済成長を遂げ、物質的に素晴らしく豊かになることができました。TOYOTAやPanasonic、SONYなど多くの企業が海外に進出し、人々に恩恵を与えました。私も海外に行く度に「日本のブランドは素晴らしい」と感謝され、先人の功績には頭を下げても下げきらない思いです。この国に生まれて本当に幸せだと思っております。しかし同時に、人との繋がりを失ったのも事実です。例えば都心では、安く、便利な公営住宅に住めるようになりましたが、古き良きご近所との関係を失い、また田舎に行けば、素晴らしい農家がたくさんあるのに、所得がJAの基準に満たなければ正式に農家として認められず、新しい農場に農薬を散布して、より多くの作物を収穫して所得向上を図らざるを得ない実態があります。これらの仕組みの多くは、戦後のキャッチアップ時代に作られたものでありますが、現代に適合しているかどうかは定かではありません。
私は人間の幸せは、「物質的に足ること」と「精神的に足ること」の両方が充実することで満たされると思っております。これを可能にするのが社会貢献性の高い事業を持つ社会的企業であり、この事業をより多くの若者に知ってもらいたいと考えています。東京外大Social Business研究会を通して、日本・海外で展開する社会的企業を学生に紹介し、就職先の一つの選択肢として考えてもらうことができれば幸いです。現在設立して約1年ちょっとですが、より多くの方に知っていただけるよう、今後も精力的に活動する所存です。 

なんて志高い少年なんだ、と思った。色々知見を深めた上で、精力的に活動しているように見える。ただ瞑想を極めた今、この時の自分の頭の中を思い出すと、「妄想だらけ」だったと思う。「社会がこうだったらいいな」、
「こんな社会を作ってやる」。いつも頭の中で色々な絵を描いて、それを叶えるために現状を余すことなく批判し、より良い世界を目指す。そんな自分だった。

今はどう思う?この世界には不条理なことはたくさんある。今までそれを全て突っぱねて、変えようとしていたし、変えれると思っていたけれど、世界を変えることはできない。だから、どんな不条理も受け入れよう。それに、この世界は、変える必要のないくらい美しいのだから。

そう、感じている。

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