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性癖歪むど!?と思った話

昨年10月、知人に誘われて人生で初めてプロレスを観に行った。

観に行ったのは新日本プロレス開催の「G1 CLIMAX」という大会。
ざっくり言うと「年一回、新日のヘビー級レスラーの中で一番強い人を決めるリーグ戦」であり、全国各地で試合が行われ、
仙台でも僕の地元にあるゼビオアリーナという馬鹿デカスタジアムで試合が行われることになったのでそれを観に行くことに。
今更だけど初めて観る試合がこんな豪華な試合で良かったんだろうか、変に眼が肥える気がする。


知人に取ってもらった席はスタジアム中央のリングから離れた2階席、選手は結構小さく見えた。
曰く、試合自体は天井のモニターから確認出来るし全体を俯瞰して観れるから初めて観る席としてはこの場所が良いらしい。
席に着き、会場で流れる真壁刀義選手によるプロレス講座ムービーを眺めて事前知識をつけたところで間も無く試合が始まった。


新人レスラー藤田晃生選手とジュニアヘビー級レスラー・高橋ヒロム選手の試合、内藤哲也選手欠場による飯伏幸太選手と小島聡選手による特別試合を経てリーグ戦が開始。
このリーグ戦である第一試合「石井智宏選手VS高橋裕二郎選手」の対戦カード、この試合が印象的だった。

かたや、「いかつい」という表現がここまでしっくり来る人そういないだろという強面、かつどっしりとした体格で相手の技を一つ一つ受けてはしっかり返す、小細工のないパワーファイトを魅せる石井選手。
かたや、全身黒ずくめにハットとサングラス、片手にはステッキ、横には黒仮面のバニーガール、手に噛み付く等のラフファイトという、いかにもなヒールの振る舞いをしつつそれに頼りきらないパフォーマンスを魅せる高橋選手。
どちらの選手も対照的ながらも魅力的なファイトスタイルで、一対一の個性がぶつかり合うその姿に思わず目を奪われていた。

2人の試合だけでも十分印象的だったけど、この試合において、もう一つ目を奪われることがあった。

この試合において、高橋裕二郎選手が隣で侍らせていた黒仮面装備のバニーガール(こういう女性のことを「ディーバ」と言うらしい)こと、ピーターさんである。

このピーターさんなのだが、2階席の遠目からでもしっかりと分かるくらいに…

プリケツだったのだ。

もう一回言う。

プリケツだったのだ。

もうね、遠巻きに眺めてるだけでもわかるくらいハッキリとプリケツだった。
高橋選手と一緒に出てきた瞬間、プリケツとわかるくらいプリケツだった。
あんまりプリケツ連呼すると失礼な気もするのでこのくらいにしておく。あとスタイルがめっちゃ良かった。

とにかく目を引くスタイルとヒップに目を奪われつつも、そこは切り替えて試合を観ようと気持ちを切り替えたところで、僕はあることに気づいた。

一階席のリング周辺の席に、小学生くらいの男の子が座っていたのだ。


ここで、ピーターさんの見た目についてもう少し詳細に説明しておく。

頭はバニーガールを意識した耳付きの目元にラメの入った黒仮面。
服装はボンテージか攻め切った水着かといった具合の黒を基調としたセクシーウェア、加えて前述の抜群なスタイル、足も細い。
肌はヒールの象徴とも言える黒を際立たせるかのような健康的な褐色。
そして何度も繰り返し述べるが、思わず目を奪われるプリケツ…。



いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや
歪む歪む歪む歪む歪む歪む歪む歪む歪む歪む歪む歪む歪む歪む歪む歪む歪む



バニー+仮面+ボンテージ+ボンキュッボン+褐色+ヒール+プリケツって。
まとまって一個の個性っぽくもあるけど冷静に考えると何なんだコレ、てんこ盛りすぎる。
漫画のキャラクターでもあんまりこんなんせんぞ。

そんな大盛りてんこ盛りなパーソンをまだ年端もいかない子供の前に置くだなんて。
そんな、コロコロコミック購読世代にヤングアニマルを読ませるような真似をするなんて。その子の未来の癖(へき)が決まっちゃうって。

絶対その日試合が終わって家に帰ってから、窓の外の月を眺めながら試合会場で見たウサギの姿に想いを馳せるって。たぶんそのウサギは月にはいないけども。


なんならその試合中もリング外から応援していたピーターさんは、高橋選手が技を決めるたびに歓喜のあまりピョンピョンと飛び跳ねていた訳で。
つまり飛び跳ねるたびにプリケツも帯同してピョンピョン飛び跳ねる訳で。



だーかーらー。
何かが始まっちゃうってー。


坊やー。
大丈夫かー。

今君の中で、何かが幕開けしてないかー。
おいー。





などということを、試合中ずっと考えていた。


結論から言うとG1 CLIMAXという大会も楽しかったし、エンタメとしてもスポーツとしてもめちゃくちゃ優れたプロレスというものに初めてちゃんと触れられたいい機会だったと思う。
先程挙げた2人の戦いも、半年以上経った今でも鮮烈に僕の頭の中に残っている。


だが、それとはまた別の頭のフォルダには、その日初めて観たピーターさんの揺れるヒップと、そのヒップをもっと近い距離で焼き付けることになったどこぞの小学生の記憶がくっきりと残されているのだった。



どうか、あの小学生が元気に真っ直ぐに成長してくれることを願う。

それが無理なら、あの子が大人になった時、褐色スタイル抜群プリケツバニーな女性と巡り合えることを切に願う。


ちなみにピーターさん、調べてみたらストレッチトレーナーのお仕事もしているらしい。
そりゃあの素晴らしいスタイルにもなるわ。


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