見出し画像

【シン・ウルトラマン考察】ゾーフィとメフィラスだけは知っている?!地球に遺された生物兵器は”誰が”遺したのか?


どーも。ばぁどです。
シン・ウルトラマン公開から1ヶ月が経とうとしており、紆余曲折を経て七回目の鑑賞をしてまいりました。
今回はシン・ウルトラマン内で回収されなかった伏線に対しての考察を行なっていきます。

地球に放置された”禍威獣”は誰が遺したのか?という明かされなかった謎

シン・ウルトラマン内で満足に回収されていない伏線がいくつかあります。
そのうちの一つが「誰が”禍威獣”を地球に遺したのか?」というお話です。

劇中、船縁と滝の間で「パゴス、ネロンガ、ガボラは首からしたのパーツはアタッチメントのように取り替えが可能のような存在であった」という意味の会話がありました。
これはパゴス、ネロンガ、ガボラの原点がスーツの改造によりできたという裏話を持ってきただけとも捉えることができますが、確かにゴメス、マンモスフラワー、ペギラの系譜の怪獣は個性がありました。
しかし、パゴス以降出現した禍威獣は、まるでタイプチェンジをして適時状況や戦略に応じて送り込めるような禍威獣となっていました。
この船縁と滝の会話に関しては、特にそれ以降シン・ウルトラマン内で言及されることなく、作品内でひっそりと潜ませてある伏線の一つとなっています。

また禍威獣の確信に迫るやりとりとして、神永とメフィラスも生物兵器について言及しています。
神永が劇中で言及している通り、元からメフィラスが来る前に地球には”生物兵器”として禍威獣が残されていたそうです。メフィラスは、その地球に存在していた”生物兵器”を利用したに過ぎず、メフィラスは直接の関与は否定しており、それらの地球に残された”生物兵器”は地球人類の「環境破壊」が原因だと言及しております。
この”禍威獣”の復活に関して、メフィラスが本当に関与していないのかどうかは、メフィラスが口八丁なだけであり、真偽は非常に疑わしい部分です。しかし環境破壊や気候変動などは、現在人類が直面している課題の一つであり、そういった環境の劇的な変化が生物兵器である”禍威獣”を呼び起こしてしまった原因となるのは、納得のいく理由だと筆者は考えております。

また、その後の神永は「この星に遺された”生物兵器”」と話しており、”何者かが地球に遺した”と受け取ることができる発言をしておりました。

https://www.youtube.com/watch?v=MXSEWBZypt8より引用

シン・ウルトラマンのデザインワークスのメモ書きに記載があったのですが、今回のシン・ウルトラマンを構想する際に思案した案として、惑星間戦争における使用武器として”生物兵器のみ”が使用できるという、戦争のルールが惑星間で結ばれているようです。
人類同士の戦争でも病院を攻撃しないとか、攻撃して良いのは軍関連の施設のみなどのルールがあるように、惑星間でもお互いの種族が完全に滅びないように、一定の戦争のルールを設けているそうです。その惑星間の戦争ルールに則って作成されたのが、地球に眠っていた”禍威獣”である、というのがデザインワークスから読み取れるお話。

これらのデザインワークスの話を骨子とすると、地球に眠っていた”生物兵器”は、惑星間戦争のために何者かが創造し、地球に遺していたことがわかります。

”誰が”生物兵器を遺したのか?ゾーフィとメフィラスだけが知っている”真実”

地球に眠っていた”生物兵器”は「地球に放置されたもの」というのは、シン・ウルトラマン劇中で神永の口から言及されています。
では、この”生物兵器”は誰が地球に遺したのでしょうか?

シン・ウルトラマン劇中で、その”者”たちを知っているような素振りをしているキャラクターがいました。
それがゾーフィとメフィラスです。

シン・ウルトラマン内で登場するゾーフィを含む外星人は独特の単語で我々地球人を表現していました。

外星人2号であるザラブは、我々地球人のことを”ホモ・サピエンス”だと表現しています。
ホモサピエンスは、人類の学名であり正式名称で表現したいというザラブの思惑もあるのかもしれません。
一方でホモ・サピエンスには”賢い人類”という意味があり、圧倒的に科学力が劣っている地球人類に対してわざわざ”賢い”という単語を使っているような皮肉の意味を込めているような気もしてしまいます。

しかし、注目したいのはザラブではなく、メフィラス及びゾーフィが使用している”現生人類”という表現です。
”現生人類”という単語には下記のような意味が含まれています


今日,地球上に住む人類およびその類縁のものをいい,ホモ・サピエンス・サピエンス Homo sapiens sapiensと呼称される。従来現生人類すなわちホモ・サピエンスであったが,ネアンデルタール人もホモ・サピエンスと考えられるようになったため,これを除いたものが現生人類であるといえる。後期旧石器文化をになったクロマニヨン人や,ジャワ出土のワジャク人などは化石現生人類と呼ばれる。その特徴として,脳容量が 1300~1500cm3あり,額がふくらみ, (おとがい) が形成されていることなどがあげられる。

https://kotobank.jp/word/%E7%8F%BE%E7%94%9F%E4%BA%BA%E9%A1%9E-60767 より引用


”現生”には「今住んでいる」という意味が込められている単語になります。
このことからメフィラス、ゾーフィはシン・ウルトラマン作中で登場する我々地球人のことを「現在地球上に生息している人類」と言っているのですね。

では、なぜメフィラスとゾーフィは単純に人類や地球人という表現ではなく、「現生人類」という単語を使っているのでしょうか?
特別な意味合いがないのであれば、単純にザラブと同じようにホモサピエンスや地球人類と呼称すれば良い。わざわざゾーフィとメフィラスが我々を”現生人類”と表現するには理由があるはず。

ここで一つ仮定したいのが「”現生人類”より前に文明が栄えた人類の存在を、メフィラスとゾーフィは知っている」ということです。
単純にこの現生人類より前の人類を、アウストラロピクテスやネアンデール人などの旧人類のことを指しているのであれば問題ありません。

しかし、アトランティスやオーパーツなど、現在の人類以上の文明が遠い過去に存在していたのかもしれないというお話は地球上の古今東西沢山あり、シン・ウルトラマン劇中でも現生人類の文明では創ることのできない生物兵器”禍威獣”は、どこか地球上の生物が何かしらの外的要因で無理矢理進化させられているような印象を受けました。
このことからシン・ウルトラマン作中では「現生人類と同じか、もしくはそれ以上に発展した文明、文化を持っている人類が、以前にも地球上に存在していた」と仮定すれば、メフィラスとゾーフィがわざわざ現在の地球人を指して「現生人類」という単語を使っている理由がわかります。

じゃあ”禍威獣”を地球に遺したのは”誰”なのか?

さて、メフィラス及びゾーフィが「現生人類」と表現している以上、我々”現生人類”よりも前に、シン・ウルトラマン世界の作中では現在以上の文明をもった人類がいたと仮定しましょう。
そして「現生人類」よりも前に存在した人類はゴメスやペギラのような生物兵器”禍威獣”を創り出す文明力を持っていることになります。

さて、それらの「現生人類」より前に存在した人類とはどういった存在なのでしょうか。
今回は、続編があるとすれば作成されるであろう、デザインワークスの手記にも記載のあった「続シン・ウルトラマン」および「シン・ウルトラセブン」から着想を得て考察をしていこうと考えています。

①地上の人類とは別々の進化の道を辿った「地底人」

地底人とは初代ウルトラマン第22話「地上破壊工作」で登場しました。
遠い昔の地殻変動で、地下へ潜る選択をしとある機会を伺って怪獣テレスドンを用いて地上の破壊工作を企んでいたもう一つの人類です。
地底人であれば、初代ウルトラマンに登場したということもあり、自らテレスドンという怪獣を使役できていることからも”禍威獣”などの生物兵器を扱うことができると考えても良いのではないでしょうか。
また、シン・ウルトラマン冒頭で現れたゴメスやパゴスなどは地底怪獣よろしく、地底から現れるような怪獣であり地球の地下原産の禍威獣ということも頷けるでしょう。

シン・ウルトラマンの続編が、続シン・ウルトラマンとなるのであれば、やはり初代の話からストーリーの骨子を持ってくるのではないかと思い、この地底人はそういった意味では初代ウルトラマン出自の敵役でもあることから、可能性は十分あり得るのではないのでしょうか。

②地球にもともと生きていた本当の地球人”ノンマルト”

二つ目の候補はノンマルトです。
ノンマルトは、ウルトラセブン第42話「ノンマルトの使者」で登場しました。
自らを地球に元から住んでいた人類であり、現在地球に住んでいる人類は宇宙からの侵略者である、という持論の元、怪獣ガイロスを使役して海から侵攻を開始しました。

ノンマルトであれば、ガイロスを使役しており地底人と同じく自ら”禍威獣”などの生物兵器を創り出す事も可能でしょう。
個人的には、このノンマルトの話を骨子に三部作構想の最終作「シン・ウルトラセブン」のストーリーとしては、持ってこいのテーマなのではないかと考えております。
本来は移民であるはずなのに、そこに元から住んでいた者を排斥し、さも自らが元から住んでいたかのように振る舞っている。もし、続シン・ウルトラマンにシン・ウルトラマンには登場することのなかった有名宇宙人であるバルタン星人が出るとするならば、よりノンマルトで描かれる”移民”というテーマはより濃く描かれてくれるのではないでしょうか。

筆者は個人的には、このノンマルト説を推していきたいです。
なんか、個人的にウルトラマンやウルトラセブンなどの、子供向けの作品にしては重厚なメッセージがある作品がやけに好きだったので・・・苦笑
ぜひ、ノンマルトのようなテーマをシン・ウルトラセブンで見たい・・


まとめ

ゾーフィとメフィラスが、なぜ”現生人類”という単語を用いているのか?という着眼点と、シン・ウルトラマン作中で”禍威獣”を誰が遺したのかが明かされなかったことを、こじつけてみました。
単純に”現生人類”という単語に、それ以上の意味はないかもしれないです。要は地底人やノンマルトなんていうのは、筆者の妄想の可能性もあります。

しかし、こじつけた結果ゾーフィとメフィラスは、過去に存在していた本来の地球人である”ノンマルト”の存在を知っており、常に我々を”現生人類”と呼んでいる。そしてその真実はゾーフィとメフィラスだけは知っており、今後の大きな伏線となってくれるのではないかと筆者は考えております。

さてさて。
シン・ウルトラマン、続編はどうなるのでしょうか。
個人的にはすごい作って欲しい。めちゃくちゃ期待しております。
続編をぜひ!!お願いします!

下記は珍しくたくさんの色々な人に見ていただけている、本記事と同じようなことを書いた筆者のツイートです。いやー。誰が”禍威獣”を遺したのか。楽しみです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?