月組感想「Eternal Voice」「Grande TAKARAZUKA110!」
先日ぴあ貸切で月組さんを観劇して来ました。
舞台はムラの時から「難解すぎる」とかマイナス面を聞いていたので、どうかなと身構えてしまいましたが、なんだかんだ楽しめる作品でした。
ショーはまさに宝塚!といった王道の煌びやかな美しいショーで、本当に何度も見れるショーになっていました。
今回はこれら二つの記事の感想をもう少し
具体的に書き残していきます。
1.「Eternal Voice」のなんちゃって感
本作はやたらと対立構造が多く登場し、説明のないカタカナ語が多く出てくるのが複雑な印象を与える原因になっている。しかし結局は
カトリック↔︎プロテスタント
という対立構造に終始する。それならばもっと単語を絞ればいいだろうが!
それに本作は様々な要素がすべて曖昧模糊で
不明瞭にも程がある。アデーラの能力が都合良すぎるとか、ご都合主義も多い。
だがそれでも私はなんだかんだ好きだ。
芝居上手な月組さんは間の取り方が上手で、
おかげでコメディ要素もうまく処理できてる。
背景のスクリーンも決して無駄に使われずに、
きちんと効果的にかっちりと使われていた。
1幕ものなのに場面転換が多いがスムーズに
移り変わって、バリエーションに富んだ舞台になっていた。
そして何より月城さんの美しさ!!なんの衣装を着ても似合うし、コートの扱いも上手。顔が彫刻品のように完成されていて、尚且つセリフがよく通る。これは舞台役者として必要不可欠な要素だ。相手役を務める海乃美月も圧巻
の演技。引っ込み思案な時もあれば、場面を引っ張るアクティブさの塩梅も絶妙。
要するに、本作は敵が誰で味方は誰なのかをいかに早く飲み込めるかが楽しめるかどうかの分かれ道だろう。2回目以降はより楽しめると感じる作品だった。
「Grande TAKARAZUKA110!」の最適解
宝塚レビュー作品における最適解となる作品が本作になるだろう。組子全員による華やかなオープニングに、宝塚らしい色とりどりの仮面舞踏会。さらには前衛的な若手ナンバーの後は、トップ率いるタンゴに、初舞台生たちの若々しいロケット。そして最後の物悲しさを感じる和の場面に添えられる退団者に向けた組子たち全員からの壮大なラブレター。
なんて素晴らしいレビューなのだろうか!
今年見たレビューは新進気鋭作家による癖の詰まった「Violetopia」で、私は好きだったが好き嫌いのはっきり分かれた作品だ。しかし本作は、誰が見ても楽しめるし何よりこれまで宝塚を見たことのない人にこそ見てほしいレビューに仕上がっている。
トップ二人に向けられた感謝の言葉に溢れた
曲たちはいつ聞いても涙が流れるし、シンプルな振り付けながらも洗練された黒燕尾もさすがだ。いつ見ても惚れ惚れする黒燕尾姿だ。
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