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マルクス「資本論」ー剰余価値率

数字ばかりで目が滑る資本論第七章の剰余価値率。

資本Cは、「生産手段を得るための支出c(不変資本に使われる資本)」と労働力を得るための支出v「可変資本に使われる資本)」から成っている。
そこから増殖した資本(剰余価値m)を含めて考えると「C=c +v +m」
ここで新しく生み出された価値生産物は「v +m」
(不変資本はそのままだから)
可変資本vに対して必要な労働を規定するとm/v、これが剰余価値率となる。

ここまで読んだところで、まったくピンとこない。
数式の説明をされてるだけだとふーんと思考がスルーしてしまう。
読書会ではまず「なぜ剰余価値mではなく剰余価値率m'を使うのか」という問いから始まった。
これは量ではなく、質(濃度)を問題にしているからではないか、という話から、どれだけ売り上げ(m)があったところで、それを売り上げたvの給料がめちゃ高かったら、資本家は損をしてしまうという話なのでは?という話へ。
だから、資本家にとっては剰余価値ではなく、剰余価値率が大切なんだ!!!と心から納得。
売り上げだけを気にしているようでは、資本家になれないねとみんなでため息をつきました。
資本家のレイヤーで見ると利益が10倍近く違っている会社であっても、それぞれの会社の労働者の給与が10倍も違うことはほとんどない。
そうやって日々、私たちは搾取されているんだなぁと実感したところで第一節のタイトル「労働力の搾取度」の文言が胸に沁みました。

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