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着想の技術

オムライスを食べるとき、『着想の技術』(筒井康隆)の「創作作法以前」を思い出すだろう。最近の「創作の極意と掟」では「着想」から「妄想」に修正している。「48億の妄想」があるし、星新一には「妄想銀行」がある。星新一の「できそこない博物館」では「バブリング創世記」を歴代天皇と結びつけている。「虚航船団」はそれへの応答だろう。「ユートピア探し、物語探し」で大江健三郎が「虚航船団」を古事記以来の傑作などといってるがこれはおだてるのが主眼ではなく、「古事記」が主眼だろう。「日本沈没」も古事記をひっくり返しているが、「虚航船団」もそうである。なぜひっくり返すのかと言えばカルペンティエールの「失われた足跡」による遡行である。それでは第二部はなにかというと「史記」まで遡行してるのではないか。小林恭二は「史記列伝」以上の本はない、といっているなあ。ということはだ、最初に出てくる文房具はコンパスであるが、二番目が重要であるということである。二番目がなにか、思い出せない。

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