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優れた意思決定は成功する確立は高いが保証はない。運命までは操れない - ディンクレッジ

ディンクレッジは、キャリコン試験においてはその「8つの意思決定タイプ」が出題される。

試験合格だけに注力するなら、こちらの有名ブログで分かりやすくまとめられている事を押さえれば良いけど、わたしのnoteは試験に役立つとは限らないキャラをきままに深堀りするよ。

まず、ディンクレッジは1936年生まれの女性、その名はLillian Brandon Dinklage、リリアンだよ!

実は、私選学者リストの中で唯一、肖像が見つけられず。ムキになって検索してたら、料理とワインとクロスワードと散歩が好きという公開Bioにいきあたり、リア充のおばあちゃんは顔とか出したくないのかもと思って、そっとしておくことにした。

タイプ論は近年、加速度的に進化している。いまやAIのおかげで、素人でもそれなりの精度のアセスメントを作れる時代。

SNS経由で出回る有象無象の「診断テスト」に触れている我々にとっては目新しくもない話だが、なんといっても、今から50年も前の1968年に実験を通して意思決定にかかるタイプ論を最初に示したというところが、ディンクレッジのクレジット。その枠組みには、後続の様々な意思決定論に引用される普遍性がある。

いわく、人の意思決定スタイルは次の8つに分けられる。;衝動型(Impulsive)、運命論型(Fatalistic)、従順型(Compliant)、延期型(Delaying)、苦悩型(Agonizing)、直観型(Intuitive)、無力型(Paralytic)、計画型(Planner)

…詳細は他のBlogがいろいろあるので割愛する。ちょっときになったのは、なかにいわゆるPDCAをちゃんと回せる「計画型」が理想としているBlogもみつけたんだけど、だがしかし、原文を辿ってみるとディンクレッジがそこまでは言及している気配はない。彼女は、ハーバード大学の心理学大学院で行った実験に基づき「人間の意思決定におけるスタイルはいくつかに類型化される。どんな種類の意思決定においても、各個人は安定した傾向を示すので信頼性が高い」ということを示したまでのようである。

確かに、計画的に物事を進める能力(それは、もともと苦手な人でもある程度は教育により身につけることのできるスキルである)は、あるに越したことはない。それで人は一定程度「要領の良い人」にはなれるだろう。

しかし現実は、そんなにパーフェクトにはできていない。

何か人生の壁にぶち当たって意思決定しなければならない時、いかにその人が情報収集力があり、多くの良い友人に恵まれ、優秀なプロフェッショナルの意見を聞く機会を得られて、理知的な判断を下すことができたとしても、理不尽なこともたくさんあって予想不可能なのが未来というものである。

何にせよ、意思決定の局面において、毎度目の前にある選択肢を漏れなく全て並べ上げ、フェアに評価するなんてことができる、機械…ていうか、神みたいな人には、わたしは会ったことがない。

わたしはAIがいかに進化しようとも、それはあくまで機械であるので、未来を完全に予測するなんて無理でしょと思う派である。

別のいい方をすれば、ネット上の精緻なアセスメントや占いでどんなタイプだと宣託されようとも、あなたがあなたであることについては、限りなく、自由だと信じている。

書いていて思い出したが「ガタカ」という映画が好きなのもこの文脈。ジュード・ローが最高にかっこよかった時代の古い映画だが、すごく良いので、見たことない人は是非見てほしい。

…と話が逸れたが、言いたかったのは、計画型になれっていうのが正解なのではなく、自分の偏りがちな癖を把握したうえで、意思決定をしなければならない時は、意識的に他のそれぞれのやり方も参考に、柔軟に組み合わせて人生を歩んで行けるのがいいんじゃないかなってこと。

ちなみに、わたし自身はどのタイプかっていうと本来は「直観型」である。案外慎重なところもあるので衝動型ではない。調べものが好きなので計画型に見えるかもしれないけれど、意思決定スタイルについてはそうではない。

不惑を超えて遅ればせながら "いや、その直感ちょっと待った!" と自分にストップをかける技を繰り出すことを覚え、時には「保留カードを切る(延期型の技を使う)」とか「流れに任せる(運命論型の技を使う)」とかができるようになったのよ。

というわけで、表題はディンクレッジの論旨ではない。そこに端を発して、いわゆる昨今のタイプ論ブームに対して個人的に思うことを、大好きな映画「ガタカ」のセリフをもじって言ってみた。リア充おばあちゃんとして長寿を全うしようとしているディンクレッジも、賛成してくれる…かな?



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