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天使に採点されたら私のバランスはゼロかもしれないと思った時

ちょっと前に完結した「私はラブリーガル」というドラマシリーズがあります。主人公のデビーはモデルの卵。でも、1話目でいきなり死んで、太めの弁護士ジェーンの身体に魂が転生してしまいます。(表題写真)

私がこのドラマを見はじめたのは第一子出産前だったからたぶん2013年より前のことです。でもその時、事故死したデビーが、天国入り口で門番天使のフレッドから「あなたのこれまでの人生はゼロ点。善人でもなければ悪人でもない、空っぽの人生」と言われてブチ切れてリインカネーションのボタンを押すところみて、「あ、これって自分の事かも」と感じたんですね。

世間的に見たらいい会社でまあまあいい仕事しているけれども、天使から採点されたら私のバランスはゼロかもしれない…!と。

さて。デビーが得た身体は、元のスレンダーで若い自分からすると絶望的な体系のアラサー弁護士のもの。最初こそ絶叫するデビーですが、前向きな性格で立ち直り、ジェーンの明晰な頭脳を生かして大活躍。持ち前のファッション・コンシャスも発揮して、話が進むごとに、どんどん主演女優のブルック・エリオットがかわいらしく見えてきます。中身が自分だとバレてはいけない、元恋人との切ないラブコメ要素も楽しめます。

このドラマの原題は「Drop Dead Diva」です。「Drop dead=急死」というのと「Dropdead=ハッとするような(美しい)」という言葉のだじゃれ。

そして、Divaは本来の意味は「女神、歌姫」ですが、転じて「成功した女性のような態度を取る嫌な女、女王様気質」という皮肉にも使われる言葉なのです。なかなか本質を突いたタイトルです。

日本語のタイトル「私はラブ・リーガル」は、横文字ながら、愛に満ちた弁護士(Loving Legal counsel)っていうのとかわいい女の子(Lovely Girl)の二重の含みを持たせるところを引き継いだんですね。

当時、私はデビーのような美貌で生きていけるタイプでもないし、そこまで性格の悪い女でもありません(多分)でしたが、天から与えられたものを使って勝手に生きていたので(当時は子供もいなくて自分の時間は全部自分の好きに使っていて…)、とりたてて悪人ではないけれども恵まれているのを当然の権利として生きていたデビーの在り方に既視感がありました。

履歴書のほうで先日書いたような恵まれた会社員を辞めたのは2016年ですが、いつまでもこのままじゃだめだって感じていたのかもしれません。

念のため言い足すと、企業勤めの方を否定するつもりは皆無です。社会に対してはいろんな役に立ち方があります。ただ、超個人的に自分がどうありたいかと考えた時、世界を良くしたい思いって、その力をいくら内側に持っていても、実際に発動させなければインパクトはゼロだと思いました。

 だから、多分、今、私は

 noteを書いているのです。

さておき、「私はラブリーガル」本来はそんなややこしいことを考えなくても楽しめるドラマです。お勧め!

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