アセスメント・ツールを使う意味 - ホランド

以前、シャイン博士の8つのキャリア・アンカーを紹介したが、それより前に、人の性格特性を6種類の「RIASEC(リアセック)」に分類して「個人の行動やキャリアは、性格特性と環境との相互作用で形成される。自分の性格特性と一致した職場で仕事をすると、高い満足度が得られる」と言ったのは、心理学者のホランド博士。

シャインの分類が企業内キャリアに関する人の内的な価値観(セルフ・イメージ)に焦点を当てたものであるのに対して、ホランドの職業選択理論は個人の興味関心をインプットしたらそれに対応する職業分類が提示されるというものです。

我が国のハローワークで無料で受けられる「VPI職業興味検査(Vocational Preference Inventory)」や、学生の就職ガイダンスなどの場で使われる「VRT職業レディネステスト(Vocational Readiness Test)」の骨子としても使われているんですよ。

キャリコン試験対策的には、ホランドのRIASEC(リアセック)は、具体的な内容の理解までが求められます。

また、同僚のプレディガーが、後にそれをもとに「ひと・もの」✖「データ・アイディア」の二軸理論「ワーク・タスク・ディメンション」を展開したということもおさえておくと吉ですね。

さて、わたしが通ったLECのキャリコン養成講座では、実際に「VPI職業興味テスト」受けてみる講義がありました
。20分程のペーパーワークで、以下、6つのRIASECタイプと5つの尺度スコアが出ます。

※独立行政法人労働政策研究・研修機構ページより抜粋

その結果は…私の場合は、事前に想像していた「こんな感じかな」というのと、だいぶ違っていました。

まず、関心領域。自分は、I領域(研究的)が高いと予想していたのだが、結果は、E領域(企業的)とS領域(社会的)のスコアが高かったのです。

Eについては、長く従事してきた仕事(売上収益の分析を担当し、組織の意思決定に奉仕するFP&Aの仕事は、確かにとっても企業的)を考えるとそうかとも思いましたが、Sについては実に意外でした。人様に奉仕する気持ちがないとキャリコンは務まらないから、そういう傾向があるなら嬉しいことです。

一方、Mf尺度の高さが突き抜けていたことにも驚きました。これは、一般的に男性が好む職業にどの程度強い関心を持っているかを示す尺度ですが、女性でスコアが高い場合は「(仕事選択において)男性的とか女性的とかにこだわらない傾向」なんだそうです。

確かに、私はほとんどジェンダーを意識せずに仕事をしてきたよ。にしても、そこまで特殊かな?とロジックを調べたら、この尺度は回答者が女性であると極端に加重がかかるようになっていました。設計、古くない?

ただ、改めて思えば、日本で働く女という群像を俯瞰してみると、確かに自分はいろんな意味で異常値だったのかもしれない、と思いました。

そもそも外資系勤務というところからして労働人口の1%程度しかいないっていうのは、今回調べてみるまで考えたこともありませんでした。しかもその中でもホワイト・オブ・ホワイトで有名なGoogleの一員であったということは、それ自体が異常値だったのですね…。

その気づきにより、自分自身が変わるわけではないけれど、自分のズレについて、少しだけ客観的になれた…かもしれません。

私は基本的にアセスメント・ツールがそんなに好きではなありません。統計をずっと扱ってきたくせに、こと人に関しては個体差を見てしまう癖があるのですが、でも、アセスメントもやってみたら、それはそれで何らかの発見があり、自分の行動を良い方に調整していく手掛かりが得られることも少しはあるのかもしれないなと、見直しました。

占いやおみくじやナントカ診断と同じで、やっぱり原則としては、何が出るかよりも、その結果を個人がどう捉えるかのほうが大事ですけどね。

どちらさまも、ハッピーなライフ・キャリアを。

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