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のぞんだものはすべて

石井ゆかりさんという有名な星読みの人がいる。

人の週間とか月間とかが、たかだか12パターンに分けられるはずがなかろうと思うので、わたしは星占いからは一定の距離を取って暮らしているが、前職同僚に教えてもらって以来、この方の、「その週のラッキーアイテムは何です」とかいうのではなく、普遍的に立ち返って考えると良いヒントを肚落ちする丁寧な言葉で提示してくれる感じが気に入っていて、週末に「筋トレ」サイトを見るのが楽しみな習慣になっている。

今週の蠍座はこうだって:

蠍座の人々は、「欲しいものを必ず手に入れる」才能を持っています。特に「どのように手に入れるか」よりも「欲しいもの」の内容と向き合うことが、最も大きなポイントです。蠍座の人々は、どんな手段でも見いだせます。ゆえに、目的自体がズレていた場合、欲しくも無いものを手に入れてしまうことにもなりかねないのです。この時期、あなたはガンガン勝負し、勝利し、あるいは新しい手段を見いだすことができます。だからこそ、常に「自分は何を手に入れようとしているのか」を自問しておく必要があるのだと思います。

そうよ!そうなのよ!!そうなんだよーっ!!!

蠍座皆がそうとは思わないし蠍座以外でも当てはまる人はいると思うが、私はまさにこのタイプなんだ。

本気で欲しいと願ったら手に入るからこそ、ロングスパンの未来にどんな夢を投擲するかをしっかり考えることってすごく大事だと思う。

と、自分が間違ったものを10年ほど追っていたと気がついて足元が崩れたアラサーの頃、当時流行っていたmixiという牧歌的なSNSで、同じタイトルの文章を書いたことがある。

であれば、その願いを「巨大な富を築く」とか「豪邸に住みたい」とかにすればいいようなものだが、ポイントは、自分が本気(マジ)で願えることって、どうも、そういう感じじゃないのだ。シンプルでハンブルだから実現するとも言える。未来の目標として投擲するその時には不可能かもと思うから願うことであるし、そうして積み上げてきたことの意味を振り返ると、とてもささやかだなんて言えないが。

子供の頃、自宅にあった世界の童話全集のなかのお気に入りに「のぞんだものはすべて」という話があった。きれいな絵のついた、海外のお話だった。

タイトルも含め、以下は記憶ベースで書いているので不正確かも

主人公の女の子は、両親と死別して一人暮らしをしているのだが、毎年の誕生日に、海外に住む後見人の魔法使いの叔母さんがカードを送ってくれて、そこに書かれていることは必ず現実になる。

たとえば、「あなたの歩く道が、常に美しい花に彩られますように」というカードが届くと、その一年間は歩いた後にはいろんな花が咲いてしまうため、温室みたいな家に引きこもって暮らさねばならなくなるとか。

そんな具合で結構迷惑なんだけれど、その叔母さんは常にいろんなところを飛び回っているので連絡する術がない。自分が善意で送っているカードがそんなことを引き起こしているとはつゆ知らず、なのだ。

で、その女の子が15歳か17歳か、とにかく「カードは今年で終わり」という節目の誕生日には「あなたの望んだものは全て手に入りますように」というカードが届く。

ちょろっと「いいな」とか「ほしいな」とかいうのが全部実現してしまう。ようやくおばさんに連絡がついたけど、カードの魔法は途中で解除できないため、彼女はその一年、家に入り切らないほど、ライオンの赤ちゃんとか、なんだかんだ、いろんなものにをどうにかしなけりゃならなくて大変だったのでした。という、オチ。

その、ライオンの赤ちゃんという具体例が、可愛いから確かにうっかり欲しくなりそうだけど、実に困るな、どうしよう?と子供心に心配だった。

その絵本のモラールのせいとはいわないが、私が本気で望むものは、望めるものは、シンプルなんである。これを読んでくれているあなたも、是非一度本気でやってみてほしい。例えば10年後に何が欲しいか。未来に投擲する夢を、全て、リミッターなしで「具体的に」書き出してみて。

一旦全部書き出してから、あらためて「本当に欲しいか」を一つ一つ考えてリストを見直して。できるだけ、リアルに、具体的に、実現した様をイメージしてみて。

そして、具体的にイメージできないものは、なんかちょっと違うと感じて消し込むことになる。「絶対にこれを心底望む」と確信するものを残す・・・そしたら、残るものは案外シンプルだと思うよ。

ついでに言うと、そのほしいものについてパラノイアックに具体的なイメージを深めていけば、それは時間をかければ手に入る。

実を言うと、わたし自身が時々(数年に1回くらい)思いついたときにその作業をするのだが、今週は石井ゆかりさんに指摘されたので、久しぶりに時間をとって現時点の「欲しいもの」を棚卸してみようかと思う。「ほんとにほしいか、それ?」という批判的視点を持って。



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