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湊かなえ「母性」

他人に迷惑をかけないように意識しすぎて娘を殺してしまう母親の物語

【こんな時に読みたい】
・「周りに迷惑をかけるな」と子供に声かけしたとき
・少ない人としか関われない環境で我慢しているとき

【感想】
10年ぶりくらいに小説が読みたくなって買いました。急展開があるような話でもないのに続きが気になって、1日で読み切ってしまいました。
本自体の感想ではないですが、今朝テレビを付けたら偶然この小説の映画宣伝を見かけました。私が小説を読んでいたときとの印象とは結構異なっているのが印象的でした。
小説って、当たり前ですが文字しかないので映像は自分で想像するのですが、映画にされると「私の想像していた顔の表情とは違うな…」とか「文字だとうまく気づかないようにできていた表情に先に気づいちゃうな…」とか、色々な気づきがありました。
小説はYouTubeのように大衆に注目されてないからか実は過激で、自分の想像力が尖っていくほどストーリーをいくらでも補完できるようになって、実は娯楽の行き着く先は小説なのではないかと感じました。
また物語を終えての解説も良かったです。読み終えたあとに感想を言い合いたい気持ちになったのですが、うまくその気持ちを埋めてくれていました。「ここの部分どう思った?」「私はこんな解釈をしたよ」っていう会話をできた気持ちになりました。
ビジネス書や技術書ばかり読み慣れていたせいもあって、どうしても私は「結局誰が何故悪かった?」という答えを求めてしまっていました。でも「そんなに単純な話なんじゃないよね」というのが小説で触れられることなのかなと思いました。

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