セイゴウ先生

2013年3月 フジテレビ「オデッサの階段」の最終回でこのおじいちゃんが出演してた。(なんか色気のある人だなぁ…)と思って、この人の主催する編集学校に入学。半年学んでから、卒業式で本人と話す機会を持てた。

元々ファンじゃないから本人に聞きたいこともなかったけど、話すうちに楽しくなって最後は質問攻め(何時間寝てますか?→ 4時間半。それ以下は効率下がる / 村上春樹の作品をどう思いますか?→ 文章下手だね)。知らないことを聞かれると「怒る」か「誤魔化す」大人が多い中で、松岡さんはニコニコしながら、一度も聞き返すことなく、何でも応えてくれた。Googleの検索結果より、このおじいちゃんの頭の中の方がはるかに面白かった。

松岡さんと直接関わったのはそれっきりだけど、それから彼の本を何冊か読んだ。特に『読書術』という本で紹介されていた『慎独』(しんどく…読書した内容を独り占めしない「必ず他者に提供せよ」という江戸の私塾の読書方法)という考え方には感銘を受けて、それ以来、本を読んだら、なるべく内容を文章に残すか他人に話すようにしている。

セイゴウ先生が亡くなったのは残念だけど、彼の残した書評サイト(「千夜千冊」)には今後もずっとお世話になると思う。サイト内では過去の偉人たちをほとんど網羅してるので、wikipediaの説明を見てピンと来なかったら、千夜千冊を訪れて、セイゴウ先生の主観に触れる。今までも、そうやって偉人たちの人物像を膨らませてきたのだから。

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