おじいちゃん、おばあちゃん

おじいちゃん
あなたのことを
思い出す
あの自慢の庭に立って

おじいちゃん
あの台所で
得意なラーメン
作ってよ

おじいちゃん
夕日の中で
草むしり
曲がった背中
一日の終わりに
晩酌することを楽しみにして

おばあちゃん
おうちに行くと
居間の窓越しに覗き込んで
さよならの時には
手は振らないけど
ずっと見送っていてくれた

おばあちゃん
たまに電話すると
東京はもう慣れたか
もうそろそろ帰って来んね
どんな気持ちで言ってくれたの

小さな頃の私は
二人のおうちに行くのが楽しみで
いつまでも二人で迎えてくれると思っていた

みんなで深夜までトランプしたね
百円かけて、本気で勝負
いつもどべだったおばあちゃん
性格悪いおじいちゃん

楽しかった思い出
忘れられない
あの頃がどんなに幸せだったかって
今は眩しすぎるあの頃の記憶

おじいちゃんは
頑固で怒りっぽくて
おばあちゃんは
ほとほと嫌気がさしたって言っていた

昔の写真は
クールなおじいちゃん
となりのおばあちゃんの
しかめっ面

私の知らない長い人生
二人にはどんなドラマがあったの

おじいちゃんが先に
何も分からなくなって
別れ別れになった二人

それから一度も二人は会えなかったね

若い頃に苦労もいっぱいして
死にかけて死にぞこねて
それでも生きて

寂しい日もあったんだろうね

二人とも最期は知らない場所で
一人ぼっちで静かにいなくなっちゃった

今も二人のおうちはあるけど、
おじいちゃんとおばあちゃんは
どこにもいなくて

私の大好きな
おじいちゃんとおばあちゃん

二人の人生は楽しかった?って
聞きたいと思うことがあるんだ

私の大好きな
おじいちゃんとおばあちゃん

思い出すのは、笑ってる顔ばかり

会いたいよ
声聞かせてよ
名前を呼んでよ

二人が笑う顔が見たいよ

またいつか遊びにいくよ
きっとまた会えるよね

大好きだよ

おじいちゃん
おばあちゃん

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